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Unity 2017リリース開始

2017年7月11日 カテゴリ: テクノロジー | 26 分 で読めます
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Unity 2017.1リリースされました!こちらからダウンロードいただけます。 ベータ版へのフィードバックにて貴重なご意見をくださったUnityコミュニティの皆様の貢献に感謝いたします。

このリリースは、新しいUnity 2017サイクルの始まりです。世界で最も人気のあるゲームエンジンから、ゲームやあらゆる種類のインタラクティブなエンターテインメント体験のために常に進化し続ける創作のためのエンジンへと躍進します。また、より良いチームワークができるよう、チームを成功に導けるような機能に注力しています。

新しい強力なビジュアルツールにより、アーティスト、デザイナー、開発者がそれぞれの力を発揮し、チームで効率よく作業できることを願っています。また皆様の制作された作品が驚くような素晴らしい体験をユーザーに提供できるよう、 グラフィックスの改善とパフォーマンスの向上をご提供できればと思います。

パフォーマンスについては、皆様が最新のGPUとネイティブグラフィックAPIを活用いただけるよう最新のプラットフォームやリリースされたばかりの新製品など(デスクトップ、コンソール、モバイル、VR、AR、TV)をいち早くサポートします。
この考え方が、Unityの強力なマルチプラットフォーム「1回のビルドで、どこにでもデプロイ」の基となっています。テクノロジーパートナー企業様と協力し皆様が世界中のユーザーにリーチできるよう、成功への機会を最大化できるよう努めてまいります。

売り上げに貢献という観点では、Unityに組み込まれているソリューション(Unity Ads、IAP)とUnity 2017にて実装されたLive-Ops Analyticsをご利用いただけます。皆様がリリースしたゲームのパフォーマンスをリアルタイムに最適化、再デプロイすることなく更新できるので、データを活用して収益の最大化をお手伝いします。

Unity 2017.1は、有効なサブスクリプションプラン(Personal、PlusまたはPro)をお持ちの全てのユーザーにご利用いただけます。Unity 5の永続ライセンスをお持ちの方は、Unity 5.6がご利用頂ける最後のバージョンとなります。Unity 2017以降のアップデートを受け取られたい場合は、Unity Storeにて最適なプランをお選びください。

Unity 2017を利用して素晴らしいコンテンツが制作されるのを心から楽しみにしています。ロードマップはこちら からご確認ください。
では、新しいサイクルの最初のリリースであるUnity 2017.1について見てみましょう。

Unity 2017.1 を一言でいうと

Unity 2017.1 は多くの機能を満載しています。じっくり読む時間がない方のための要点は以下の通り:

アーティストとデザイナー:ストーリーテリングとゲームプレイシーケンスのための全く新しいツール

Unity 2017.1はアーティストとデザイナーが美しいシネマティックなコンテンツを制作したり、芸術的なカメラショットを構成したり、より視覚的な物語をつづるための新機能、Timeline、CinemachineとPost-Processingを提供します。

Timeline は新しく強力なビジュアルツールで、カットシーンやトレイラー、ゲームプレイシーケンスなどシネマティックなコンテンツを制作するのに役立ちます。

Cinemachine は高度なカメラシステムで、Unityエディター内でコーディングすることなく映画監督のようにカメラショットを構成することができます。プロシージャルな撮影手法を先導する最新の技術です。

Post-processing は、映像業界の用語や制御方法、カラースペースのフォーマットを使用して写実的なフィルターをシーンに適用することができます。これによりドラマティックで写実的な演出で高品質な映像を制作することができ、より視覚的にストーリーを構成することができます。

作業効率:Collaboration、Live-ops Analyticsなどのツール

リリース版となったUnity CollaborateとUnity Cloud BuildからなるUnity Teamが発表されました。クリエーターがより簡単に共同作業できる機能を揃えています。

また、Live-ops Analyticsでは新しい方法で、簡単にゲームプレイヤーの振る舞いを理解し、再デプロイすることなく動的にゲームを調整することができます。

それ以外にも、FBXインポート、アニメーションワークフロー、2D機能、アセットバンドルとVisual Studio統合などが改善されています。

グラフィックスとプラットフォームのサポート:幅広いエリアでの改善

パーティクルシステムとプログレッシブライトマッパーでの追加機能により、思い通りの視覚効果や演出を実装しやすくなりパフォーマンスを制御することができます。
iOSでの遅延レンダリングやPCプラットフォームのNVIDIA VRWorksなどプラットフォームサポートにおいてグラフィックス描写のパフォーマンス改善がありました。

