XR 関連のイノベーションの真っただ中でも、Unity はクリエイターとエコシステムパートナーにとって最良の開発プラットフォームであり続けることを使命と考えています。今回は、エコシステムを強化することを目的とした新しい XR プラグインフレームワークを発表し、このフレームワークが 2019.3 以降での開発にどのような影響を与えるのかを解説します。
Unity は、統一されたプラグインフレームワークを通じて直接統合できる、マルチプラットフォーム製品の改良に取り組んできました。その成果であるテクノロジースタックは、Unity がサポートする各種プラットフォームにわたって共通の機能を提供する API で構成されており、クリエイターがスムーズに制作を行えるようにしつつ、XR 関連のハードウェア/ソフトウェアプロバイダーが独自の Unity プラグインを開発できるようにもしています。このアーキテクチャには、以下のようなメリットがあります。
Unity は今回のシフトの一環として、サポート対象のプラットフォーム向けに新しい XR プラグインを開発しました。さらに、2019.3 の組み込みプラットフォームの実装を廃止しました。
このフレームワークは、Unity による各種プラットフォームのサポートに影響します。
「1 回ビルドすればどのプラットフォームにも展開できる」という Unity の基本方針は今後も変わりません。戦略的パートナーと直接連携して、公式にサポートされているプラットフォームを対象とした開発を行うすべてのクリエイターが十分サポートされるように努めます。この種の開発には、高度なプラットフォーム統合、エンジンの改良、プラットフォーム向け XR テクノロジースタックの最適化が伴います。2019.3 の時点で Unity が公式に連携とサポートを行っているプラットフォームは以下のとおりです。
注意:Gear VR、Google VR、および OpenVR は、Unity 2018 LTS でサポートが継続されます。
XR 領域への新規参入者は後を絶ちませんが、Unity はフレームワークによってエコシステム全体の連携を強化することを考えています。Unity では、サードパーティプロバイダーがクリエイターに直接価値をもたらすことができるように、Unity XR SDK を公認ソリューションパートナープログラムと組み合わせることを決定しました。このプログラムでは、テスト検証やリリースしたプラグインのプロモーションなど、さまざまなレベルのサポートが提供されます。公認ソリューションパートナーになることで、開発者の信頼を得てプラグインの導入を後押しできます。
プログラムの詳細と公認ソリューションパートナーになる方法については、こちらをご覧ください。
Unity が現在のようなプラットフォームになれたのも、ひとえにクリエイターやイノベーターのコミュニティのおかげです。イノベーションを妨げることなくエコシステムを実現するために、実験したいユーザーが Unity のインターフェースに合わせた独自の Unity プラグインを開発できるようになりました。ただし、このようなソリューションやパートナーに対する Unity の直接的なサポートは提供されません。
Unity の XR SDK のヘッダー、ドキュメント、テストスイートにアクセスするには、サインアップしてください。
前述のように、ビルトイン XR サポートは 2019.3 で廃止されたため、サポート対象の XR プラグインを使用することをお勧めします。*
各プラットフォーム向けの開発方法に関する最新のガイダンスについては、下の表をご覧ください。
プラットフォーム | 推奨事項 |
ARCore | プロジェクトで ARCore を使用している AR 開発者は、引き続き AR Foundation と XR Management を使用して ARCore XR Plugin をロードしてください。 |
ARKit | プロジェクトで ARKit を使用している AR 開発者は、引き続き AR Foundation と XR Management を使用して ARKit XR Plugin をロードしてください。 |
Magic Leap | Magic Leap 開発者は、引き続き AR Foundation と XR Management を使用して Magic Leap XR Plugin をロードしてください。また、Magic Leap Lumin SDK をダウンロードする必要もあります。 |
Microsoft HoloLens/Windows Mixed Reality | 2019.3 以降を使用している HoloLens 開発者は、引き続き AR Foundation と XR Management を使用して Windows XR Plugin をロードしてください。また、Microsoft は、新バージョンの Mixed Reality Toolkit(MRTK 2.3)を今月中にリリースし、2019.3 以降の Windows XR Plugin に対応できるようにします。
安定したバージョンを使い続けるために Unity 2018 LTS を使用している開発者は、引き続き HoloLens と Windows MR デバイス向けに開発できます。 注意:Windows MR(Windows Mixed Reality)のビルトインサポートは 2019.3 で廃止されました。* |
Oculus | 2019.3 以降を使用している Oculus 開発者は、XR Management を使用して Oculus XR Plugin をロードしてください。
安定したバージョンを使い続けるために Unity 2018 LTS を使用している開発者は、引き続き Oculus デバイス向けに開発できます。 注意:Oculus(Oculus Android と Oculus Desktop)のビルトインサポートは 2019.3 で廃止されました。* |
OpenVR | Valve は Unity の XR SDK を使用して 2019.3 用の OpenVR Unity XR プラグインを開発しています。プラグインの入手方法ついて詳しくは、提供開始後に Valve からお知らせします。
プラグインの提供が開始されるまで、2019.3 では OpenVR のビルトインサポートを引き続きご利用いただけます。重大な問題に対する修正がある場合は、Unity がユーザーをサポートします。 Unity 2018 LTS では OpenVR のサポートが継続されるため、開発者は引き続き既存のプロジェクトで OpenVR を使用できます。 注意:OpenVR(OpenVR(Desktop))のビルトインサポートは 2019.3 で廃止されました。* |
Gear VR | Gear VR は 2019.3 以降、Oculus XR Plugin でサポートされなくなりました。
Unity 2018 LTS では Gear VR のサポートが継続されるため、開発者は引き続き既存のプロジェクトで Gear VR 向けの開発を行うことができます。 注意:Gear VR(Oculus Android)のビルトインサポートは 2019.3 で廃止されました。* |
Google VR | Google VR は 2019.3 以降サポートされなくなりました。
2019.3 以降を使用している Cardboard 開発者は、Unity 用 Cardboard Open Source XR Plugin に関する最新情報を定期的にチェックしてください。この情報は、Google VR 開発者向けサイトで確認できます。 Unity 2018 LTS では Google VR のサポートが継続されるため、開発者は引き続き既存のプロジェクトで Daydream や Cardboard 向けの開発を行うことができます。 注意:Google VR(Google VR Android と Google VR iOS)のビルトインサポートは 2019.3 で廃止されました。* |
Vuforia | Unity 2019.3 以降は Vuforia Engine のビルトインパッケージを Unity に同梱する形での配布は行わず、パッケージで配布する形式でサポートします。最新の Vuforia Engine パッケージは、今年の 3 月までは Unity パッケージマネージャーから入手できます。3 月以降も、Vuforia Developer Portal から Unity 用 Vuforia Engine の新しいバージョンを引き続きダウンロードできる予定です。 |
*廃止とは、組み込み実装されているものについては 2019.3 でも利用可能で、2019 LTS でも引き続き機能しますが、必要なバグ修正を除いて新しい機能は追加されないことを意味します。
Is this article helpful for you?
Thank you for your feedback!