Reeve「正直ビルドが苦痛だったんです。貴重な開発時間をごっそり使うし…Cloud Build以前は、Unityエンジニアは2名しかいないすごく小さなチームで、毎回実機でのテストが必要になると、ゲーム開発の時間を奪い去っていっちゃてたんです」
また、ビルド自体を内部のチームに配布する作業も進行を遅くする要因だったという。それまでの手法は配布バージョンの管理や変更の追跡も場当たり的で、効率的に行えたことはほとんど一回もなかったそうだ。
Reeve「結局、ビルドはたまにしかやらないようになってQA作業がどんどん大変になっていきました。デバッグに使うバージョンの間隔が開くので、何かのバグが発生したときにいつから紛れ込んだのかの特定が大変で…」
そんな時にCloud Buildを試すことになったのだが、Cloud BuildはSynapse Gamesのグチャグチャだった作業を継続可能な形で合理化・高速化し、最終的に多くを自動化した。
Reeve「Cloud Buildはプロジェクトで使っているバージョン管理システムのSVNから勝手に更新を取得してアプリをビルドしてくれるので、エンジニアは全くなんにもしなくてよくなりました。アプリの配布も簡単になって、ビルド結果のリンクを共有するだけでOK。開発チームが大きくなった今でも余裕です。QA担当のリーダーが、プロジェクトのビルド情報やビルド自体に直接アクセス出来るのも助かります」
Cloud Buildではチームのどのユーザーでもビルド管理ツールにアクセス出来るが、これはさまざまな役割で構成される開発チームにとってそれぞれ使いやすいように設計されている。たとえばQAチームにとっては、Cloud Buildの管理ツールにある「ビルドの詳細を調べて他のビルドと比較する」機能が便利だ。この機能を使えば、ビルド間の間に何が変わったのかを簡単にチェックできる。
Reeve「Cloud Buildが勝手にビルドしていってくれるおかげで、QAチームは細かい単位でビルドを入手できるので、何かのバグが新しく紛れ込んだときにいつから起きたかを的確に把握することが出来ます。さらにプロジェクトの変更ログ(Changelog)も見られることで、QAチームと開発チームはバグの原因について深いコミュニケーションが可能になったのも大きいです」
Unity Cloud Buildを活用するようになってから、Synapse GamesはAndroidだけでなくiOS向けにも開発ができるようになったという。
Reeve「私たちは開発はほぼWindowsマシンを使って行っているので、iOSのテストはかなりしんどいことの一つだったのですが、Cloud Buildのおかげで超簡単になりました」
ブラウザからiOS, AndroidとWeb向けのビルドをすべて並行して行うことができる Cloud Buildのマルチプラットフォーム機能もチームに好評だ。
Reeve「Unity Cloud Build導入前はビルドの作業時間がだいたい毎回45分とかかかっていたんですが、今は実質的に0分ですね。ビルドは継続的に手に入るし、ビルドのために作業を止める必要もないし、そもそもエンジニアの時間を使う必要もないし。Cloud Build はチームの仕事を加速してくれました。最高です」
Synapse Studio は今ではすべてのゲームをUnity Cloud Buildでビルドしているそうだ。Reeve氏によると、従来のやり方からUnity Cloud Buildへの移行は大変簡単で、
「ポストビルド用のスクリプトを用意しなければダメとか、もっと色々面倒かなと思っていたんですけどね…なんか、なんにも必要なかったです。セットアップをしてから最初のビルドができて、移行完了までせいぜい数時間といったところでした。どれだけ開発効率が変わったかをあらためて振り返って見ると、元々辛い思いをしていたのもあって結構期待はしていたんですが、正直それ以上でした。革命的といっていいと思います」
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