Unity 2017.1の新機能のごく一部をご紹介しました。ここからさらに詳しくご説明いたします。

Unity 2017.1の新機能

ストーリーテリングのためのアーティスト用ツール ― Timeline & Cinemachine

2017.1は、デザイナー、アーティスト、アニメーターがチーム内のプログラマーを煩わせることなく、シネマティックなコンテンツや芸術的なカメラショット、視覚的に物語を綴ることができる新しいストーリーテリングツールを提供します。 これによりより多くの作業時間を提供し、待ち時間を短縮します。

Timeline は強力な新しいビジュアルツールで、これを使って(ショートフィルのAdamのような)映画的コンテンツを作成することができます。ゲームオブジェクト、アニメーション、サウンド、シーンを統合することで、カットシーンやゲームプレイシーケンスなどを作成することができます。Timeline を利用すると、アーティストやアニメーターは、コーディングではなく、ストーリーテリングや画像制作に専念することができます。

Timeline のトラックベースでシーンを順序付けするツールは、アニメーション、サウンド、イベント、ビデオなどの作成に「ドラッグアンドドロップ」アプローチを適用し、美しいカットシーンやプロシージャルなコンテンツを素早く作成します。Timeline には、アニメーションとオーディオ、自動キー、トラックのロックとミュート機能付きのマルチトラックインターフェースが備わっています。Timeline はPlayable APIを介して拡張可能で、独自のトラックを作成する機能を提供しているので、ゲーム内のあらゆるシステムを動かして例えばプロモーション用のトレイラーなど、独自のトラックを作成すことができます。Timeline のクリップを使うと、実際にどんなものでも表示できます。それらのクリップを繰り返し、スケールし、ブレンドしたり、Timeline のインターフェースで得られるものを有効に活用できるのです。

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Cinemachine は、10年以上にわたるゲームプレイや映画的なカメラの構築の経験の成果であり、業界をリードするカメラ挙動のツールを今回のリリースにてどなたにもご利用いただけるようになりました。 プロシージャルな撮影手法を先導する最新の技術です。

シーンの構成とインタラクション に基づいて最適な時間に最良のショットを動的にトリガーする一式の高度な カメラシステムで、これにより、ハンドアニメーション、カメラプログラミング、修正に費やす膨大な時間を削減できます。

Cinemachineはアセットストア経由で配布されます。 ここからプロジェクトに追加できます。

1人称のシューティングゲームから3人称のアクションアドベンチャーまで、Cinemachineでゲーム内のカメラに劇的な変化を起こすことができます。 以下のことを簡単に行えます:

  • シーケンスを制御 することにより、現実世界のカメラ設定を含む高度なカメラツールを備えたムービーディレクターのように制御できます。
  • ショット作成 の際に、実装するための詳細を気にせず、芸術的な面に注力できます。Cinemachine のスマートなカメラに、例えば、キャラクターの頭を追うように、というような簡単な指示を与えます。すると、アニメーションが変更されても、ショットは正しく機能し続けます。

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Unity 2017.1では、Cinemachineに次のような多くの新機能を加えました:

  • 複数のオブジェクトをターゲットにする: 複数のオブジェクトをターゲットにして、それらのウェイトを設定することができます。任意の数の被写体に基づいて論理的なグループを作成します。グループのメンバーの位置に基づいて配置は決まります。これは、オブジェクトのグループを追跡するときに、LookAt と Followのターゲットとして使用されます。2Dにも最適です。
  • 複数のオブジェクトを動的にフレーム化します:論理グループの位置に基づいてターゲットのグループを動的に自動フレームします。オブジェクトが離れていく場合、Cinemachineは作成するルールに応じて視野、または、撮影機台(またはその両方)を調整します。
  • 新しい公開API: プロジェクトに必要なカメラの挙動を取得するのにCinemachineを簡単にカスタム設定できます。
  • 撮影機台軌跡:  :映画のような撮影機台の軌跡を作成し、カメラが滑らかに世界を移動できるようにします。カメラに被写体を一連のレールに沿って追従させるような、映画的なシーケンスやゲームカメラに最適です。  
  • Clear shot:Clear Shot はショットの優先度とそのショットの良さに基づいて、最適なカメラを動的に選択します。何かがショットを破壊しフレームに侵入しても問題ありません。 Cinemachineは切り上げて、次のベストカメラに移ります。さまざまなシナリオのリプレイやその他の映画的シーケンスに信じられないほどの効果的を発揮します。
  • State-driven カメラ:カメラとアニメーションのステートをコード無しでリンクすることができます。アニメーションからさまざまなカメラの挙動を簡単にトリガーします。

