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アセットストアで公開された『Buried Memories Volume 2: Serekh』(以下『Serekh』)は、遺伝子組み換え技術の進歩を古代の神話的な世界に融合させた、SF ファンタジージャンルの高品質なアセットパッケージです。本作『Serekh』の背景ストーリー は前回のブログ記事でお読みいただけます。本記事では、その制作の舞台裏とクリエイティブなプロセスを、さらに紐解いていきます。

規模の大小に関わらず、優れたゲームを開発するには、高い専門的スキルを持ち、制作物に対する深い愛情とビジョンを共有するメンバーで構成された、献身的なチームが必要です。『Serekh』は、コンセプトアーティストの Edvige Faini 氏と Unity Icon コレクションによって共同開発されました。本プロジェクトにおける最も大きな課題の一部は、技術的なものではなくコンセプトに関するものでした。

コンセプト:伝説を想像し直す

麒麟は東アジア文化における伝説の獣で、その図像は、竜・ライオン・鹿・馬など様々な異なる動物の形で、多種多様な表現形態で表されます。『Serekh』開発チームは麒麟を再解釈し、ヒューマノイドの特徴を取り入れた「Kirin」というキャラクターを創り出しました。

単純に見た目や動きを決定するというだけでなく、アーティスティックな面で課題となったのは、キャラクターの背景にある歴史と性格を随所に反映させて、それがゲームの中で生きてくるようにすることでした。

モデリングプロセスのごく早期 ― Kirin の姿が形になり始めた段階

Kirin のデザイン:細部の重要性

キャラクターアーティストの Maria Panfilova 氏は、その類まれな 3D スカルプティングのスキルで、キャラクターに息吹を吹き込みました。究極のところ Kirin は、彼女の高度な技術的能力と、鋭い感性による深い理解力の賜物と言っても過言ではないでしょう。

コンセプトが確立された後に Maria 氏が取り組んだタスクは、棘・角・触角などのディテールの肉付けです。こうした細部の全てが、この古代伝説に基づく動物の印象を左右することになります。

このキャラクターは後ろ脚で歩行しますが、手を前脚として使い、地面を蹴ってすばやく動くこともあります ― 猿のようなボディに長い腕 ― 動物と人間の両方の挙動を見せます。残忍で攻撃的、しかし時に繊細で愛らしい、そんな印象を与える必要がありました。

Maria 氏は、このキャラクターをスカルプトするに当たって、アルファブラシを多用してディテールをスタンプするのではなく、手作業でディテールをスカルプトする従来型のアプローチを採りました。この方がより時間の掛かるプロセスになりますが、結果的にはキャラクターの全身に、より自然な流れ(まとまり)がもたらされます。

キャラクターをローポリレベルでカスタマイズする方法を見極めるのに苦心しました。最終的には、しっかり作り込んだメインボディに、角・耳・しっぽ・棘などの差し替え可能要素を組み合わせたものを作成するという形に落ち着きました。

シェーディングに関しては、Maria 氏のチームが使用したのは Unity の HD レンダーパイプライン(HDRP)です。彼女は LayeredLit シェーダーを使用して、マスクテクスチャーによって色の調整を行いました。

Kirin のアニメーション:見る者の心を動かすスピリット

Myles Yeo 氏と Ng Boon Wei 氏によるアニメーションとテクニカルな仕事が組み合わさって、モーションの魔法がキャラクターに息吹を吹き込みました。

伝説の動物である Kirin は、技術文明を象徴するものではありません ― Kirin は本能的なレベルで行動します。その唯一の目的は種の繁殖と保存であり、その為には自らの存在を脅かし兼ねない生命体の駆逐も厭いません。

Kirin は科学者ミナモトが変異したものなので、この巨大な捕食獣は、感情を持つ人間的な特質を見せる必要があります。

Myles 氏は、オオカミとライオンの映像にヒントを得ました ― これらの動物の持つ力と重みに。オオカミは時に、人懐こい犬のような振る舞いも見せます。Myles 氏は、Kirin の攻撃的な捕食獣の気性と、本能と怒りを制御できる知的な科学者としての気性を、絶妙なバランスで両立させました。

