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「Kinematica」― 機械学習による新しいアニメーションシステムの発表

2018年6月20日 カテゴリ: Engine & platform | 2 分 で読めます
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私は長年の間、ある問いを胸に抱き続け、答えを求めて取り組んで来ました ―「もし、複雑なアニメーショングラフに悩まされることなくゲームが制作できたならどうだろう?ネストされたステートマシンを設定したり、手動でトランジション点を作成したり、ポーズをマッチさせたりといった作業に割かれていた時間を、アート自体の制作に費やせたとしたら?」

私たちは、従来とは根本的に異なるアニメーションシステムの開発に着手しました。このシステムは、グラフやブレンドツリーのような多層構造に依存する必要のないモーション合成を可能にします。この技術によって単純な手作業の量が削減されれば、アーティストが本来の仕事、つまり美しいアートワークの創造に集中できるようになるでしょう。

今週 Unite Berlin 2018 で行われた基調講演で、Unity Labs が開発したまったく新しい試験的パッケージ「Kinematica」が発表されました。今年中に Unity で利用可能になる予定です。

従来のシステムとは異なり、Kinematica はすべてを単一のライブラリに保持し、そのライブラリ内の小さな断片を、コントローラー入力や環境コンテキスト、その他あらゆるゲームプレイのリクエストに応じたシーケンス内に組み合わせる方法を(リアルタイムで自動的に)決定します。

このシステムの設計にあたってはアニメーションの質を重要視しています。このため、アニメーターの作成した元々のアニメーションや入力データの精度には一切変更を加えることはありません。そしてキャラクターのアニメーションは(皆様のゲームデザインに応じて)ご自身で設定することも可能です。また、アニメーションが環境とどのようにインタラクトするかも調整できるようになっています。

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こういったシステムにおいては、スケーリング可能であることが非常に重要です。そこで、この技術がどの程度の負荷に耐えうるか試すために、モーションキャプチャーデータを使ってテストを行うことにしました。モーションキャプチャーデータは基本的に、最もサイズが大きく、最も構造化されていないアニメーションデータです。モーションキャプチャースタジオを借り、パルクール専門のスタントマンを雇って数時間ジムの中で走り回ってもらいました。結果、7 万種類のポーズと 45 分を超えるアニメーションデータが取得できました。そして Kinematica を使って、これらのデータからダイナミックで滑らかなアニメーションを作成することに成功しました。

このシステムの利点は、例えば高品質で洗練されたビジュアルや、高い対応力(同じデータセットから多数のバリエーションの作成が可能)などが挙げられます。また、アニメーショングラフの手動作成が一切不要であるため迅速なイテレーションが可能で、その分アートに集中できることも大きなメリットです。

Kinematica の公開予定時期に関しては、この夏、追ってお知らせしますのでお楽しみに!

Unity Labs のページもぜひご覧ください。

2018年6月20日 カテゴリ: Engine & platform | 2 分 で読めます

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