Timeline と Cinemachine を一緒に組み合わせれば、ストーリーテリングを次の段階にレベルアップすることができます。ポストプロセススタックのエフェクトを加えてエフェクトを作成し、シーンに雰囲気やドラマを追加します。

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TimelineとCinemachineを使い始める際に、こちらのUnite Europeのセッション動画が役に立ちます。プレイリストをご参照ください。

  • TimelineとCinemachineの概要:基礎を学んでスクラッチから作成してみよう(スピーカー:Mike Wuetherick と Adam Myhill)
  • TimelineとCinemachineを使ってゲームプレイとインタラクティブなシーンをミックス:より上級な使い方(スピーカー:Andy Touch)
  • Cinemachine上級コース:1人称のシューティングゲームから3人称のアクションアドベンチャーまで、ゲーム内カメラを大改革(スピーカー:Adam Myhill)
  • Timelineを拡張してみよう:パワーを解き放て(スピーカー:James Bouckley)

改善されたPost Processing Stack (ベータ版)

Post Processing は、画面に表示する前に、フルスクリーンのフィルターとエフェクトをカメラの画像バッファに適用します。画像ポストプロセスエフェクトを使用して、物理カメラとフィルムプロパティーのシミュレーションを行えます。 Post Processing Stack の最新版はベータ版にてこちらからご利用いただけます。最終リリースは今年の夏に予定されています
(Post Processing Stackの安定版はアセットストアから入手できます)

Unity 2017.1の Post Processing Stack(現在はベータ版)は、イメージエフェクトの優れた完全なセットを単一のポストプロセスパイプラインに統合します。また、複数の高品質のカメラエフェクトがまとめて備えられています:

スクリーンスペースのアンチエイリアシング 自動エクスポージャーモーションブラー
ぼかした被写界深度ブルームカラーグレーディング
色収差フィルムグレインビネット

多くのエフェクトを単一のパスに統合でき、あらかじめ用意されたアセットベースの設定システムで簡単に管理できます。

カラーグレーディングエフェクトは Academy Color Encoding System(ACES) をサポートする完全なHDRカラーパイプラインです。ローエンドのプラットフォームでも使用できる LDR パイプラインもあります。スタックには、2つのスクリーンスペースライティングエフェクトである、アンビエントオクルージョンと スクリーンスペースリフレクションもあります。

また、体積ベースのブレンド機能を備えているため、シーン内の領域(任意の種類のメッシュ)を定義したり、プレイヤーがそこに入ったときにシーンに特定の雰囲気や外見を設定することができます。Unityは自動的に体積空間をブレンドし、滑らかなトランジションを行います。

Unity Collaborate がベータ版を卒業し、Unity Teamsの一員に

Unity Collaborateはベータ版を卒業し、Unity Cloud Buildと組み合わせて一つの新製品 Unity Teamsとなりました。共同作業がより早くできる機能が揃っています。これを記念して、2017年10月まで無料でUnity Teamsをご使用いただけます。

Unity Teamsと無料使用期間について詳しくはこちらをご覧ください

Collaborateの2017.1での最初のプロダクションリリースに関しては、作業の優先順位にベータユーザーからのフィードバックを反映しました。パフォーマンスの向上、安定性、バグ修正に加えて、新しい機能を追加しました。新機能として、選択可能なボタン、アセットブラウザのより優れた統合、そして、チームメイトがシーンやプレハブで変更を行なっていることをリアルタイムで表示する新しい「In Progress」(作業中)機能が追加されました。

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ここでいくつかCollaborateに追加された機能を紹介します: 

In Progress のバッジ

シーンやプレハブにIn Progress (作業中) バッジを追加しました。これを使って、チーム内の誰かがシーンやプレハブにローカルで加えた変更をパブリッシュする前に、チーム内の誰がその変更を行ったのかを確認できます。これにより、複数のメンバーが作業しているシーンとプレハブをマージする問題が解決されます。

