ざっくり言うと:
それでは肩の力を抜いて、Unity 5.3 の新機能を見てみましょう:
Unity 5.3 のリリースではあなたの開発作業をスムーズにする、たくさんの新しいツールが導入されました:
Unity 5.3 ではMonoDevelop-Unity の バージョン 5.9 が同梱されます。これはこれまでのUnityのスクリプトエディターからの重要なアップグレードです。より簡素にユーザーインターフェイスがオーバーホールされただけでなく、ターゲットに素早くアタッチしてデバッグできるようになりました - 以前のエディターよりも何クリックも少なくて済みます。 さらに、私たちはデバッグに関する数々のバグも修正したので、MonoDevelopの使用体験は大きく改善されたはずです。おまけに、Mac版での問題のあった日本語入力についてもついに可能になりました。このブログ記事 をチェックしてさらに詳細を確認下さい。
MonoDevelopのデバッガーをUnityにアタッチする古い方法。(アタッチ用のダイアログを使用)古い方法もMD 5.9 では依然サポートされています。
MonoDevelop のデバッガーをアタッチする新しい方法。1clickで完了!
エディターのシーン編集機能はマルチシーン編集という重要なアップグレードが導入されました。Unityはついにステージを作るときに複数の小さなシーンに分けて行うことができるようになりました。これが役に立つ場所がいくつかあります。たとえば、非常に広大なステージのゲームを作っているならば、ステージを複数のシーンに分割して動的にシーンをストリーミングしてロード/アンロードを行いたくなります。これは大きなシーンでのパフォーマンスの向上にもつながりますし、より大きなインゲーム環境を構築するときにも便利です。
マルチシーン編集はシーン管理をよりやりやすくするだけでなく、コラボレーションもやりやすくなります。シーンを作業単位で分割して、必要に応じてロード・アンロードしていくことが可能です
わたしたちはUnityがカンペキな2D向け開発環境になるよう、2D機能の改善に関してたゆまぬ努力を続けています。今回はあたらしくエキサイティングな2D物理ツールを追加しました。たとえば:
浮力エフェクター(Buoyancy Effector): オブジェクト、流体と流体のフローフォース間のシンプルなインタラクションを提供する2D物理エフェクター:
オブジェクトと流体が浮力エフェクターでインタラクションしている図
新しい 相対/固定/ターゲット/摩擦ジョイントで、2Dゲームのクリエイティビティをさらに強化:
TargetJoint2D でことなる強さでターゲットを追いかけている図。
RelativeJoint2D と破壊可能ジョイントの表示
FrictionJoint2D によるトップダウンの摩擦の図
FixedJoint2D による接続されたリジッドボディ
新しい2Dプレースホルダーアセット作成ツールですばやくプリミティブシェイプを作ってゲームのアイディアをプロトタイピング:
2Dプリミティブシェイプを既存のテクスチャからささっと作成
私たちはUnityに自動テストを管理/実行する新しい方法を導入しました。それが Editor Tests Runner です。これはよく知られた .Net ユニットテストライブラリである NUnit を使った実装です。これを使うとあなたのコードのそれぞれの機能に対するテストを実装/実行することができるようになり、開発の初期プロセスから問題を早期発見することに役立ちます。
Editor Tests Runner を使い始めるには、Editor Tests Runnerウインドウを開いて、プロジェクト内で行いたいテストを定義しましょう。また、Cloud Build上で自動的なテストサービスを設定することができるようになり、設定したエディターテストをあなたのゲームプロジェクト内で実行できるようになりました。 この改善も問題の早期発見とよりスムーズなイテレーションに役立ちます。
Unity 5.3では、レンダリングのクオリティをさらに高め、より綺麗な絵作りを可能にする数々の新機能を導入しました。
