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Lexus が Unity でバーチャルプロダクションの扉を開く

, 1月 2, 2020

車の購入を進める中で、リッチでユニークなオンライン体験を期待する顧客がますます増えています。この記事では、Lexus が Unity を使用して宣伝/マーケティング資料の制作プロセスをどのように再構築し、最終的には自動車メーカーと広告パートナーがより短時間で、よりコスト効率を高くし、かつてないスケールで忠実度の高いイメージを制作する道を切り開いていくかについて説明します。

Unity では近年、Lexus とその代理店 Team One とのコラボレーションにより、Lexus ES MY19 を展示するためのリアルタイムコンフィギュレーターを制作しました。ウェブベースの「仕様を選んでお見積り」ツールでよく見られる、コンシューマー向けのカーコンフィギュレーターには馴染みがあるかもしれませんが、この新しいプロセスは業界プロ向けの豊富な機能を実現します。

第一に、現実世界で制作するには困難でコストがかかりすぎるバーチャルプロダクションを開発する目的で構築されました。さらに、汎用のユーザー体験を提供する代わりに、インタラクティブなコンポーネントを備えた実物大の乗り物をリアルタイムで操作できるようにすることで、Lexus と Team One が自動車の外観、セッティング、透視図、時刻などを調整できます。

この新しいプロセスにより、プロフェッショナルがその場で設定間を切り替えて移動し、トリムを切り替えたり、色をペイントしたりできます。自動車を夜のシーンやあらゆる角度から見ることができます。同様にインテリアオプションをスワップアウトすることもできます。調整を重ねて完璧に仕上げ、舞台が整ったら、バーチャル一眼レフ(SLR)カメラで完璧な写真を撮影できます。これが Lexus のイノベーションにつながります。

Unity がバーチャルプロダクションをどのように変えているかについて、Lexus と Team One がこのように述べています。

リアルタイム 3D によるおもてなし効果

さて、Lexus におけるこのイノベーションはどのようにして起こったのでしょうか?始まりはシンプルで、常に顧客を第一に考えるというブランドの哲学からでした。そして、それを達成する方法の 1 つがおもてなしの実践でした。おもてなしとは、各顧客を家に招いた大切なゲストのように扱い、彼らの本当のニーズを先読みして対応することを表す日本語の概念です。

これがバーチャルプロダクションを面白い方向に導きます。自動車のイメージとコンテンツを制作して届ける従来の方法では、事前にレンダリングされた静的なビジュアルが生成されるのであって、本当の意味でインタラクティブではありません。結果として、それらは人々の期待に応えることも、変化の速いソーシャルメディア隆盛のデジタル社会のメリットを生かすこともできません。

Instagram などの視覚要素が多いプラットフォームの出現により、消費者(特にミレニアル世代)の動向と期待は急激に変化しています。潜在的な自動車の購買層は、想像力を刺激する、わくわくするドラマチックなロケーションで「夢のような」ドライビング体験をしたいと考えています。Unity 制作のバーチャルプロダクションは、Lexus がこのような非常に高度なパーソナライズを施された体験を提供する道を切り開きます。

リアルタイムコンフィギュレーター用の舞台をセッティングする

9 月に開催される Unite Copenhagen の直前に、Team One のメンバーは開発中のアプリの舞台として、デンマークの魅力的な風景を選びました。英国のイメージライブラリ Domeble の CGI、3D、VR 制作に特化したエキスパートとコラボレーションしました。チームは 1 日のさまざまな時間帯で、1760 年に完成したデンマーク王室の生家である美しいアマリエンボー宮殿の高解像度の写真を撮影しました。その後、実際に撮影したデータをフォトグラメトリスキャンのベースとし、スタジオ elite3d がその中庭全体を 3D でモデル化しました。

 

バーチャル Lexus を正面に配置したアマリエンボー宮殿の広角ビュー。環境の権利は Domeble と elite3d に帰属します

「バーチャルプロダクション用にボリューメトリックアセットを制作することが優れている点の 1 つは、自動車はその場になくてまったく問題ないという点です。これは、企業や代理店にとって大きな利点です」と、Unity の自動車、輸送機器、製造担当シニアプロダクトマネージャー Edward Martin は述べています。「第一に、バーチャルプロダクションはプランニングに数か月もかける必要がなく、ライティングや小道具を含め、車両の輸送にかかるコストも発生しないほか、現地に大勢のスタッフも大がかりなクレーンやセットなども不要です。」