右クリックアクションと選択的パブリッシュ

右クリック操作を追加したので、プロジェクトブラウザで直接、ファイルの Publish、Revert、See Differences、Resolve Conflict ができるようになりました。これはユーザーの大きな苦痛となっていたため、Collaborate のアクションを他のプロジェクトブラウザのアクションとより一貫性を持つよう努力しました。このUXでは、変更したアセットを選択的にパブリッシュできます。以前は、すべての変更をパブリッシュする必要がありました。  

ブラウザーエクスペリエンスの改良

Project Browser Filtersの「Favourites」ドロップダウンリストに新しいフィルタ「All Modified」、「All Excluded」、「All Conflicts」を追加したので、ユーザーは変更されたすべてのファイル、作業中のすべてのファイル、矛盾があるすべてのファイル、無視したファイルを見ることができます。特に注目すべきは「All in Progress」(作業中)で、共同チームの他の人がどのアセットを使っているかをリアルタイムで見ることができます(今後も機能の追加を予定しています)。

Unity Teams の詳細を見る

Live-Ops Analytics

Unity 2017.1を使用すると、豊富な分析機能を手軽に利用でき、データに基づいたオペレーションを行うことができます。オーディエンスと自分の作品とのインタラクトを見て、オーディエンスの習慣に合わせたリアルタイムの調整を行います。すべては、新しいバージョンを再デプロイせずに行われます。Unity 2017は、ユーザーのゲームプレイ を最適化するより賢い方法を提供することで、プレイヤーに より多くを提供できる力を提供します。

もっと効果的に分析するには、Standard Events (現在は、ベータ版)があります。Standard Events は、一般的な イベントを事前に定義したセットを提供し、各ゲームに特化した分析洞察を支援します。新しい Analytics Event Tracker を使用すると、コードを書かずに実装できます。

 

Unity Analytics に加わったRemote Settings 機能を使って、再デプロイせずに、一瞬にしてゲームを変えることができます。

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Analytics の詳細を見る

2Dの改良

Unity 5.6では、2Dゲームのクリエイター向けにツールやワークフローを大幅に改良しました。

Unity 2017.1では、Sprite Packerに取って代わる新しいアセットである2D Sprite Atlasを導入しています。これに伴う新しく改良されたワークフローで、開発者がスプライトを梱包したり、実行時に使用する方法をより詳細に制御できるようになりました。アトラスはUnityの2Dワークフローの重要な部分です。Sprite Atlasは、より簡単なアトラスの作成と管理だけでなく、より多くの制御と多様性のためのスクリプトAPIを提供します。

 

Sprite Masks は、ワールド空間のスプライトやスプライト群の一部を隠したり、または表示するために使用されます。

 

2017.1では、スプライトエディターにSprite Physics のシェイプを追加します。これにより、ユーザーはPolygonCollider2Dを使用してコライダーシェイプを生成するためにスプライトに独自のデフォルトシェイプを設定できます。

アニメーションの改良

Animation ウィンドウは、キーフレームワークフローを改良し、Unityでのアニメーションをすべてのユーザーにとってより快適で親しみやすくし、アニメーターステートマシンとの相互作用を可能にするために改造されました。Performance Recordingは実験的な機能として提供されています。

新しいキーフレームワークフローにより、アニメーターが何をキーにするかを明示的に決定し、アニメーションが再評価/プレビューされるときに、キーが解除され変更されたプロパティー値を破棄することができます。また、Animation ウィンドウ(新しいデフォルトのプレビューモード)、ビジュアルフィードバック、およびグローバルキーイングホットキーでクリップを編集する際のデフォルトの挙動を変更しました。これらの変更の目的は、Animation ウィンドウ外でキーフレーム作成のためのスムーズなワークフローを可能にし、アニメーターが 自動キー/レコードモードにする必要なくクリップをプレビューできるようにすることです。

Statemachinebehaviourをエディターの再生モードでもデバッグできるようになりました。

また、GameObjectRecorderを導入しました。これは実験的なエディターの機能で、GameObjectとその子のどのようなプロパティーも記録できます。それにより、アニメーションクリップに記録された全てを保存してアニメーションを作成することができます。フォーラムにてこの機能に対するフィードバックをお待ちしています。

 

