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PiXYZ 2019.1 でデータワークフローを効率化しよう

2019年5月8日 カテゴリ: Engine & platform | 6 分 で読めます
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バージョン 2019.1 の PiXYZ STUDIO for Unity および PiXYZ PLUGIN for Unity は、大幅な進化(アルゴリズムの向上・改新、UI の改良、Unity との統合の強化など)を遂げています。この進化によって、モデル品質が向上し、処理が高速化され、ワークフローの生産性が向上します。

このバージョン 2019.1 に向けた PiXYZ の集中的な開発努力の結果、PiXYZ STUDIO for Unity と PiXYZ PLUGIN for Unity の両方に、多数の新機能が搭載されました。PiXYZ ワークフローの中核要素が Unity とシームレスに統合されたことに加え、アルゴリズムの改良によって、パフォーマンスと品質向上のためのモデルの最適化がさらに強力になりました。UI が改良されたことで、PiXYZ STUDIO・PiXYZ PLUGIN ともに、初心者の方にも経験豊富な方にも同様に使いやすさが増しました。本記事では、こうした改良点のいくつかについて詳しくご紹介していきます。まずは PLUGIN から見ていきましょう。(PLUGIN は macOS でも使用可能になりました!)

さらに詳しくは、PiXYZ の新しくなったドキュメンテーションページ(英語)をご覧ください。

PLUGIN

PiXYZ PLUGIN for Unity は、CAD などのデータをわずか数クリックで Unity 内にインポートできる単純なワークフローを提供するために開発されました。この機能は安定した形で引き続き提供されていますが、最近の進化によって PLUGIN の機能の幅が大きく拡がりました。これは 2019.1 リリースで拡張された機能を見れば明らかです。まず、インポート機能が拡大されました。PLUGIN は、VRED データを直接 Unity 内に、モデルのジオメトリ、バリアント、アニメーション、マテリアルのプロパティ、テクスチャも含めてインポートできるようになりました。PLUGIN の Rule Engine は、バリアント切り替えとの結合性を維持しながら、各マテリアルを(VRED でそれに対応する要素に基づいて)Unity 内でアサインすることができます。これらのインポート機能を利用するには、PLUGIN と同じマシンに VRED がインストールされている必要があることにご留意ください。

この新しいインポート機能は VRED に限定されるものではありません。ポリラインのインポートが可能となったため、レーザーマーキングデータと線画が Unity で表示できるようになりました。これは特に 2D の見取り図を Unity で視覚化する際に役立ちます。また、パッチの境界を表す線を CAD データからインポートするオプションも提供されています。Revit インポートに関しては、今回から Revit 2019 が含まれ、過去のリリースと比較してインポートが格段に速く正確になり、従来より遥かに大きなモデルに対応可能となりました。また、詳細度(LOD)も、ソースデータに「LODn」命名規則を使って命名された部分が含まれていれば自動的に作成可能になりました。

PiXYZ PLUGIN 2019.1 を使って Unity にインポートされた DWG 形式の 2D 見取り図

PLUGIN には完全に新しい機能もいくつか追加されています。ライトマップ用 UV の自動生成、法線の作成、サブメッシュの分解、隠れたジオメトリの削除、メッシュの修復、ジオメトリのボックスへの置換が可能になったほか、プロキシメッシュ、ボクセル、あるいはマーチングキューブアルゴリズムを使用したリトポロジーが行えるようになりました。また、Unity プレハブの改良との統合が成され、まだ Unity 内でネイティブに対応されていないすべての形式に関して、スクリプト記述されたインポートワークフローが追加されるようになりました。もちろん、これらすべての新機能は、Toolbox からインタラクティブにご利用いただけるほか、自動化されたワークフローにも Rule Engine 経由で含めることができ、C# スクリプト内に含めることも可能となっています。

また、既存のアルゴリズムも改良されました。バージョン 2019.1 では、モデルのインポートがこれまでになく高速化されたほか、テッセレーションのアルゴリズムが強化されたことでより高い品質が実現されました。PiXYZ は市場最高のテッセレーションアルゴリズムを搭載していることが広く認知されていますから、これは素晴らしいことです。デシメーションも改良され、指定されたデシメーションのレベルに応じて生成されるメッシュの品質が向上しました。

Unity の右クリックメニューに PiXYZ PLUGIN 2019.1 の新機能が表示されます

さらに上述の通り、PiXYZ PLUGIN の全機能が Mac ユーザーの皆様にもご利用いただけるようにになりました!バージョン 2019.1 からは macOS をご使用の Unity ユーザーの皆様も PLUGIN を Unity エディターで直接ご利用いただけます。