まずはじめに、既存のOpenGL 2.1グラフィックスコアを置換する形で 新しい OpenGL 4.xグラフィックスコアを導入しました。このアップデートで最新のOpenGL 機能がWindows, OS XとLinuxで利用可能になりならがも、利用者のOpenGLドライバーのサポート状態に合わせて古いバージョンにもスケーラブルに対応できるようになりました。Unity 5.3 ではデフォルトで新しいOpenGLグラフィックスコアを選択するようになっていますが、以前の振る舞いを保てるようOpenGL 2.1グラフィックスコアを選択することもできるようになっています。古いOpenGL 2.1グラフィックスコアはUnity 5.4で削除される予定です。
私たちはさらにOS X のアプリケーションに向けて AppleのMetalテクノロジー(Metal for Mac)を実験的にサポートしました。Metal for Macを選択することでOS X でもより高いグラフィックス処理能力を得ることができます。MetalはUnityエディターのPlayer SettingsウインドウにあるGraphics APIのドロップダウンリストから選択することで利用可能です。
また、Screen Space Raytraced Reflections (SSRR) を導入することで、Unityの写実的なグラフィックス描画能力はさらに上がりました。SSRR はReflection Probeに比べてよりオブジェクト周囲の環境をより正確に反映した反射が行え、より動的に動作するので、移動するオブジェクトもきちんと表現に反映されます。SSRRを活用することでどのようなビジュアルが実現可能になったかは、最近わたしたちがリリースした Bedroom demo でぜひご確認ください。
私たちのSSRRの実装は現在ベータ版となっています。さらに良いものに磨き上げるために、ぜひAsset Storeから入手して活用いただき、 フィードバック にご協力ください。
Unityのパーティクルシステムは本格的なオーバーホールを受けました。すべてのパーティクルシステムの要素がスクリプトから制御可能となり、新しいクリエイティビティのために必要なコントロールを提供可能になりました。さらに以下の要素も追加しました:
システムスケーリング: Transformによるスケールの適用され、パーティクルのスケールを意図したように行えます。
3D 回転制御 (パーティクルの位置と回転に対する3軸での完全なコントロール)
メッシュ形状エミッター: SkinnedMeshがパーティクルエミッターとして使用可能になりました:
パーティクルのコリジョン設定に対する3Dと2Dオブジェクトに対する新しい制御オプション:
ピカピカの新機能もいいですが、パフォーマンスも気になりますよね? Unity 5.3では描画エンジン内部でのさらなる改善により、パーティクル、スプライト、レンズフレア、ヘイロー(円光)、ラインとトレイルの描画がより高速になりました。さらにフレームデバッガーもアップデートしたので、デバイス上でも使えるようになりました(たとえばAndroidなど)。今回の改善で、フレームデバッガーはドローコールごとに使われているシェーダーのプロパティも見られるようになりました。描画処理をよりビジュアルに確認できるようになったため、ランタイムの描画時の問題を発見する際に役立ちます。
その他、シェーダーのロード時間やメモリ使用量にもメスを入れました。重たいシェーダーも以前より効率的に実行できます。最後に私たちはテクスチャーデータをディスクから非同期にロードし、描画スレッドから分割してGPUにアップロードされるようにしました。この改善でテクスチャーがGPUにアップロードされる間のメインスレッドの待ち時間が減り、全体的な描画パフォーマンスが上がりました。やったね!
tvOS対応はもうすぐです!tvOSは現在ベータ版で、どなたでも利用可能です。フォーラムに参加して開発を始めましょう!tvOSの正式対応は来るUnity 5.3.x のサイクルで実現します。
tvOSプラットフォームはApple TVの新しい入力デバイスであるSiri Remoteも UnityのInput APIを通してサポートしています。またオンデマンドリソースについても Asset Bundles を通して対応しています。
すでにUnityを使った素晴らしいゲームがApple TVでリリースされています - Apple TV向けゲームのリストをチェックしたり、私たちのブログ記事を読んでtvOS対応を先駆け、成功を収めた開発者の方々のアドバイスを参考にしましょう!