Playables は実験的機能ではなくなりました

Playable APIは、PlayableGraphと呼ばれるツリー構造のデータソースを整理して評価することで、ツール、エフェクト、または他のゲームプレイメカニズムを作成する方法を提供します。PlayableGraphを使用すると、複数のデータソースをミックス、ブレンド、変更し、1つの出力として再生できます。

Playables APIは、アニメーション、オーディオ、スクリプトをサポートしています。さらに、Playables APIでは、スクリプトを使用してアニメーションシステムとオーディオシステムと相互作用することも可能です。

Playable APIは、最終的に、ビデオやその他のシステムで使用される汎用APIとして使用されていくでしょう 。詳しくはドキュメントをご覧ください。

Ambisonicオーディオ

2017.1では、Ambisonic オーディオ クリップのサポートが追加されました。水平面に加えて、 リスナーの上下の音源もカバーする360度全周のサラウンドサウンドテクニックが追加されました。

Ambisonicはマルチチャンネル形式で保存されます。それぞれのチャンネルが特定のスピーカーにマッピングされる代わりに、Ambisonicはより一般的な方法で音場を表します。そのため、音場を、聴取者の向き(すなわち、VRやARにおけるユーザの頭部の回転)に基づいて回転させることができます。また、音場をスピーカーの設定と一致するフォーマットにデコードすることもできます。Ambisonicは一般に360度のビデオとペアになっており、離れた周囲の音のためのオーディオスカイボックスとしても使用できます。

また、Ambisonicのデコーダープラグインのデコーダープラグインも加えました。さらに、スケジューリングAPIを使用して、新しいストーリーテリングツールであるTimelineでオーディオクリップを使用することが可能です。

エディターの改良

スクリーンビューでインタラクティブに円弧を編集するために UnityEditor.IMGUI.ControlsにArcHandleという新しいクラスと SearchField という新しいIMGUI.Control を追加しました。SearchFieldはNormal とToolbar という2種類のUIスタイルがありますが、カスタマイズすることもできます。

 

JetBrains Riderも外部スクリプトエディターとしてサポートするようになりました。

その他の改善点としては、すべてのプレイヤーループステージにプロファイラーラベルを追加したこと、Package Exportの読み込みステートを全般的に改良したこと、デバッガを簡単にするために接続プレーヤーからのログメッセージをエディターコンソールに表示できるようになったことです。

UI プロファイラー

Unity の UI システムに、UI のデバッグに役立つプロファイラーウィンドウを含む専用のプロファイラーパネルが搭載されました。これで、UI バッチが発生する際に何が起きているのかを正確に把握して、何(どのゲームオブジェクト)がどうして(このドローコールが必要な理由)バッチを発生させているかを特定することができます。この情報を使って、ヒエラルキーを整理してバッチの数を抑え、知らないうちに含められていたオブジェクトを割り出す、といったことができます。

Visual Studioのサポートを改良 ― Mac OSも含む

Unityインストーラーは、WindowsにVisual Studio Community 2017(Visual Studio Community 2015の代わりに)をインストールするようになりました。インストールは時間が大幅に短縮され 軽量になりました。

Macユーザーのみなさんにも、Visual Studioをご利用いただけます。 MicrosoftはUnityのツールと合わせて使えるMac用Visual Studioをリリースしました。Mac版のVisual Studioも、ワンクリックデバッグ、Unityメッセージ用のIntelliSense(Unity特有のライブラリのコード完備)、シェーダー用のコードの色付けなど(詳細はこちら)多くの優れた機能を備えています。

シーンとアセットバンドルの改良

ゲームのシーンやアセットバンドルの読み込みにいくつか改良を加えました。基礎となるアーキテクチャの変更により、シーンとアセットバンドルの読み込みがより速くなり、プレイヤーの体験がより快適になりました。さらに、アセットストアで利用可能なアセットバンドルの作成と最適化を支援するためのツール、アセットバンドルブラウザを作成しました。詳しくは次の段落でご説明します。

アセットバンドルブラウザ

アセットバンドルブラウザは、Unity 2017.1のベータ版から提供されています。このツールを使用すると、Unityプロジェクトのアセットバンドルの設定を表示および編集できます。アセットバンドルブラウザは、アセットを選択し、そのアセットバンドルをインスペクターで手動で設定する現在のワークフローを変えることを目的としています。今までのワークフローと異なり、ユーザーは1箇所に集中した場所ですべてのアセットバンドルを表示できます。ドラッグアンドドロップだけでなくコンテキストメニューを使用して、バンドルを設定、変更、分析することができます。

