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Unity の SimViz Solution テンプレートで自動運転車シミュレーション開発をジャンプスタートさせよう

2018年11月8日 カテゴリ: Engine & platform | 4 分 で読めます
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Unity の SimViz Solution テンプレートにはシミュレーション環境の構築をスムーズに勢い良く開始するために必要なすべてが提供されているので、ユーザーの皆様は自動運転シミュレーションとプログラムのスケーリングに集中することができます。

多くの輸送機器関連およびロボティクス関連企業は、マシン ― それが自動車であれロボットであれ ― が完全に自律的にナビゲート可能となって様々なタスク用に設置されていくような未来を実現するために、積極的な取り組みを進めています。これをコストと開発スピードの両面において安全かつ効果的に行うためには、各企業は、可能な限り現実世界に近いバーチャル環境内でアルゴリズムのトレーニングを行い、すぐに使用できるシミュレーションデータを収集・ビジュアライズする必要があります。

現段階ではまだ自動運転シミュレーターのための成熟したエコシステムもソリューションも存在しないため、完全なシミュレーションパイプラインとして、業界における方向性がまとまって来るのはこれからです。

業界の企業は、以下の要素に関する取り組みを課題として進めています。

  • シミュレーションを実行するための環境となるコンテンツ ― 実際の物理センサーと同様に機能するセンサーを備えた車や歩行者や乗り物のある都市
  • シミュレーション内で実行する何万種ものシナリオを作成するためのツール
  • シミュレーション用の大きなシステム内に統合が可能なプラットフォーム(独自の物理モデルの選択や、ループ内へのハードウェアの統合など)
  • 上記の 3 つの要素(課題)が解決されて初めて、第 4 段階として、クラウド内での大規模なシミュレーションに取り掛かることが可能となります。

自動運転シミュレーション用ソリューションの設計を始めよう

Unity は CVEDIA および INDAGO との提携により、業界各企業が現在取り組んでいる第一の課題(シミュレーション用の環境コンテンツの構築)の解決に向け、SimViz Solution テンプレートを制作しています。これを制作する目的は、自動運転シミュレーション用ソリューションの設計を始めたばかりの方々のために簡単なリファレンス設計を提供し、Unity の開発環境の使いやすさや、Unity の開発エコシステムの広範さ・豊かさを実感していただけるようにすることです。

パッケージ内のアセットには現実世界の特定の環境を再現したものは一切ありませんが、架空の都市と地形をリアリスティックなビジュアルスタイルで表現しています。これらは、自動運転機能のトレーニングと検証をスムーズに開始するためのリファレンス設計としてお使いいただくために制作されたものであり、実証済みのシミュレーションモデルを導入したものではありません(センサーロジックや動的要素に関しても同様です)。センサーも、既存の自動運転システムに含まれる実際の物理的な部品(あるいは特定の製品)をモデルとするものではありません。

ただし、これらのアセットは完全に修正可能となっていますので、自動運転車スタックに適用する高度な機械学習(ML)モデルを開発する際のたたき台としてお役立ていただくこともできます。

Unity SimViz Solution テンプレートに含まれる内容

Unity SimViz Solution テンプレートパッケージには、センサーモデル(SynCity Lite)とシーンモデル、およびドキュメンテーションが含まれています。センサーモデルとシーンモデルは、用途に合わせて個別の使用も併用も可能です。

センサーモデルには以下が含まれます。

  • RGB-D カメラ
  • LiDAR
  • Radar*
  • IMU(慣性計測装置)
  • GPS

* 早期アクセスパッケージには含まれません。

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Unity の SimViz Solution テンプレートのセンサーとシーンを併用した例。Sensors パッケージに含まれる 2 つの LiDAR センサーと 1 つの RGB-D カメラが City Streets シーンとインタラクトしている様子をご覧いただけます。

以下のリファレンスシーンが含まれています。

  • City Streets ― 典型的な都市の街並みです。スタイルとレイアウトはシカゴやニューヨーク、シアトル、ロサンゼルスなどのアメリカの都市部を彷彿とさせますが、実際の特定の都市を再現したものではありません。
  • Open Highway* ― 何マイルも続く、景観の開けた自動車道路です。様々な地形のバリエーションと、入口と出口、そしてジャンクションが含まれます。
  • Residential Streets* ― アメリカの典型的な郊外の計画開発地区です。交通渋滞の削減を意図して設計された「スーパーブロック(大街区)」モデルを採用しており、幹線道路やカルデサック(袋小路)、グリッド状でないレイアウトも含まれます。

* 早期アクセスパッケージには含まれません。

現在 Unity では、一部の顧客の皆様に対し、これらのテンプレートを使用したプロジェクトの実装のサポートを行っています。早期アクセス版は昨年の 12 月、一部のお客様に対してご提供させていただきました。完全な製品版については、Unity の戦略的パートナーの皆様に向けて 2019 年の第 1 四半期中にリリース予定となっています。さらに、軽量版をアセットストアで近日公開予定です。
(訳注:日本語版は 2019 年 1 月現在の状況を反映した内容となっております)

Unity の SimViz Solution テンプレートには、景観の開けた自動車道路だけでなく、市街地や住宅地の道路も含まれています。

自動運転シミュレーションのための最高のプラットフォーム

私達は、Unity のリアルタイム 3D エンジンを中核に備えた最高の自動運転シミュレーション用プラットフォームを提供するために全力を尽くします。Unity エコシステムのパートナーを一層サポートし、シミュレーション用ソリューションの開発をできるだけ行い易くするために尽力してまいります。

以下の図で強調表示された機能エリアの取り組みを進めるため、SimViz 用のより包括的なソリューションを開発中です。

2019 年には以下の取り組みが計画されています。

  • 自動化およびロボティクス機能モジュール統合のための ROS(Robotic Operating System/ロボティクス向けオペレーティングシステム)への対応
  • OpenDrive をはじめとした業界標準規格への対応
  • センサーにそのまま対応できるコンテンツの提供によって、Unity で開発されたシーン(シナリオ)と外部で独自に開発されたセンサーモデルとの互換性が標準で実現されるようにし、ベストプラクティスの実践を促進して最高のパフォーマンスを実現する
  • Unity ML-Agentsの統合

自動運転車シミュレーションへの Unity の活用について、詳細はこちらをご覧ください。

シミュレーション環境の構築をスムーズに始めて、素早く構築を進めるために必要なすべてが提供されているので、皆様は自動運転シミュレーションとプログラムのスケーリングに集中することができます。

 

謝辞

Indago と密接に連携して開発に貢献し、シーンのパッケージの開発期間中にはさらに追加的なサポートでご協力くださった Nature Manufacture の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

2018年11月8日 カテゴリ: Engine & platform | 4 分 で読めます

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