従来の撮影手法のもう 1 つの典型的な問題は、新しいモデルに関する情報の多くは社外秘であり、実際の車両を都会の名所や人気の観光スポットの近くに配置することはほぼ不可能になることです。バーチャルプロダクションならそのような懸念はなくなります。天候が味方しない場合は、遅延によりコストが上昇する可能性があります。

「アマリエンボー宮殿の撮影では、シンプルに天気がよい日を選びました」と、Martin は説明しています。「特別なセッティングは不要でした。数時間のうちに、夜明け前や日没前を含め、ボリューメトリックシーンの制作に必要なデータを得ることができました。これにより、Team One はベストショットをアプリにロードして、自動車をバーチャル空間でシーンに配置する取り組みを始めることができました。」

Unity でリアルタイムコンフィギュレーターを構築する

コンセプト実証として、Team One は Unity でバーチャルプロダクション用のアセットを組み立て、UI やバーチャルカメラのオプションを追加してリアルタイムコンフィギュレーターを制作しました。アプリに搭載された自動車のインタラクティブ制御には、トリムレベルの調整、インテリアとエクステリアのカラーリング、アニメーションを追加する機能などがある一方で、環境制御には 1 日の時間経過による変化、位置、回転などの機能があります。制作チームが自動車に調整を加えて必要な場所に配置したら、バーチャル SLR カメラを通じて表示し、使い慣れた写真コントロールを使用してアクセスできます。たとえば、5 つの異なる種類のレンズから選べるほか、F ストップ や ISO の設定を調整し、広角にしたりタイトクロップにしたり、被写界深度を狭めたり広げたりなど、完全に写実的な見た目を実現できます。

バーチャルプロダクションの主な利点は、コストをかけることなく、タイミングに左右されず、秘密が漏洩する懸念なしに、あらゆる面でセットやライティングを制御して撮影に臨める点です。

「私たちはこのプロジェクトを楽しみながら協力して取り組み、Unite Copenhagen に間に合わせることができました」と、Martin は述べています。「Team One は HD レンダーパイプライン(HDRP)シェーダーグラフなど、Unity の数々の新機能を利用しました。」

リアルタイムアプリの制作を検討している自動車メーカーや代理店にとってのその他の利点は、ポストプロダクションのワークフローが大幅に簡素化されていること(バーチャルカーであれば、汚れやその他見た目を損なう傷について心配する必要がないなど)、レザーなどで本物のようなテクスチャを表現しやすいこと、実物の小道具を管理する代わりに、アセットストアから安価なデジタルプロップを組み込めることが挙げられます。

「私はリアルタイム性や Unity のようなエンジンの可能性に、非常に期待しています」と、Team One のエグゼクティブクリエイティブディレクターである Alastair Green は述べています。「構想と同じスピードで制作することで、朝に思い付いたアイデアを昼までに形にし、夕方にはソーシャルメディアに投稿できます。パーソナライズしたコンテンツを大規模かつ、ほぼリアルタイムに Lexus コミュニティに届けることで、おもてなしをレベルアップさせることができます。」

「人々の期待はオンラインでの体験によって決まります」と、Lexus USA のソーシャルメディアマネージャーである Gabe Munch は述べています。「よりインタラクティブでパーソナライズ可能なものを制作することで、エンゲージメントがまずます増えることが期待できます。」

Team One が Unity で Lexus ES MY19 バーチャルプロダクションとリアルタイムコンフィギュレーターをどのように開発したかの詳細については、この記事のパート 2 をご覧ください。Unity の Spotlight チームの Pierre Yves Donzallaz が、ハイエンドなビジュアライゼーション実現のために HD レンダーパイプラインとその他の機能がどのようにしてビジュアルクオリティーを最適化する鍵となったかについて、舞台裏から説明します。

Unity とリアルタイム 3D のその他ユースケースに関するより一般的な情報については、自動車産業向け Unity を参照してください。

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