皆さまからのフィードバックを受けて、テレインマテリアルのペイント機能に新たな強化をいくつか実施しました。Unity 2019.2 向けの Terrain Tools パッケージを使うと、今までよりも少ない手間で複雑なテレインをペイントできます。ワークフローの時間をスピードアップできるよう、UI も変更されています。
今回のパッケージ更新によって、テレイン上のマテリアルをペイントする作業が快適になります。今回の更新では、Brush Mask Filters 機能が新しく追加されました。また、Paint Texture ツールが見直されたほか、Terrain Toolbox ワークフローに改善が加えられました。
おそらく Brush Mask はすでによくご存じでしょう。単一チャンネルのテクスチャを使用して、作業しているテレイン領域の形状と強度を定義するテレインブラシです。グレイスケールのマスク出力を調整するには、「Radius Scale」、「Falloff」、「Remap」など、他のブラシ機能を変更します。
Brush Mask Filters は、テレインブラシの素晴らしい追加機能です。これらのフィルターを使うと、Brush Mask の最終的な出力を計算する前に、ブラシに追加の演算が加えられます。
たとえば、Add フィルターを、入力値を 5 に設定して使用する場合、スカルプティング領域の高さが増加します。これは、Brush Mask の各ピクセルに 5 を加算したからです。
Brush Mask Filters には 2 つのカテゴリがあります。1 つ目のカテゴリには数学演算フィルターが含まれます。これらのフィルターは、テクスチャーを操作するノードベースの編集ツールでよく見られます。2 つ目のカテゴリは、テレインベースの演算で構成されます。
テレインベースのフィルターには、特定の地形を分離するのに役立つ一連の演算が含まれている場合があります。たとえば、Height フィルターでは、高さの最小値と最大値を指定することで、一定範囲の高さにあるテレインを分離します。Concavity フィルターは、露出しているテレインの裂け目を識別するのに役立つほか、くぼんでいる面を検出するオプションもあります。このパッケージリリースでは、15 個のフィルターが用意されています。
フィルターは Brush Mask Filters スタックに簡単に追加でき、複数のフィルターを組み合わせることでさまざまな結果を実現できます。この新機能はすべてのテレインブラシで利用できます。
Unity では、上から下の順に演算を実行します。Brush Mask Filters をさまざまな組み合わせで使用することで、ブログ記事の後半で紹介するテレインテクスチャのような、非常に面白く、魅力的な結果を生み出すことができます。
複数の Brush Mask Filters を組み合わせて、ニーズに合った複雑なブラシを作成できます。
手順は、動画で示されているとおりです。
強化された Paint Texture ツールでは、新しくテレインレイヤースポイトツールが追加されたほか、マテリアルレイヤーが並べ替え可能になりました。
Shift + A キーを押すとテレインレイヤースポイトツールが有効になります。キーを押したままテレインの任意の部分をクリックすると、その部分から直接マテリアルを選択できます。このツールは、写真編集ソフトウェアのスポイトツールと同じように動作します。このツールを使うと、ペイント中のマテリアル選択プロセスが大幅にスピードアップします。
選択したマテリアルは、新しくなったマテリアルレイヤー UI に表示されます。この UI には、レイヤーの並べ替えができるリストが追加されました。UI でマテリアルレイヤーを並べ替えると、対応するスプラットマップチャンネルが変化します。スプラットマップは、Unity がテレインに使用するマテリアル分布マスクテクスチャです。複数のテレインレイヤーを同時に削除するには、各レイヤーの横にあるチェックボックスをオンにして、「Remove Layer」ボタンをクリックします。
Terrain Toolbox のワークフローがさまざまな面で強化されました。マテリアルレイヤーとスプラットマップをインポートすると、違いに気づくでしょう。アセットフォルダーから手動でテクスチャを選択する代わりに、テレインから直接テクスチャをインポートできるようになっています。
World Machine などの外部コンテンツ制作ソフトウェアを使用している場合は、エクスポートしたスプラットマップの方向が誤っている場合があります。Terrain Toolbox を使用してスプラットマップをインポートする際に、スプラットマップをプレビューして、必要に応じて方向を調整できるようになりました。
ビジュアライゼーションに関しても、Terrain Toolbox に新しくビジュアライゼーションツールのセクションが追加されました。Altitude Heatmap ツールを使用すると、スカルプトしながらテレインの標高をプレビューできます。世界の他の部分と相対的に統一する必要のあるテレインをスカルプトする際に役立ちます。また、鳥瞰視点でテレインをスカルプトしたり、湖などの標高を意識する必要のあるテレインを計画したりする場合にも便利です。
現在、これらの新機能や更新はいずれも、最新の Terrain Tools パッケージで利用できます。パッケージは Unity 2019.2.0f1 以降の Package Manager でダウンロードできます。
Unity の地形作成システムのチームはまだ始動したばかりのため、新機能の開発は今後も精力的に続きます。ぜひ World Building フォーラムからフィードバックをお寄せください!
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