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『MarZ』:リアルタイム戦略型ゲームの開発におけるアセットストアの活用例

, 12月 2, 2019

インディーゲームスタジオの doorfortyfour は『MarZ: Tactical Base Defense』の開発で「Script Inspector」、「Amplify Shader Editor」、「Volumetric Fog and Mist」の 3 つのアセットをフル活用し、ゲーム開発の効率化と不足していたスキルの補填を行いました。たった 2 人の小さなスタジオからゲームをリリースするために、これらのアセットをどう活用したのか。詳しくはこの後の記事をご覧ください。

MarZ: Tactical Base Defense』は、プレイヤーの率いる隊員と資源を注意深く管理しつつ、アンデッドの大群から基地を守る戦術・戦略型防衛ゲームです。同時に舞台となる赤い惑星の隠された歴史の謎を解きあかしていく要素もあります。王道のリアルタイム戦略型ゲームにして、シンプルなタワーディフェンスゲーム。ソビエト時代を思わせる「隠された謎」に「宇宙テクノロジー」。そして「火星に潜むゾンビたち」と、古き良き時代の匂いがたまらないゲームに仕上がっています。

 


Cyber Week Mega Sale:2,000 種類以上のアセットが 50% 割引に!

学生のプロジェクトから『Hearthstone』のような世界中でヒットしている AAA タイトルまで、さまざまプロジェクトでアセットストアは開発者の時間を節約しています。インディーゲームスタジオの doorfortyfour は、アセットストアで公開されている「Script Inspector」、「Amplify Shader Editor」、「Volumetric Fog and Mist」をフル活用し、『MarZ: Tactical Base Defense』の開発の効率化と不足していたスキルの補填を実現しました。

doorfortyfour で使われているツールがいま「Cyber Week Mega Sale」で大幅に割引となっています。このセールでは他にも 2,000 種類を超える素晴らしいアセットが大幅割引価格で販売されます。このセールは年間通して最大のセールで、大人気のアートアセット、エディター拡張、ビジュアルエフェクト、時短ツールなど、選び抜かれたさまざまなツールが最大 50% 割引で販売されています。

2020 年に備えてアセットを大幅割引価格でお買い上げいただくチャンスです。開発時間を週・月単位で短縮するアセットをいま手に入れておき、未来の自分に楽をさせてあげましょう。さらにここから後の記事をお読みいただくことで、手に入れたアセットがプロジェクトのレベルアップにどれだけ役立つかがよくわかります。

 

さっそくセール会場へ!

 


 

Miriam Egli 氏と Marc Egli 氏は doorfortyfour のメンバーです。彼らは自分の子供を慈しむように手間暇をかけて『MarZ』という作品を世に送り出しました。2 人は夫婦で、共に『MarZ』の制作に 4 年間携わってきました。

Egli 夫婦はたった 2 人のチームである自分たちにできることの限界を冷静に見つめ、下手にマルチプレイヤーに対応してゲームを複雑化させたりせず、作りこまれたキャンペーンシナリオを搭載した 1 人用ゲームとして『Marz』の制作を進めていきました。

また、ふたりとも戦略型ゲームが好きで、特に『Command & Conquer、『Age of Empires』、『StarCraft』、『Caesar III』のようなリアルタイム戦略型ゲームが大好きです。また、タワーディフェンスも好きでよく遊んでいました。そのため、この 2 つのジャンルを組み合わせたゲームを作ろうという発想はふたりにとって自然なことでした。

doorfortyfour の Marc と Miriam

戦術・戦略型ゲームというジャンルはいろいろと実験することができるジャンルでもあります。doorfortyfour もゲームプレイに新しい仕組みを入れてMarZを他のゲームと差別化しようとしました。当時の doorfortyfour の主な興味はゲームプレイとアートディレクションに向いており、プロトタイプにはまったくストーリーが入っていませんでした。

技術とアートのスキルの融合

Miriam はもともと建築設計の仕事をしていました。『MarZのアイデアを着想したとき、Miriam はすぐにゲーム開発の道に飛び込む気持ちになったといいます。彼女の建築設計の技術はすぐに 2D や 3D のグラフィックス作りに転用することができました。また、アートの細部の作りこみやプロジェクトの計画立案といった部分に気が利くことも大きな強みとなりました。

一方 Marc はゲーム業界で 10 年を超えるキャリアを積んできました。アウトソーシング事業を手掛ける会社でシニア 3D アーティストとして働き、『Forza Horizon』、『The Crew』、『Split/Second』、『Crackdown 2』、『Test Drive Unlimited』など、数々の AAA ゲームに携わってきました。

Marc の最初の仕事はウェブサイト制作で、Flash 開発を専門としていました。しかし Marc は 映画業界やゲーム業界で働きたいという強い希望を持っていました。その後、ミュージックビデオのプロジェクトの仕事やドイツ国内の映画学校での学修を経て、Rabcat 社で 3D アート職のインターンに採用されました。Marc はウェブデザイナーとして働くかたわら、自由時間の大半をアートと技術を融合させたプロジェクトに注ぎ込んでいきました。

その次のステップとして、Unity に手を出すのは自然な流れでした。そして Marc は Unity のシンプルさや、3D で表現されたインタラクティブな作品を簡単に作れることに感銘を受けたのです。