環境の枠組み構築と初期ライティングのステージ。最終的なビジュアルの完成までは、まだ長い道のりです。

環境アート:舞台を設定する

リード環境アーティストの Liu Tianyu 氏とレベルデザイナーの Johaness Reuben が、キャラクターの周囲の物理的なインタラクティブ環境を構築しました。彼らはコンセプトのスタイルに合う参照点を見つけ出し、作業を格段に効率化させることができました。

開発チームは、タイリングテクスチャ―とトリムテクスチャーを使用する方法を採用しました。この方法だとディテールを素早く効率的に追加できるだけでなく、後の修正や調整を行う上でも便利です。たとえば、壁のパイプに見られるように、セットの小物にデカールやディテールなど装飾を施すことによって、シーンのほとんどの部分から繰り返し感や単調さを排除することができました。床と角の接続部もトリムテクスチャーとタイリングテクスチャーによって作成されています。

チームは、マテリアル、テクスチャー、ライティングの見た目をリアリスティックななものにするために、Unity の HDRP を使いました。この新しいシェーダーは簡単に使用でき、調整可能な多数のパラメーターやエフェクトを搭載しています。平面反射を使用することで、床にシーン内のさまざまなディテールを反射させることができ、床全体の見た目がよりリアリスティックになります。

サウンドトラック:雰囲気をつくる

Nathan Cleary と Sophia Leader の両人は、完全に没入できる体験を創り出すのに欠かせない音楽やサウンドエフェクトを作る達人です。

このプロジェクトに限らず、一般的にゲーム用の作曲を行う場合の課題は、まとまりのあるものを作りながらも、ユーザーが音楽アセットを出来るだけ自由に操作できるようにすることです。各音楽トラックは、全体で一つの作品として機能するように作曲されますが、聴く者の中に全く異なる感情を呼び起こすために、様々な音色を使って慎重にレイヤリングされます。

例えば、プレイヤーが探索を行っている時は単純なドローンと遠くから聞こえる打楽器音の要素を入れ、プレイヤーが危険な匂いのするエリアに進入するに従って徐々に他の要素がフェードインして来る、などです。

皆様にすぐに試していただけるように、現在のステム用にミキサーをセットアップしてあります。スコアを操作するトリガーやコードをご自由に作成していただくことも可能です。ご提供しているステムを使って、アブストラクトなリミックスを作成することもできます!

『Serekh』の世界を探索しよう

皆様が大規模なチームに所属しているか、小規模なインディーチームに所属しているかに関わらず、プロジェクトを成功させるためには、クリエイティブコンセプトを理解し、それをどのように実装するかを把握し、自分以外の情熱を持つ人々と交流を深めて協力していく必要があります。『Serekh』の背後のチームのメンバーは皆、それぞれの分野における達人の「黒帯」アーティストであり、自分達の仕事に対して強い当事者意識を持っています。

成功するプロジェクトでは必ず、ひとりの人間による舵取りの声が、各要素、各部門を上手く調和させ、全体としてひとつにまとまったものに仕上げていきます。このプロジェクトでは、クリエイティブディレクターの Alitt Khaliq が研ぎ澄まされた直感により、ストーリーに合った適切なビジュアルを選び取りました。

チームは、夢中になれるゲームプレイを生み出すために、キャラクターのビジュアル的な魅力や感情的要素、インタラクティブな要素を、一丸となって作り上げました。

今すぐ『Buried Memories Volume 2: Serekhをダウンロードして、ご自身のプロジェクトの作成を始めてみてください!ご不明な点はお気軽にお問合せください。皆様の制作物を拝見できるのを楽しみにしています!

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  1. The beast though

  2. “The Kirin is a legendary beast in East Asian culture whose iconography includes many different creatures like the dragon, lion, deer, and horse with countless representations. ”

    The literal translation from chineese is “giraffe” :D in fact you can see it in some Ming dynasty painting, they were brought back by Zheng He’s voyage to East Africa.

    Modern Kirin are basically as much of a transformation into something else, through oral description, that unicorn actually refer to rhinoceros seen in india, or manatee into siren.

    1. …huh, the more you know.