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『Lost Crypt』制作の舞台裏:新しい 2D サンプルプロジェクトのアート

, 2月 6, 2020

Unity は、先日新しい 2D サンプルプロジェクト『Lost Crypt』に関するウェビナーを開催しました。ご参加いただいて 2D に関するさまざまな議論を盛り上げていただいた皆様に、心から感謝いたします。皆様からの質問で多かったのは、アート制作に関するものや、Photoshop や Unity のようなツールの統合に関するものでした。そこで、デモの美麗なビジュアルを担当したアーティストに話を聞くべく、モントリオールにあるスタジオ Back to the Game(B2tGame)を訪れました。この記事では、ウェビナーの録画とアーティストによる回答をご覧いただけます。

ウェビナーでは、ユニバーサルレンダーパイプラインの 2D Lights、シェーダー、ポストプロセッシングがどのように意欲的なビジュアルのプロジェクトに貢献したかを紹介しました。また、R&D の 2D チームにも参加してもらい、新しい 2D ツールスイートに関する質問に答えたり、今後の計画について意見交換したりしました。

ウェビナーの講師を務めたのは、Unity のグローバルコンテンツエバンジェリスト Andy Touch です。Andy は、プロジェクト全体の中心人物で、各コンポーネントの連携を確認したり、ビジュアルエフェクトを追加したり、『Lost Crypt』をアセットストアに公開したりしていました。ウェビナーの録画は、以下でご覧いただけます。

最初に、『Lost Crypt』の制作に B2tGame がどのように貢献したかを簡単に紹介します。このプロジェクトのために B2tGame は 3 名からなるチームを結成しました。アートディレクターの Michaël(Mika)Renaud 氏は、コンセプトの立ち上げからアセットの最終仕上げまで、プロジェクトに関わるすべてのアートの制作を担当しました。クリエイティブディレクターの Richard Rispoli 氏は、制作用パイプラインの定義と、すべてのライトとシェーダーのエフェクトを担当しました。また、テクニカルアーティストとして Unity の最新 2D ツールの限界を探るためのテストも行いました。テクニカルディレクターの Ivano(Ivan)Mansueto 氏は、チームのテクニカルリードであり、リポジトリのプッシュとプルを担当しました。

「Unity との『Lost Crypt』制作は、とても楽しい経験でした。Unity 側のチームは、信じられないほど優秀な人ばかりでした。最新の 2D ツールを使って新世代の 2D を誰でも手が届くものにするプロジェクトに参加できたことを嬉しく思います。」(Richard)

どのようなものからアートのインスピレーションを得たのですか?

Mika 氏:Unity のチームから参考用に提供されたものの中でも『オリとくらやみの森』は、見栄えの良い 2D ビジュアルのいいお手本になりました。『レイマンレジェンド』の美しい背景も、かなり参考になりました。

いつもどのようなワークフローでアセットの制作やフォーマット化を行っていますか?

Mika 氏:まずは、1 つの大きなドキュメントに自分のコンセプトを貼り付けます。これは、すべてのスプライトにわたって一定の詳細度を維持するのに役立ちます。次に、シーンを構成するために必要となるさまざまな要素のリストを作成します。これは描画しなければならない要素や、再利用できる要素を把握するのに役立ちます。その後、すべての要素をクリーンアップして統合する作業に着手します。実際にアセットを扱うようになったときに、磨きをかけるのが格段に楽になります。

ウェビナーの参加者には、テクスチャーから法線マップへの変換について詳しく知りたいという方もいらっしゃいました。変換のプロセスを教えてもらえませんか?

Mika 氏:Photoshop には、画像から法線マップを生成するビルトインフィルターがあります。まずは、スフィアなど、使い慣れたアセットにそのフィルターを試してみて、Unity で問題なく動作するかを確認してください。ツールによって法線の情報がどのようにエンコードされるかに関しては、さまざまな規則があるので、実際に試してみることをお勧めします。

自作のタイルマップツールで使用されるアセットを準備するアーティストに何かヒントはありますか?

Mika 氏:可能であれば、アセットストアで既存のタイルセットを入手し、たたき台として使用してください。
それ以外には、Photoshop のスマートオブジェクトをいくつか使ってみることをお勧めします。タイルセットを作成するには、いくつかのパターンを何度も繰り返すことになります。タイルセットの全体的な見た目を変える必要がある場合は、かなりの量のタイルを同時に更新することで、時間を大幅に節約できます。

新しい PSD Importer パッケージについて意見をお聞かせください。過去のプロジェクトでの経験と比較して、Photoshop と Unity の間のワークフローは改善されましたか?

Ivan 氏:改善されたことは間違いありません。レイヤー構造を維持したまま PSD を直接 Unity にインポートできるようになったので、非常に便利です。アーティストの手順が減り、変更を維持しやすくなります。

このプロジェクトに携わる中でお気に入りの新しい Unity ツールがあったら教えてください。

Richard 氏:シェーダーグラフは非常にすばらしいツールですね。全体的な品質を大きく引き上げてくれます。たとえば、ぼんやり浮かび上がるような夜魔の形状やスタイルは、シェーダーグラフがなければ実現できなかったはずです。

Photoshop 以外に、開発者にお勧めしたい外部ツールはありますか?

Richard 氏:Crazybump や各種類似ツールは、非常に細かいオブジェクト用のマップを生成する際にとても役立ちます。Blender は、たとえ 2D でも制作パイプラインに統合すべきすばらしいツールであることは間違いありません。習得にはやや時間を要しますが、全体的に見ればその他の 3D ソフトウェアよりも多くのことを解決してくれ、完全に無料です。

差し支えなければ、アートアセットの設定の最適化につながるパフォーマンス関連のヒントを教えてもらえませんか?

Ivan 氏:私たちの場合、パフォーマンスの最大の足かせとなったのは複雑すぎるパペットでした。そこで、可能な限り要素を減らして、パペットの Sprite Skin 数を減らすことをお勧めします。また、Sprite Skin Editor でできるだけジオメトリを減らしてみてください。

ライトはパフォーマンスにほとんど影響しないので必要なだけ使ってもかまいませんが、ソーティングレイヤーは必要最小限に抑えるようにしましょう。

さらに最適化を行うなら、RenderPipelineAsset の Render Scale や(ある場合は)カスタム 2D Renderer Data の Render Texture Scale を小さくしてみてください。

意欲的なビジュアルの 2D プロジェクトに携わる予定の開発者向けに他にもヒントやアドバイスがあれば教えてください。

Mika 氏:まずはできるだけ質の高いコンセプトアートを用意して、「できないことはない」というオープンな姿勢を保ちましょう。コンセプトを個々の要素に分解し、最初にすべきことと再利用できることを前もって見極めておきます。

Richard 氏:ばっちりライティングされているスプライトよりも、中間色や固有色を選ぶようにしましょう。これにより、多種多様なライティングシナリオでアセットを活用できるようになります。

マスクチャンネル(RGBA)を利用して、リムライト、サブサーフェススキャタリングSSS)ライト、環境光、エフェクトライトなど、各種ライティング情報をすべて統合しましょう。その後、シェーダーを利用すると、それぞれの要素を細かく制御できるようになります。

法線を使えばテクスチャーとグレインを表現できますが、動的な光源の近くでしか機能しないことを覚えておいてください。

今回のプロジェウトでとても心強いパートナーとなってくれた B2tGame に心から感謝いたします。Unity の 2D ツールについて詳しくは、新しい 2D ツールのウェブサイトにビデオとドキュメントをまとめていますので、そちらをご覧ください。

R&D チームへの追加の質問やフィードバックについては、2D フォーラムからお寄せください。