Unity を検索

Unity 2018.2 におけるスクリプティングランタイムの改良

2018年7月11日 カテゴリ: テクノロジー | 2 分 で読めます
取り上げているトピック
シェア

Is this article helpful for you?

Thank you for your feedback!

Unity では、前回の更新以来、スクリプティングランタイムの改良に取り組んでまいりました。Unity 2018.2 では、スクリプティングランタイム関連の数十個のバグ修正が行われています。これは、Unity 2018.1 で .NET 4.x Equivalent スクリプティングランタイムが公式対応になって以来、皆様から寄せられた素晴らしいフィードバックのおかげです。また、.NET 4.x Equivalent スクリプティングランタイムでのみ利用可能な各種機能も追加されており、プロジェクトの切り替えがさらに行いやすくなっています。

IL2CPP でマネージドコードデバッグが可能に

Unity 2018.2 の公開により、IL2CPP スクリプティングバックエンドでマネージドコードデバッグが可能になりました。Mono スクリプティングバックエンドと同じ機能がすべて使用可能になっています。IL2CPP ビルドのビルド設定で Script Debugging のオプションを有効にして Unity プレイヤーをデプロイするだけで、Visual Studio などの素晴らしいツール(および、Unity で機能するその他すべてのデバッガー)を使用してデバッグを行えます。

IL2CPP の場合も Mono の場合と同様、デバッガーはデバイス上で実行されている Unity プレイヤーにアタッチされます。したがって、IL2CPP を実行しているプレイヤーのリモートデバッグも可能です。

デバッグは、Xbox One 以外のすべての IL2CPP プラットフォームで利用可能です。(Xbox One デバッグも 2018.3 で可能となる予定です。)

.NET がモダンな SSL/TLS に対応

.NET 4.x Equivalent スクリプティングランタイムにより、(Unity の全プラットフォームで、かつ、Mono と IL2CPP の両方で)すべての .NET クラスライブラリ API が TLS 1.2 に完全対応になります。Unity が OS と正常に連携するようになり、ローカル認証ストアへのアクセスや、安全なソケットおよび HTTPS 接続が期待通りに行えるようになりました。

ビルドサイズの最適化

.NET 4.x Equivalent スクリプティングランタイムの提供する API Compatibility Level により、デベロッパー待望の様々な有用な .NET API が利用可能になります。また、.NET クラスライブラリからより多くのコードが利用可能になりました。これはビルドサイズを大きくする可能性があります。Unity 2018.2 および(今後公開予定の)Unity 2018.3 では、.NET 4.x Equivalent を使用した場合のビルドサイズを可能な限り小さくすることに注力しています。

Unity が行ったテストによると、(旧スクリプティングランタイムから新スクリプティングランタイムに切り替えた実際のプロジェクトの多くで)Unity 2018.2 によるビルドサイズの増大は 2% 未満となっています。バージョン 2018.3 には、よりアグレッシブなマネージドバイトコードストリップなどの新機能や、更なる改良が含まれる予定です。

.NET の未来は明るい

以上、.NET 4.x Equivalent スクリプティングランタイムに関して現時点までに実現できた改良のいくつかをご紹介しました。これにより Unity デベロッパーの皆様の開発作業が少しでも快適になることを願っています。バージョン 2018.3 で更なる改良をお届けすべく、Unity では引き続き「ゲーム開発を民主化する」取り組みに尽力中です。

Unity 2018.3 では .NET 4.x Equivalent スクリプティングランタイムが Unity プロジェクトのデフォルト設定となり、.NET 3.5 Equivalent スクリプティングランタイムは非推奨化されます。.NET 3.5 Equivalent スクリプティングランタイムは 2019 年のリリースサイクルで Unity から削除される計画です。

ご自分のプロジェクトで新しい .NET 4.x Equivalent スクリプティングランタイムをまだお使いになっていない方は、ぜひお試しください。Unity 2018.2 の新機能の数々は、きっと切り替えるに十分な価値をもたらしてくれるでしょう。

2018年7月11日 カテゴリ: テクノロジー | 2 分 で読めます

Is this article helpful for you?

Thank you for your feedback!

取り上げているトピック