Unity 5.3のAppleプラットフォーム向けのアップデートはまだあります。Unity 5.3からiOS 9とtvOSの様々な新機能 - たとえばiPhone 6Sの3Dタッチ、iPad ProとApple Pencilサポート、およびBitcode対応も行われました。もしUnityでtvOSとiOS 9向けにオンデマンドリソースを使って開発したいと思われるなら、こちらのブログ記事が参考になるはずです。
2015年3月、Unity 5.0のリリースとともに私たちはWebGLへの対応を”プレビュー版"としてリリースしました。それからしばらく経ち、5.1と5.2のリリースを通してこのプラットフォームへの様々な改善を行ってきました。本日のUnity 5.3のリリースをもってUnityのWebGLは”プレビュー版”から正式な対応プラットフォームへと昇格しました。WebGLというプラットフォーム自体がまだまだ発展中のものであることは心に留めておく必要がありますが、私たちの実装は現在のこのプラットフォームの制約の中ではかなりうまく動作するものに仕上がったと思います。
Unity 5.3のWebGLはたくさんのバグフィクスとより詳しくなったドキュメントに加え、WebGL シェーダーへの様々な改善、影描画、圧縮対応など、パフォーマンスとグラフィックスの改善に寄与する多くの改善が含まれています。
ブラウザーのWebGLサポートも以前と比べて格段に改善されてきましたので、潜在的なターゲットユーザー数も大きくなってきました。
現在のWebGLプラットフォームはUnityのすべての機能が使えるわけではありませんが、私たちはこのプラットフォームに継続して投資を行い、改善と新機能を今後のUnityのリリースとともにお届けしていきます。
UnityのWebGLの現状に関する詳細な解説とWebGL向けに行われきた様々な作業についてより詳しく知りたい場合は、この ブログ記事をぜひお読みください。
加えて、Cloud BuildサービスもWebGLをターゲットプラットフォームとしてサポートしました。一度プロジェクトを設定したら、WebGLのゲームのビルドはすべてCloud Buildに任せてしまえます!Cloud Buildを自分のゲームで使うための手引きはこちらにありますので、早速読んでスタートしましょう!
もしあなたがすでにモバイルアプリでのマネタイズにアプリ内課金を使っているなら、さまざまなアプリストアに対応するために必要な設定や作業が一体どのくらいあるのかということをご存じかと思います。
Unity 5.3では、この痛みを新しいサービスで取り除くことを目指しています : それが Unity In-App Purchase (Unity IAP) です。 Unity IAPはアプリ内での課金処理の実装を簡単にし、さらにポピュラーなアプリストアに対して横断的に対応できます。Unity IAPはエディターのServicesウインドウから直接有効にすることが可能です。
わたしたちはUnityをすばらしいVRコンテンツを開発するための効率的で完全なソリューションにするべく取り組んでいます。度重なるエディターのリリースのなかで、UnityはOculus RiftやSamsung Gear VRを含むさまざまなVRヘッドセットへのサポートを継続的に改善していっています。
本日のUnity 5.3のリリースに合わせて、私たちはUnityでVRコンテンツの開発を始めたい人々にむけた新しいサンプルプロジェクトを公開しました。これらのプロジェクトはこれからVRを始めたい人々にむけたもので、VR環境にマッチした内容の比較的VR酔いのリスクのすくないアーケードコンテンツとして作りました。サンプルプロジェクトはVRシネマ・カーブ・ディスプレイ スタイルのメニューと、4つの異なるミニゲームとゲームプレイやプレイヤー入力に対する3つのアプローチで構成されています:
Flyer はヘッドトラッキングを入力にして、宇宙船でアステロイドの中を飛び回ることが出来ます:
Maze はトップダウンビューのテーブルゲームで、ヘッドトラッキングとボタン入力をつかってキャラクターを導いていきます:
Target Gallery はギャラリースタイル のシューティングゲームで、ヘッドトラッキングを使って狙いをさだめます:
Shooter360 360度のアリーナ・シューターです。アリーナドームの中で周囲からわき出るターゲットを次々に破壊するゲームで、立って遊ぶことを前提にしたデザインです:
サンプルプロジェクトには、どのように作られたかという解説とOculus VRで開発を始める初心者向けのアドバイスが合わさったチュートリアル記事もあります。このサンプルと解説記事が皆さんがVRコンテンツの開発をはじめるキッカケになることを願っています!どのようなコンテンツが産まれるのか、いまから楽しみでしょうがないのです。
Unity 5.3で、ダウンロードサイズの軽減と、ユーザーの皆様にインストールしたいものを自由に選んでいただけるようにするため、Unityインストーラーの分割を行いました。ご希望の方は、従来通り、一度だけダウンロードしてダウンロードアシスタントでカスタムのダウンロード先を選ぶことで、複数のマシンへインストールするやり方もそのまま使えるようになっています。これはMacとWindowsの両方で可能です。詳しくは、こちらのフォーラム記事をご覧ください。
もうおなかいっぱいですか?ははは、お気の毒です。なぜなら、Unity 5.3の改善は残念ながらまだまだあるんです:
いつものように、すべての改善・変更点は リリースノート をご覧下さい。
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