このツールは、機能的なバンドルの作成を妨げるエラーだけでなく、調査が有効と思われる警告にフラグを立てます。バンドルの集合を高いレベルで表示すると、バンドルをより強力に整理して構造化することができます。個々のバンドルをより低いレベルで表示すると、明示的な包含または依存関係の計算のためにバンドルに取り込むものを正確に見ることができます。

詳細はドキュメントをご覧ください。

アセットバンドルブラウザはアセットストアから入手できます。

スクリプトランタイムアップグレード(実験的機能):C#6 と .NET 4.6 をお楽しみください

Unity 2017.1では、スプリプティングランタイムの実験的なバージョンとしてMono/.NET 4.6ランタイムを導入しました。多くの修正とパフォーマンス改善とC#6を使う可能性を示しました。ゲーム全体のパフォーマンスを改善できると確信しています。

PlayerSettingsのGUIで設定できます:

同等のスクリプトAPIはPlayerSettings.scriptingRuntimeVersionプロパティーです。この設定を変更すると、エディターとプレイヤーに影響するため、エディターを再起動する必要があります。

IL2CPPは、新しい.NET 4.6 API を完全にサポートしていますので、C#を使用しネイティブC++のパフォーマンスの恩恵を受けることができます。もし何か問題を発見した場合には、フォーラムをご確認ください。

モデルインポーターの改良

Mayaなどの一般的なDCCツールからアセットをインポートするプロセスに最初の大幅な改良を行い、デジタルコンテンツクリエーション(DCC)ワークフローが簡単になりました。結果として、アーティストやデザイナーの生産性を向上しプログラマーの負担を減らすことができました。

UnityのFBXインポートは、Mayaからエクスポートされたモデルのセグメントスケール補正をサポートするようになり、FBX SDKは2016.1.2にアップグレードされました。

領域、角度、またはその両方によるFBXファイルのインポート時に、加重法線を計算するオプションを加え、ハードエッジの法線の生成を修正しました。
ライトとカメラがFBXファイルからインポートされ、必要に応じてCameraおよび/またはLightコンポーネントを自動的にオブジェクトに追加し設定します。

Unityは、 Import Visibilityプロパティーを利用して、FBXファイルからvisibilityプロパティーを読み込むことができます。値とアニメーションカーブで、MeshRendererコンポーネントを有効または無効にできます:

プログレッシブライトマッパーの改良

2017.1では、Progressive LightmapperでベイクしたLODのサポートを追加しました。LODをベイクする際のEnlightenとプログレッシブライトマッパーの主な違いは、プログレッシブライトマッパーでは、反射光を得るためにLODの周りにライトプローブを作成する必要はないことです。間接照明を完全にベイクした解像度にすると、LODの品質が大幅に向上したライトマップが取得でき、ライトプローブを設定するという面倒なプロセスを避けることができます。(これは5.6でも利用可能です)

また、照明が裏面に作用することを可能にする新しいマテリアル設定を加え、プログレッシブライトマッパーで両面マテリアルのサポートを追加しました。有効にすると、グローバルイルミネーションの計算時にジオメトリの両面が考慮されます。他のオブジェクトから見た場合、裏面は無効と見なされません。裏面のレンダリングはこの設定によって制御されず、裏面がライトマップに表示されることもありません。裏面は、表面と同じ放射とアルベドを使用してライトを反射します。(これは5.6でも利用可能です)

ぜひ Progressive Lightmapper フォーラムのスレッドにフィードバックをお寄せください。

リアルタイムシャドウの改良

安定モードでのカスケードした方向付きの光で影を投影する物体の選抜を最適化しました。これによりシャドウマップを生成するドローコールが減りました。シーンや構成によって効果は異なります。例えば4つのカスケードでは、 ドローコールの数が著しく減少しました。太陽/カメラの方向に基づいて、シーン内のシャドウキャスターを50%減らすことも可能です。バイキング村のシーンの例です。

Unity5.6では5718のシャドウキャスターが:

同じシーンでもUnity 2017.1では4807になりました:

リアルタイムシャドウ のためのPercentage Closer Filtering(PCF)が2017.1で実装されました。ピクセルごとの深度の値が既存のピクセルの周りのシャドウマップからサンプリングされ、すべてのサンプルと深度が比較されます。これにより光と影の間でスムースな線ができます。以下のGIF画像で比較しています:

リアルタイムの陰影の改善だけでなく、シャドウマスクとディスタンスシャドウマスクは「Quality Setting」になり、コストをかけずにランタイムに変更できます。例えば、屋内のシャドウマスク(薄い影)と屋外のディスタンスシャドウマスクを同じレベルで使うことができます。これもまた「Quality Setting」から使用できます。

カスタムレンダーテクスチャをレンダーテクスチャの拡張として追加しました。これにより、ユーザーはシェーダーでテクスチャを簡単に更新できます。これは、コースティクス、雨の効果に使われるリップルシミュレーション、壁面へぶちまけられた液体など、あらゆる類の複雑なシミュレーションを実装するのに便利です。また、カスタムレンダーテクスチャはスクリプトやシェーダーのフレームワークを提供し、部分的、または、マルチパスの更新、更新頻度の変更などのさらに複雑な設定をサポートします。

LineUtilityクラスと LineRenderer.Simplify 関数の追加で、LineUtilityを使用して線と曲線を最適化し、同様の形状の単純化されたバージョンを作成できるようになりました。

Metal / OpenGL ES 3を使用したiOSでの遅延レンダリング

A8以降のiOSを搭載したデバイス用のMetalおよびOpenGL ES 3.0の遅延レンダリングパスを可能にしました。遅延シェーディングを使用する場合、ゲームオブジェクトに影響を与えるライトの数に制限はありません。すべてのライトはピクセルごとに評価されます。つまり、それらはすべて法線マップなどと正しく相互作用します。さらに、すべてのライトにはクッキーと影があります。

パーティクルシステムの改良

他の様々な小さな機能や強化に加え、スプライトの統合、(コライダーを押す)パーティクルの衝突力、新しい形状タイプの追加やノイズモジュールの改良など、数多くの形状に関する改良を加えました。速度への整列などの新しい制御や制約のおかげで、パーティクルを2Dで使用することが簡単になりました。パーティクルを使用すると、照らされた線や軌跡を含む、これまで以上に多くのエフェクトやアニメーションを作成できます。

テクスチャシートのアニメーションモジュールによって、パーティクルシステムでスプライトを使用できるようになりました。これにより、パーティクルシステムのより良いアトラシングとバッチ処理が可能になりました。また、さまざまなサイズのアニメーションフレームやフレームごとのピボットポイントなど、パーティクルシステムで使用する多くのスプライト機能も利用可能です。

ノイズモジュールには、どのようにノイズがパーティクルに適用されるかをより詳細に制御するための新しいオプションが付属しています。Unity 5.5の元の実装では、ノイズがパーティクルの位置に適用されました。2017.1では、次のようにノイズを適用することが可能になります:

  • 位置
  • 回転
  • サイズ
  • 新しいCustom Vertex Streamを使用してノイズをシェーダに送信します(UV歪みに最適です)
 

新しいドーナツ放出形状を加え、シェイプモジュールのパーティクルシステム衝突モード平面に編集モードを導入しました。モジュール内のトランスフォームを使用すると、放出形状にカスタムの位置、回転、スケールを適用できます。

他の改善点としては、パーティクルをその速度方向に整列させる機能があります。これによりローカル空間システムに使用する「距離にわたる放出」を行うことが可能になります。エッジの放出がより柔軟になり、パーティクルの生成に使用されるエッジの太さを選択できるようになりました。

最後に、Collision Moduleの使用によって、パーティクルはパーティクルが衝突したコライダーに力を加えることができるようになりました。

 

WindowsストアがユニバーサルWindowsプラットフォームになりました

Unityは、Xbox One、Windows 10、Windows Phone 10、HoloLens用のビルドを含む、Windowsストア用のユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)アプリケーションモデルをサポートしています。

Windows Mixed Reality PCデバイスのサポートは今年中にリリース予定です。

UWPのマルチディスプレイのサポートが追加されました。Unity プレイヤーのバイナリは署名され、セキュリティのための追加レイヤーが加えられ、ランタイムに Unityバイナリが改ざんされるのを防いでいます。

最後に、Windows 8.1とWindows Phone 8.1アプリケーションのビルドのサポートを終了しました。Unity 5.6はそれをサポートする最後のバージョンです。

