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『Falcon Age』制作における Unity、AI 技術、Twitter 活用法

2019年8月12日 カテゴリ: ゲーム | 4 分 で読めます
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AWE 2019 で、Outerloop Games の共同創始者でスタジオディレクターである Chandana「Eka」Ekanayake 氏が自身のゲーム『Falcon Age』の開発プロセスを紹介しました。私達は Eka 氏を取材し、彼の使用したツールについて具体的に伺いました。本記事では彼からのアドバイスを皆様にお届けします。

『Falcon Age』は Outerloop Games がチームとして Unity で制作した 5 作目のゲームです。Outerloop Games はこれまでにモバイル向けから VR・非 VR 向けまで多岐にわたる作品を制作して来ました。彼らは、コンセプトのテストと素早い試作には Unity のツールセットが(特に彼らのような小規模チームにとっては)理想的であると考えています。

『Falcon Age』制作の発端となったのは?

『Falcon Age』は、イヌワシなどの猛禽類の映像を観た後に VR プロトタイプを制作したことから始まりました。私達は実際の鷹匠と時間を共にし、鳥の動きを研究しました。鳥を育成して鷹狩を学ぶというアイデアは、VR で試したら面白いゲームメカニクスになりそうだと思ったのです。また、鷹をペットにして絆を育むというのも、今まで見たことのない要素でした。

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講演中に、『Falcon Age』は非 VR と VR の両方に向けて開発したとおっしゃっていました。複数のプラットフォームに向けて開発するに当たって、何を念頭に置く必要がありましたか?

VR 版と非 VR 版の両方を開発することで作業量が増えることは分かっていましたが、どちらでも機能するような形でゲームを設計することも可能だろうと思ったのです。最も大きな検討事項は、ロコモーション、キャラクターとオブジェクトとのインタラクション、そして鷹のインタラクションです。VR モーション制御を有効にすることで、プレイヤーの手の自在な制御が可能になっています。これを非 VR で機能させる場合は、インタラクションをアニメーション化して標準的なゲームコントローラーにマッピングする必要がありました。Unity では、プレイヤーがそのとき使っているハードウェアに応じてリアルタイムで有効・無効が切り替わる複数のキャラクター制御手段のセットアップが簡単に行えました。

『Falcon Age』には Unity のアニメーションシステムが使用されています。すべてのステートマシンをどのように管理したのですか?

アニメーションレイヤーを使用した基本構造から開始して、それを徐々に、ゲームプレイ中の様々なイベントに対応するアニメーションパラメーターを使用しながら、複数のレイヤーへと拡張していきました。鳥のヘッドロック(鳥が頭を静止させて体だけ動かす)などには、鳥の向きに応じて遷移するブレンドポーズのシステムを使用しました。脚や顎、瞬きなど、アニメーションの部分的なブレンドも用いているほか、プレイヤーとグータッチするなどの特殊な動きには全身のオーバーライドも使用しています。

鳥は飛行中は物理システムで駆動し、体重や加速度などがあります。飛行システムの構築を通して学ばれたことの中で、他の開発者の参考になりそうなアドバイスはありますか?

鷹の飛行には基本的な物理を使用しており、ハイレベルのナビゲーションには自動生成の 3D ナビゲーショングラフを使用しています。Unity Job System でナビゲーショングラフに A* を使用することで高いパフォーマンス性を保ちました。オブジェクトの回避に関しては、環境内でオブジェクトの上を飛んだり避けたりして飛行しながら、フレーム毎に、異なるレイキャストを順番に繰り返し投げるようになっています。飛行の微調整用に、インスペクター内でリアルタイムで値を調整できるようにしました。

人工知能(AI)はゲームプレイにどのように組み入れたのですか?

AI は比較的シンプルな形に留めてゲームプレイのニーズに応じて単純な挙動をレイヤリングし、アニメーションシステムをそれに連動させました。鷹はプレイヤーの呼び掛けや命令にほぼ即時に反応しますが、飛び回っている間は飽きて狩りに行ったり、プレイヤーのためにアイテムを収集したり、興味を持った場所に停まったりします。彼女は傷付くとプレイヤーの元に飛んで戻って来て、プレイヤーから見える、プレイヤーに傷の手当てをしてもらえる場所を見付けます。地上のクリーチャーや敵には Unity のナビメッシュを使用しました。またプレイヤーのナビゲーションにも同じナビメッシュを使用しました。

アセットストアはどのように活用しましたか?また、それが開発にどのように影響しましたか?

ゲームプレイを考えながら進む初期のプロトタイピングのスピードをアップさせるために、プリミティブな岩、雲、その他の物品など、Unity アセットストアのアートワークを多数使用しました。あらかじめ作られたアセットストアのコンテンツを使用できることでデザインのイテレーションのが格段に素早くなります。製品版の開発には、テクスチャーツールから各種サウンドライブラリ、テレインツール、鷹の帽子アセットに至るまで、アセットストアの他のアイテムを使用しました。アセットストアは、私達のような小さなチームがスピード感のある開発を行ううえで本当に役に立ちます。

https://twitter.com/Ekanaut/status/1134134835302109185

ソーシャルメディアによって、ゲームに対する期待感・ワクワク感を非常に効果的に作り出されていたと思います。ゲームに対する盛り上がりを作り出したい他の開発スタジオの皆さんに、ヒントになるようなアドバイスはありますか?

ソーシャルメディアは、アイデアをテストするのにもってこいです。私達は早くから『Falcon Age』の短いゲームプレイクリップや画像や GIF など、色々と公開してみました。最も反響があったのは、雛鳥のアニメーションでした。雛鳥のグータッチや、他のプレイヤーとのインタラクションの GIF 画像が最も多くシェアされました。私からアドバイスできるとしたら、色々試して反響の大きいものを見付け、ゲームについて人々が興味を持ってくれる部分に関連したコンテンツをさらにシェアすることです。

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Eka 氏の AWE での講演全編をどうぞご視聴ください。

VR ゲーム開発について詳しく学びたい方は、Unity のウェブページをぜひご覧ください。

2019年8月12日 カテゴリ: ゲーム | 4 分 で読めます

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