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『SPACE for Unity』の作者が教える、時間を節約しながら利益を上げる方法

2018年7月1日 カテゴリ: ゲーム | 7 分 で読めます
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アセットストアの出品者である Stefan Persson 氏は、宇宙シーンの制作向けパッケージのマスターデザイナーで、数多くのサウンドエフェクトの作者でもあります。この大成功を収めたスウェーデン人開発者による 27 のアセットはクリエイターがゲーム開発に抱く夢を実現に向かって前進させます。また、外宇宙の世界をプロトタイプする段階から、まもなくリリースできそうなゲームにオーディオ面での仕上げを施す段階まで、幅広くカバーしてくれるのです。

宇宙と Unity は Stefan Persson 氏のアセットストアへのジャーニーにおいて、文字通り最後のフロンティアでした。趣味のゲーム開発者として、彼は数年間にわたり様々な開発環境を試していましたが、2009 年に始めて Unity を見たときはさほど印象に残らなかったと言います。

「当時、私は IDE(統合開発環境)を使った開発に慣れきっており、シーンビューやプレハブなどを特長とするエディターのような環境には手を出さなかったのですが、ここで Unity を使わなかったのは間違いでしたね。」

長い間 Persson 氏のアセットをダウンロードし、ゲームに実装してきた何千ものユーザーにとって幸運なことに、そのあと彼は見方を改めました。「1 年経って Unity をもう一度使ってみました。そのとき、Unity が私にとってのゲームチェンジャーとなったのです。自分でプロトタイプを作ってみたときのスピード感から、これを使えばゲームを素早く作れると思いました。これは自由な時間がとても少なかった私にとって重要なことでした。」

彼は冗談をいっているわけではありません。彼はスウェーデンの Nynäshamn に住み、IT セキュリティコンサルタントとしてフルタイムの仕事をし、3 人の子供を育てつつ、「余暇の」時間ができたときには古い家を改装したりもしています。

自身の音楽スタジオでサウンドエフェクトを制作する Persson 氏

公私にわたり多忙な生活を送る Persson 氏ですが、それでも 27 個のパッケージを Imphenzia 名義でアセットストアにリリースすることができています。SPACE for Unity と並んで、彼が出したアセットのうち最も人気のあるものは Universal Sound FX(どんなジャンルのゲームにも使えるサウンドエフェクトのバンドル)、と Procedural Planets(高解像度の惑星をプログラムで生成するアセット)です。

しかし、彼が 2011 年ごろに初めてアセットストアに出品したものは、現在出しているものより単純な音楽アセットとサウンドエフェクトでした。彼はそのアセットについて、「そんなに人気にならなかったし、売上もそこそこでした。」と振り返っています。

プロトタイピングに軸足を移す

オーディオのアセットでささやかな成功を収めたあと、どのように宇宙に関係したアセットの制作に舵を切っていったのでしょうか?

「まず、Unity 向けに宇宙をテーマにしたスカイボックスを手で描くところから始めました。そうして初期のスカイボックスアセット、『Space Boxes』をリリースしたのですが、これが私の音楽アセットよりも注目を集めたのです。また、音楽アセットよりもよく売れるので、私はプロトタイピングの初期段階では、開発の後のほうの段階で追加されることの多い音楽アセットよりもグラフィック関連のアセットのほうがゲーム開発者には求められているのではないかと考えるようになりました。」

Persson 氏はつまり、プロトタイピングの段階を乗り越えていないゲーム開発者にアセットを売る機会を逃してしまっていたのです。彼いわく、「良くも悪くも、ゲーム開発のかなり大きな割合を占める」のがプロトタイピングなのに、です。

ただ、彼は闇雲に収益の最大化を図ろうとはせずに、むしろ逆のことをやろうとしました。開発の初期において、開発者が手ごろな値段でアセットを購入できるようにすれば、プロトタイピングやコンセプト検証をさらに加速させ、投資に値するレベルまで作品を作り上げることができるようになる、と考えたのです。

「開発が少し進むと、自分が(作っているものを)楽しいと思っていない、あるいは他のコンセプトを試してみたいと思っていることに気づくものです。ですので、早期にアセットが購入できることは大幅な時間の節約につながると確信しています。」

Unity エディターで宇宙シーンのプレハブを制作

そしてこうした確信が『SPACE for Unity』のアイデアを着想する手がかりになりました。「最初は Photoshop で『Space Boxes』のイメージ要素を手で制作して、それを再利用したりしていたのですが、Unity に宇宙のイメージ全体を構築させることができれば良いのだが、と思うようになりました。これが実現すれば自分の時間が大幅に節約できるのはもちろん、こうした要素を組み合わせてひとつのパッケージにしてシェアすれば他の人も自分だけの宇宙環境を素早く構築したりカスタマイズしたりできるということも分かっていました。」

『SPACE for Unity』について実際に何をしたのか

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『SPACE for Unity』には現実感のある外宇宙世界を制作するために必要な構成部品がすべて入っています。月と惑星(土星のような環の有無を選択可能)から、星雲、銀河、小惑星帯、宇宙の霧や、その他のパーティクルエフェクトまで、すべて作れます。宇宙船のためのワープエフェクトも含まれています。

