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Unity 2018 のリリースサイクルはグラフィックスを非常に重要視しています。2018 サイクルでリリース予定の多くの機能が、Unity のレンダリング機能を大幅に強化します。アーティスト向けのビジュアルツールや、レンダーパイプラインのより根底部まで手を入れたいエンジニアのためのより強力なレンダーコントロールなど、あらゆるタイプのユーザー向けに新しい機能が用意されています。Unity が取り組んでいることをユーザーの皆さんと共有でき非常にうれしく思います。そして、新しい機能を使った皆さんの成果を見るのが今から楽しみでなりません。

開発中の各機能については、この記事の後に投稿されるそれぞれの記事の中でさらに詳細に解説していきます。

スクリプタブルレンダーパイプライン

スクリプタブルレンダーパイプラインは Unity のレンダリングを設定および実行する方法で、C# スクリプトで制御されます。これは、Unity の今までのレンダリング方法からの大きな転換です。プロジェクトのレンダリングがハードコードによって制御されていたのを完全にプロジェクトごとの制御に変更します。

現在、Unity はいく種類かのレンダリング設定を提供しています(例えば、フォワードレンダリングとデファードレンダリング)。これらのパイプラインは固定機能のものをそのまま使うことになります。これにはいくつかの欠点があります。

  • レンダリングの問題を修正、または回避することができません。
  • パイプラインはすべてのユースケースを処理する必要があるため、大きく複雑です。
  • 時代遅れになってきていることと複雑さのために、最先端の効果を加えることが非常に困難です。

これらの問題を解決するために、Unity 2017 サイクルを通して実験的な機能として SRP API を開発してきました。2018.1 現在、この機能はベータ版に移行しています。この機能は上記の問題を解決するだけでなく、レンダリングを処理するプログラマーが迅速かつ簡単に使用でき、強い支援となることを確信しています。

SRP を使用することで、すべての人のためにすべてを処理するモノリシックなレンダーパイプラインを提供する必要がなくなりました。SRP API によって Unity レンダリングインターフェイスが解放されアクセス可能になり、柔軟性と C# スクリプトから直接制御することができるようになりました。そのため、プログラマーは、プロジェクトに特化したカスタムレンダラーを作成することができるようになりました。

モジュラーブロックをつなぎ合わせてカスタムレンダーパイプラインを設計するとします。各ブロックは 1 つの機能で明確に定義されており、テスト、改善、保守が容易です。これが、スクリプタブルレンダーパイプラインの仕組みです。これは、Unity のユーザーにとって簡単であるばかりでなく、私たちがエンジンのツールボックスに新しいブロックを追加することもできるため、ユーザーは新しいレンダリングの進化を素早く取り入れることができます。

2018.1 では、2 つのレンダーパイプラインをユーザーに提供しました。これらはすぐに使用できるだけでなく、独自のレンダーパイプラインを構築する開発者の参考としても役立ちます。

  • 軽量レンダーパイプライン - コンピュートシェーダー機能を持たないモバイルとプラットフォームのために設計されたパイプラインです。
  • 高画質レンダーパイプライン - Shader Model 5.0(DX11 以上)をサポートするプラットフォーム用のゲームを開発するための最新の高性能レンダラーです。

軽量レンダーパイプライン

軽量レンダーパイプラインは、高速で、ローエンドのハードウェアにもスケールするように設計されています。 これはフォワードベースのレンダラーであり、モバイルから VR、PC までよく適応します。

軽量パイプラインは、Unity 2018.1 で使用可能になったスクリプタブルレンダーパイプラインです。軽量パイプラインは、オブジェクトごとのライトカリングを伴うシングルパスのフォワードレンダリングを行います。これには、すべてのライトが 1 つのパスでシェーディングされるという利点があります。ピクセルライトごとに追加のパスを実行する普通の Unity フォワードレンダリングと比較して、軽量パイプラインを使用すると、シェーダーがわずかに複雑になることと引き換えに、ドローコールが少なくなります。

パイプラインは、オブジェクトごとに最多で 8 つのライトをサポートし、ビルトインの Unity レンダリング機能のサブセットのみをサポートします。 軽量パイプラインと従来の Unity パイプラインの機能の比較表は こちら を参照してください。

高画質レンダーパイプライン

高画質レンダーパイプライン(HDRP)は、Unity 2018.1で(実験的に)使用可能なスクリプタブルレンダーパイプラインです。HDRP は、物理ベースレンダリング、リニアライティング、HDR ライティングを念頭に置いて設計された最新のレンダーパイプラインです。設定可能なハイブリッドタイル/クラスターデファード/フォワードライティングアーキテクチャで構築されています。

HDRP によって、ライト、リフレクションプローブ、スタンダードマテリアルのための改良されたオプションがビルトインの Unity に追加されています。また、異方性マテリアル、サブサーフェススキャタリング、クリアコーティングなどの高度なマテリアルも提供します。 エリアライトのような高度なライトもサポートされています。

現在 2018.1 ベータ版を使用しているユーザーは、是非、フォーラムで SRP API と開発中のパイプラインについてのディスカッションに参加してください。

ポストプロセッシングスタック v2

ポストプロセッシングスタックが改良され、より高品質のエフェクト、パワフルなオーバーライドスタックを持つ自動ボリュームブレンディング、独自のカスタムエフェクトを作成し配布できる柔軟なフレームワークが備わりました。

軽量、高画質、ビルトインの各レンダーパイプラインと互換性があります。

Unity シェーダーグラフ

Unity のシェーダーをオーサリングすることは、今までプログラミングができる人たちの領域でした。2018 ではこの常識を変えます。

シェーダーグラフを使用すると、シェーダーを視覚的に構築できます。手書きしたコードではなく、グラフネットワーク内にノードを作成して接続します。グラフのフレームワークは変更に関して即座にフィードバックを返します。とてもシンプルで、慣れていないユーザーでもシェーダーを作成することができます。

シェーダーグラフは、軽量レンダーパイプラインと高画質レンダーパイプラインの両方で使用できるように設計されており、すべてのカスタムレンダーパイプラインで使用できるように拡張することができます。さらに、オープンアーキテクチャであるため、カスタムノードを作成することもできます。

最新のベータ版を入手して、紹介した機能をはじめとするさまざまな機能をお試しください。皆さんがそれらを最大限に活用することができるよう、今後数週間で、これらの機能についてさらに詳しく説明する予定です。

2018年1月18日 カテゴリ: Engine & platform | 4 分 で読めます

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