STUDIO

PiXYZ PLUGIN 2019.1 には数多くのアップデートが行われましたが、PiXYZ STUDIO にはさらに広範な改良が加えられています。主に UI やインタラクティブ操作、Product Structure の表示形式、スクリプティングに関しての改良、そしてもちろん、中核的なアルゴリズムの性能も向上しています。

UI に加えられた改良のひとつは、PiXYZ STUDIO で最も要望の多かった機能、取り消し機能とやり直し機能です!これらの機能が追加されたことで、間違いを取り消したり、複数の選択肢を試して最も良い結果が得られる最適化方法を見付けることが簡単にできます。PiXYZ のすべての機能とアルゴリズムが Function List から利用可能となり、各機能のパラメーターを簡単にデフォルトにリセットできるようになっています。この他のアップグレードには、機能のツールチップからヘルプへの直接アクセス、ツリー表示の簡素化、Functions ウィンドウからの Python コードの直接コピーなどが含まれます。

これに加えて、新しい Transform ギズモを使用して個々の要素を操作できるようになりました。これには各部のピボットポイントを修正する機能も含まれます。選択機能も拡張され、パッチやポリゴンなどのサブメッシュ要素をビューポート内で直接選択し、選択対象に対して削除や面の角度の変更などのアクションが実行できるようになりました。

Product Structure(シーンツリー)の表示もより正確になり、構造を表すシーンツリーの修正がより簡単になりました。インポートされた CAD モデルの Product Structure が完全に元々のモデルに忠実になり、元々のモデルに存在しないインスタンスや空ノード、中間ノードが含まれなくなりました。この正確な Product Structure は、STUDIO からのエクスポート時に完全に保持されます。ヒエラルキー内のノードはすべてオカレンスです。これは Unity におけるゲームオブジェクトに類似するものです。各オカレンスがプロパティ(一意識別子、名前、トランスフォーム、可視性、マテリアルなど)を持っており、これは新しい Inspector パネル内で編集可能です。また PiXYZ STUDIO はヒエラルキー内でのプロパティの継承に対応しています。各オカレンスは 1 つまたは複数のコンポーネントを受け取ることができ、このコンポーネントを使用してその挙動を制御できます ― これも、Unity のゲームオブジェクトがコンポーネントを受け取ることができるのと似ています。使用可能なコンポーネントは Part、Light、PMI(Product Manufacturing Information)、Interaction Behavior、Visual Behavior です。Product Structure がツールを使ってインタラクティブに修正可能となり、ノード(およびサブアセンブリ全体)の移動・コピー・ペースト・複製、ノードの新規作成、ノードの表示・非表示、ノードの結合・圧縮・展開が行えます。Product Structure に適用するスクリプトは、複雑な Scene Path の概念が Occurrences List に置き換えられたことにより、大幅に簡素化されました。

Product Structure の動的な修正

アルゴリズムに関しては、PLUGIN に加えられた改良が STUDIO にも適用されているのに加え、その他のアルゴリズム(凸包を使用したジオメトリのリトポロジーなど)も追加されています。このほかのアルゴリズム改良には、オカレンスをサブアセンブリやメッシュやジオメトリプリミティブに置換できる新しい Replace 関数のほか、完成されたモデルの面を自動的に方向付けする Smart Orient アルゴリズムの改良版などが含まれます。

新しい Re-Tessellate および Back to BRep アルゴリズムは、インタラクティブなワークフローを大幅に向上させます。Re-Tessellate 関数を使うことで、すべてのオカレンス(およびヒエラルキー内のすべての子)のテッセレーションが(シーン全体に至るまで)再生成可能になりました。Back to BRep 関数を使用すると、元々の CAD モデルに戻って最適化処理全体を微調整できます。また PiXYZ STUDIO 2019.1 では UV 生成も大幅に改善されています。UV が様々な手法(平面、ボックス/トリプラナー、球面、円柱投影)によって生成可能になりました。UV を再パッキングするアルゴリズムも改善されました。

PiXYZ Plugin 2019.1 はバージョン 2018.3 以降の Unity に対応しています。すでにこれらの PiXYZ 製品のいずれかのサブスクリプションをご購入済みの方は PiXYZ のウェブサイトから最新版のダウンロードとインストールを行うだけでご使用を開始していただけます。初めて PiXYZ 製品をご使用になる方は、Unity ウェブサイトの PiXYZ に関するページで無料トライアル版のリクエストを行ってください。

2019年5月8日 カテゴリ: Engine & platform | 6 分 で読めます

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