Sony PS4のビデオプレイヤー

Unity 5.6で完全に新しいビデオプレーヤーを導入しました。Unity 2017.1にソニーPS4を追加することによって、クロスプラットフォームサポートを完璧にします。PS4のビデオプレーヤーは、SONYのAvPlayerライブラリを使用して、計算が高速化されたh.264ストリームのデコードを提供します。PS4のビデオプレーヤーでは、h.264ストリームデコード(PS4の推奨フォーマット)によるCPUオーバーヘッドが非常に低い値を示しました。計算によって同時に最大8 つのh.264ストリームをデコードすることができます。また、ソフトウェアデコード(より高いCPUオーバーヘッド)を使用して、webmコンテナ内のVP8形式ストリームもサポートします。最後に、さまざまなビデオレンダーモード(direct to camera near / far plane、as a Material Override、to a Render Texture)をサポートし、オーディオストリームを直接出力したり、ミックスのためにオーディオソースに送信したりできます。

低レベルネイティブプラグインのレンダリング拡張機能

低レベルレンダリングプラグインAPIをいくつかの素晴らしい新機能で拡張しました:

  • ユーザーデータをコールバックに送信できるようになりました
  • プラグインにコールバックを送ることができるイベントのリストを拡張しました
  • シェーダーコンパイラプロセスにフックを追加し、シェーダーがコンパイラに送信される直前にパッチを適用することが可能になりました。これにより、独自のカスタムキーワードによって制御されるカスタムバリアントが作成できます

これらの拡張機能によって可能になったパワーを知るには、NVIDIAのVRWorksパッケージをご覧ください。これらの拡張機能なくしてはこのパワーを得ることは不可能だったことでしょう。

VR: NVIDIA VRWorks

Unity 2017.1で利用できるようになったNVIDIA VRWorksは、以下の機能によって、仮想現実感に新しいレベルの視覚的な忠実性、パフォーマンス、応答性をもたらします:

  • Multi-Res Shadingは、VRの革新的なレンダリング技法であり、画像の各部分が、レンズ補正されたイメージのピクセル密度によりよく一致する解像度でレンダリングされます。
  • Lens Matched Shadingは、NVIDIA PascalベースのGPUの新しい同時マルチプロジェクションアーキテクチャを使用して、ピクセルシェーディングのパフォーマンスを大幅に向上させます。
  • Single Pass Stereo は、NVIDIA PascalベースのGPUの新しい同時マルチプロジェクションアーキテクチャを使用して、ジオメトリを一度だけ描画し、それから、ジオメトリの右目と左目の両方のビューを同時に投影します。
  • VR SLIは、バーチャルリアリティアプリケーションのパフォーマンスを向上させます。バーチャルリアリティアプリケーションでは、ステレオレンダリングを大幅に高速化するために2つのGPUに特定の目を割り当てることができます。

これらの改善点を経験するには、再生時に PCにGeforce 9シリーズ以上のGPUが必要です。

VR Works for Unityはアセットストアで無料でご利用いただけます

リリースノート

いつものように、リリースノート にてすべての新機能のリスト、改善点とバグ修正をご参照いただけます。

ベータ版のテストにご協力いただきありがとうございました

最後に、2017.1ベータ版のテストにご協力いただいた皆様に感謝いたします。今日2017.1がリリースできたのも皆様ご協力あってこそです。

TシャツとNintendo Switchプレゼントキャンペーンについて

夏の間、キャンペーン対象者となるベータテスターによるバグ報告をレビューします。(キャンペーン対象となるには、報告したバグが、報告時に過去に なかった新しいバグであること、こちらで再現可能でバグとして認識されていることが条件です)

キャンペーン対象となる バグを報告した方には、Eメールにてご連絡いたします。最大で1000枚のTシャツと1代のNintendo Swithをプレゼントいたします。Eメールが届きましたら、フォームよりTシャツのサイズや送付先住所などご連絡ください。

2017.2ベータ版テストにご協力ください

ベータ版のテストチームに参加いただけますか?こちらからサインアップしてください。オープンベータプログラムに参加することで、すべての新機能をお試しいただけます。また、バグ検知をお手伝いいただくことでソフトウェア品質を保つことができます。まずはベータテスターガイド  をご参照ください。

2017年7月11日 カテゴリ: テクノロジー | 26 分 で読めます

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