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インタラクティブな VR 広告が伝統的なフォーマットによる広告より高い好感度を獲得

, 12月 13, 2017

広告を作る人達は本質的にはストーリーテラーです。そして、VR はこれまで出てきたストーリーテリングのメディアとしては最も強力なものです。ユーザーはブランドを持つ会社が思い描いた世界に転送され、自らの行動に基づいてその世界で語られるストーリーは変化し、進化します。こうした要素がより深いつながりを生み出すのです。

もしもみんなが VR ヘッドセットを所有していて、VR 世界で一日のうち数時間コンテンツを消費しているという世界だったら、VR 広告を打つことに何の疑問も抱かれないでしょう。しかし現時点ではそんな世界は来ていません。ですから、VR 広告によるリーチが限られていると考えられており、それに関わる人はいつも質と量のトレードオフ、言い換えれば、VR 広告の ROI(投資対効果)はいかほどか、ということに関心を持っています。

こうした関心に答えるため、私たちは、Lionsgate のホラー映画『Jigsaw』で使われた史上初の完全にインタラクティブな広告を対象として、VR におけるユーザーの反応の深さの数量化に挑みました。

この広告は専用の VR アプリのインタラクティブ性と広告の配布を組み合わせたもので、どう控えめに言っても怖いものでした。この組み合わせは Gear と Oculus Rift 向けに開発された 2 つの Unity アプリ、Samsung Internet for VR と Spiraloid の Nanite Fulcrum を実行して実現されていました。私たちはこの極めて没入感の高い広告フォーマットに対するユーザーの反応を、携帯電話で『Jigsaw』のトレーラーを見た場合のそれと比較することができました。

感情的な反応を正確に測定するため、私達は Isobar 社の Marketing Intelligence Practice を活用しました。同社のMindsight Technologyを使って無意識に現れる感情を理解することを試みました。この作業において、Isobar 社は生体測定や、VR で映画のトレーラーを見た人の群と携帯端末でトレーラーを見た人の群を対照させた感情的な反応の調査を担当しました。

その結果は驚くべきものでした。VR でトレーラーを見た人たちのほうが、感情面での覚醒やエンゲージメントがはるかに大きいということが生体評価によって明らかになったのです。心拍数が 24% 増加、ガルバニック皮膚反応(発汗の指標)が毎分のピークについて 44% 増加、筋肉の動きも笑いと結びつく形で 3 倍以上増加していたのです。

詳しくは下のグラフをご覧ください。左側は VR でトレーラーを見た人の生体的な反応、右側は同じ人が携帯端末でトレーラーを見たときの反応を示したものです。

 

リーチやエンゲージメントを伝統的な広告によるそれと比較して見ると、この結果は非常に印象的なものです。私たちは以下の成果をわずか2週間で達成できたのです。

  • 合計 17 万 5 千のユーザーからのリーチを獲得
  • 体験にオプトインするユーザーの割合が 13.5% に到達
  • 再生数が 1.6 倍に増加(すべてオプトインによるもの)
  • プロモーションのプレースメントにおけるクリックスルー率 3.7% を達成(ベンチマーク先としたリッチメディアの 12 倍)
  • 30 秒の VR トレーラーの完了率 70% を達成(ベンチマーク先としたスキップ可能な動画広告の6倍)

簡潔に述べると、VR は他のタイプの広告に比べて比較にならないくらいに効果があるということです。そして ROI 予測の負担を軽減するために、Unity はすべての VR 広告を携帯端末、AR、360 度動画、動画広告にバンドルしています。これはリーチとエンゲージメントの KPI を同時に高められる、包括的なアプローチを可能にするものです。

もちろん、『Jigsaw』という作品そのものがこのように強い恐怖反応を引き起こしているという側面は否定できませんが、VR にはそれを体験する人たちに、空腹感から興奮感、思わず大声で笑ってしまうような楽しいことまで何でも感じられるようにする力があることは確かです。私たちはこのような種類の体験を作り出す中で常に責任を持ち、誤って物事が伝わりかねないようなものからは距離を置かなければなりませんが、一方で VR は消費者と生涯に渡る関係を築くチャンスでもあるのです。

私は VR 広告を出したその初日はスカイダイビングに行っているようなものと考えています。結果が幸せなものになるという保証はありませんが、少なくとも忘れられることはないでしょう。そして、何も考えずにわずか 8 秒しか持たない集中力に頼ろうとする代わりに VR を使うことで、その体験の濃さによって他の人たちにより深い学びや物事を深堀りしていくきっかけを与えるチャンスも大いに得られます。かけたコストが、ユーザーにとって死ぬほど楽しいデートを 5 時間も 6 時間もしたときと同じくらいの価値に化けることもあるでしょう!

次に心臓を飛び跳ねさせたり、手に汗を握らせたり、思わずニヤけ笑いを起こさせてくれるような広告体験を届けてくれるのは誰でしょうか?楽しみですね!