人気アセットをサポートすることの難しさ

『SPACE for Unity』を最初にリリースしたとき、Persson 氏はその反響に驚き、同時にサポートしなくてはならないユーザーの数や、考慮すべき新機能のリクエストの数に少々圧倒されてしまいました。

「私にとって難しい点は 2 つあり、その 1 つが自由に使える時間が非常に短いことでした。あくまで私は趣味としてやっているのです。そのため、妻や 3 人の子供たちと過ごす時間、家のことをする時間、日中の仕事の時間と、たくさんのアセットを制作してサポートを行う時間とのバランスを取らなければなりません。」

もう一つの難しい点はスコープの拡大でした。Persson 氏は、自身が『SPACE for Unity』を最初にリリースしてから、あまりに野心的でありすぎ、ユーザーからの提案を喜んで取り入れ過ぎたがために、最大の失敗を招いてしまったと認めています。

「興奮のあまり、それが実現にどのくらいの時間を要し、またどのくらい複雑であるかということがわからないまま、計画を公にしてしまったのです。不幸なことに、そのとき明かした計画の中には 5 年経ってもまだ実現していないものがあります。」

ゲームが変わったら、惑星も変えてしまおう

まだ実現していない計画には、宇宙全体をひとつの Unity シーンに収める複雑なタスクを解決しようというものもあります。Unity ではシーンのサイズは実質上、数キロメートル内に制限されているので、つまり、現実には何百万光年もの広がりを持つものを数キロメートル内に収めようとしていることになります。

「私はこれらのことから教訓を得ました。そして自分の抱える制限についてもよりよく知ることができました。そのため、私は自分の時間的な制約やアセットにまつわる技術的な限界について、ユーザーにオープンにするよう努めています。」

ゲーミング世界における『SPACE for Unity』

Persson 氏は最初のアセットを公開して以来、ポジティブなフィードバックを多数得てきました。そして、フィードバックを送ったユーザーの多くはほぼ彼の思い描いた通りにアセットを使っていることもわかりました。宇宙のシーンの作成や、惑星の生成が簡単になれば、開発者は早めに自分たちのアイデアを検討することができるようになります。Persson は『SPACE for Unity』が戦略ゲームやプラットフォーマー、宇宙戦争のシミュレーターにまで幅広く採用されることを見越していました。

「ユーザーからの話を聞くのはとても楽しく、開発ジャーニーの最中にいるユーザー、リリースを間近に控えたユーザーからの話は特に面白いです。カスタムメイドのコンテンツと入れ替えるまで、プロトタイピングのために宇宙アセットをプレースホルダーとして使っていたユーザーがいくらかいるのですが、かなりの割合で開発初期段階で制作したコンテンツをそのまま使えたという報告を受けています。」

V1.5 では宇宙船のためのワープエフェクトも追加された

何が彼を突き動かすのか

アセット制作に関する Persson 氏の主たる目標は、アセットを直感的かつビジュアル面および音楽性の面で好ましいものとし、かつユニークさと再利用性を確保したものにすることです。

「私はリアリズムを基礎として芸術的な見た目が実現されていることを好みます。また、私がゲームやアセットの制作においてよく採用するアプローチは、プロトタイピングしてイテレーションを回し、段々品質を高めたりリファクタリングしていくというアプローチです。壮大なアイデアを否定するよりは肯定するほうが好きですが、目標に到達するために管理しやすいイテレーションによる方法を推すこともあります。それから、私のアセットを使ってくれる人が楽しんでほしいという思いもありますね。」

アセット制作の旅は続く

確証はできないとしながらも、彼はいつの日か宇宙全体をプログラム的に生成することを可能にしたいと言います。しかし彼は彼自身が学んだ教訓から、それがかなりの時間を必要とすることも認めています。「しばらくはその要素を小分けにしてリリースしていきます。楽しみながらリリースできるように、宇宙を作る計画をうまくスケジュールに組み込んでいきますよ。」

また、彼は自身がリリースしている『Universal Sound FX library』(彼のリリースした中で最も人気のあるもの)にサウンドエフェクトを追加し続けることや、新しくスペシャリスト向けのパッケージをリリースすることにも言及しています。これだけの計画を見てなお物足りない人もいるだろうということで、彼はシンプルなゲームやプロトタイプをこれまで以上に素早く制作できるようになるキラーアセットを制作中であるとも言っています。

「現在制作中のアセットは、ゲーム状態の管理、サウンドエフェクトと音楽の管理、UI 遷移、オブジェクトの生成、ハイスコア・入力・プレイヤーの管理といったタスクを簡単かつ直感的に扱えるものになる予定です。」

たった 1 人で企業並みの成果を挙げるアセット制作者からの成果物を見るのが待ち遠しいですね!

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2018年7月1日 カテゴリ: ゲーム | 7 分 で読めます

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