遊んで楽しいバランス調整を行う

MarZ』の開発における最大の課題はバランス調整でした。動きとスピードのバランス調整に数週間から数か月を要しました。

アーリーアクセスの時期に来たプレイヤーからのフィードバックにつられてバランス調整に過剰な時間をかけてしまったこともありました。最初は単純なスプレッドシート 1 枚に収まっていたものがどんどん複雑になっていき、そして最終的にはそれを捨てました。必死にパラメーターをいじっても、ゲームが面白くとなったと感じられなかったのです。

それまでのバランス調整の方法をやめた後、Marc はゲームプレイ中にパラメーターを変えるためのシンプルなゲーム内 UI を実装しました。このツールのおかげで Miriam はゲームの各バージョンをテストプレイしている最中に、変えたいと思ったところを Unity エディターを使わずに直接変更できるようになりました。

Marc はさらに開発ビルドの中でサーバーに新しいパラメーターをアップロードできるシステムを作り、最新のビルドに最新のパラメーターが常に反映されている状態にしました。

ともに開発し、ともに遊ぶ

Marc と Miriam はどちらもゲームが大好きでしたが、先にパートナーをゲーム業界へ引き込んだのは Marc のほうでした。Miriam は建築業界で働いていましたが、建築業界のキャリアとゲーム業界のキャリアは似ていることがすぐに分かったといいます。そしてオリジナルのゲームを作るために力を尽くそうという考えはふたりにとって非常に受け入れやすいもので、自分たちが遊びたい種類のゲームを作れるということは特に魅力的な部分でした。

しかしMarZ』の開発に全力を傾ける前に、ふたりは共同開発と結婚生活を両立できるか確かめるために少し実験をしました。モバイル向けのレシピアプリ『flavourit』はその実験の成果物です。このアプリは使いやすいエディターを備え、ユーザーが直感的でわかりやすいオリジナルのレシピを作ることができます。この時ふたりは開発をすべて Unity で行い、その汎用性の高さを実感したといいます。

また、ふたりは自宅で働いているので、スケジュールの自由度は高いのですが、ワークライフバランスとふたりの関係を維持するためには毎日のルーチンが欠かせません。

「結婚して夫婦生活を送る日々は冒険の連続です。ですが、私たちはそれも楽しんでいます」doorfortyfour は 2 人だけのチームですが、その分ほかのチームの倍速く動くことができ、驚くほど生産性が高く、新しいプロトタイプや機能を試すことも喜んでこなします。シンプルなアイデアもふたりにかかればあっという間に新しくて楽しいものに姿を変えます。

加速度的に生産性を上げる

小さなチームがゲーム開発のすべての側面をカバーすることはできません。doorfortyfour も開発の過程で独自ツールをいくつか作っていましたが、アセットストアで手に入れたアセットで、制作をより楽にしたり、ふたりに足りないスキルを補ったりしました。

「これらのアセットで時間を大幅に節約でき、開発のストレスもすごく減らすことができました」と語っています。コーディングには非常によく作り込まれた Unity 統合を備える「Script Inspector」を活用しました。また、シェーダープログラミングに関する知識の不足を補うために「Amplify Shader Editor」を活用し、このアセットを使って独自のトリプラナーな地形シェーダーを作りました。

MarZ』の開発における大きな技術的課題の 1 つが戦闘中のフォグ表現でした。Marc は最初、単純なメッシュ平面にテクスチャを何枚か貼り付けてこの問題を解決しようと試みましたが、カメラのアングルから外れてしまい、上手くいきませんでした。そんなある日「Volumetric Fog & Mist」を見つけたことで、簡単に望み通りのエフェクトをつけられるようになりました。

「ランタイムで使える戦闘中のフォグ表現と頂点カラー機能は、自分たちで開発していた Marsform マップエディターに組み込むのも簡単でした」と語っています。フォグ表現はゲームの見た目に関わり、ゲーム世界に雰囲気や深みを与える重要な部分なのです。

MarZ』の開発をサポートするために doorfortyfour が作った Unity エディターツールのうち、重要なものを 1 つ選ぶとしたら、それはフローグラフのノードを柔軟に扱うことのできるツールになります。このツールは当初、ゲーム中の会話シーン向けに作られたシンプルなツールでしたが、あっという間にゲーム中のすべてのアクションや、チュートリアル、メニューを扱うツールに成長しました。独自のツールを開発する立場から見ると Unity は極めて汎用性が高く、この汎用性を上手く利用すれば、生産性を加速度的に上げていくことができます。doorfortyfour はこのツールを Unity アセットストアにリリースするため、現在さらに磨きをかけているところです。

この他、アセットストアにはすでに doorfortyfour がリリースしたツールが公開されています。「TileWorldCreator」はゲームで使うきれいな島やダンジョンのマップを作ったり、プロトタイプ用のレベルを素早く作るのに役立つツールです。また、「Particle ProFX One」には高品質なパーティクルのプレハブが多数収録されています。doorfortyfour は、アセットストアでのアセット公開や、『MarZ』および基地建設・戦略型ジャンルの新作ゲームの開発に向けていくつものアイデアを仕込んでいるところです。ふたりの動きにこれからもご注目ください。

MarZ: Tactical Base DefenseSteam で販売中です。