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Sine Wave が Unity のゲームアセットをリモートチームのためのオンラインワークスペースにした方法

2020年5月5日 カテゴリ: ゲーム | 4 分 で読めます
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世界中が感染症拡散の脅威と戦っているさなか、Sine Wave が開発していた Unity ベースのバーチャル世界がローンチの危機に陥りました。そこで同社は、急に自宅に籠もって仕事をすることになった人たちのために、3D ソーシャルハブである Breakroom を開発しました。彼らがどのようにしてそれを実現したのかをご覧ください。

このインタビューでは、Sine Wave Entertainment の Adam Frisby 氏に、同社のチームが数々の Unity ツールを活用して、在宅ワークをより楽しく、よりソーシャルなものにした方法を紹介していただきます。Breakroom は、アバター、ウェブ会議、生産性向上のためのツール、屋外エリアに、バーチャルウォータークーラーまで完備した、完全にカスタマイズ可能なオフィススペースです。私たちはこれに関心をいだき、Sine Wave(公認ソリューションパートナー)の最高製品責任者である Adam に話を聞いてみました。

Breakroom のインスピレーションについて教えてください。

多くの皆さんと同じように、開発チームはここ 2、3 か月間、完全にリモートで仕事をしていました。Unity ベースのバーチャル世界プラットフォームである Sinespace のメジャーアップデートをローンチしようとしていたところに、新型コロナウイルスによる感染症の流行が直撃しました。

社会的に孤立した状態で在宅で仕事をする方法を確保する手立てもないなど、もっと深刻な問題を抱えている人たちがいる中で、大規模なマーケティングキャンペーンを行うことは適切でも安全でもないように思えました。そこで、私たちはすぐにチームを組織し、リモートチームのためのバーチャルオフィスとたまり場である Breakroom を作りました。

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Breakroom は、私たちがすでに発売していた 3D サンドボックス型のゲーム開発プラットフォームである Sinespace と、Zoom や Slack のようなオンライン会議機能を組み合わせたものです。数週間かけて、サードパーティの技術や Unity アセットストアからコンポーネントを集めて、Breakroom を世に送り出しました。

Breakroom に搭載するツールはどのようにして決めたのですか?

開発プロセスの中で、私たちのチームはクロスプラットフォームのマルチユーザーアプリを構築するために、Unity の多くの機能を使用していました。

現実の仕事で使用するためのバーチャル世界体験を開発するということは、単に会社の物理的なオフィスの 3D バージョンを再現することではありません。少なくとも私たちの経験では、通常は最善のアプローチとはならないと言えます。Breakroom に追加した機能セットは、私たちが長年一緒に仕事をしてきた企業のお客様からの直接のフィードバックや要望に強く影響を受けています。

そこで私たちは、3D 空間にも対応したリモートワークに最も重要な機能に焦点を当て、マルチユーザーによるスクリーン共有、コラボレーション可能なホワイトボード、VOIP などの機能を追加しました。また、ウェブカメラ機能を搭載することで、リアルタイムの映像をバーチャル空間に流すことができるようにしました。その実現のために、私たち自身もさまざまなオプションを試しましたが、あまり上手く行きませんでした。この状況を打開してくれたのが、ロバストなスクリーン共有を備えた音声と動画向けの優れたソリューションを持ち、Unity アセットストアのパブリッシャーである Agora 社でした。

Breakroom を多くのデバイスや OS に対応させる中で、何を学びましたか?

VR 向けの興味深い会議システムやオンライン作業システムは数多くありますが、そのほとんどは、対応しているヘッドマウントディスプレイ(HMD)を所有しているリモートワーカーのみがアクセスできるようになっています。一方、私たちの経験では、リモートチームは PC、Mac、モバイルなど、さまざまなデバイスで作業を行うことがあります。私たちはすでにクロスプラットフォームに対応していますが、どのデバイスのユーザーでも連携して作業できるようにするためには、少し配慮が必要でした。また、Windows 以外のプラットフォームで作業する場合は、問題が潜んでいることが多いので、テスト時間を余分に確保する必要があることも学びました。

もう 1 つの大きな課題は、何かを統合する前にクロスプラットフォームの互換性があるかどうか、依存関係をチェックすることです。素晴らしいものを統合したのに、一部のプラットフォームでしか動作しないことがよくあります。事前に注意を払うことで、多くの時間を節約することができます。良いニュースは、Unity 独自のコア機能がすべてのプラットフォームで堅牢であるということです。おかげで Unity が対応しているプラットフォームでは、ほぼすべての昨日が問題なく動作しました。

どうして Breakroom のすべてのコンテンツをそのように素早く実装することができたのでしょうか?

Breakroom の開発と立ち上げをこれほど迅速に行うことができたのは、Sinespace のクリエイターコミュニティのおかげです。このコミュニティではこの 2、3 年にわたり、コンテンツの開発とライブなバーチャル世界へのアップロードが行われ、また、あらゆるクリエイターが自分たちのコンテンツを Sinespace の中で直接販売したり、ライセンスしたりできるようになっています。

これらの素晴らしいクリエイターの中には、アセットストアで高品質な低ポリゴンコンテンツを開発、販売している Synty Studios がいます。同社は、自身の保有する大量のモデルを組み合わせて、目の前の建物の上にキングコングのような巨大なゴリラがいるなど、様々な建築物や驚きのある幻想的な「都市広場」エリアを素早く作り出しました。

私たちの考えでは、効果的なオンライン作業スペースを作るということは、シェアされた 3D 世界の中で物理的なオフィスで使っているのと同じツールを使えるということだけでなく、チームがクリエイティブな表現を快適に行えるように、楽しく歓迎されているように感じる空間にすることが重要だと考えています。他のクリエイティブチームから、リアルなものからスタイル化されたものまで、様々なテーマのコンテンツパックが提供されていますが、これらはクライアント内のマーケットプレイスで補完することも可能です。

また、Synty の低ポリゴンモデルを採用したことで、モバイルタブレット、VR ヘッドセット、ローエンドの PC や Mac など、かなり低スペックのハードウェアでも Breakroom を簡単に動作させることができるようになりました。

プロジェクトの次の課題

最初の顧客を獲得したり、モバイルクライアントのベータ版を展開したりする準備をしながら、Breakroom の微調整とアップデートを続けています。無料の Mac/PC デモをご覧になったり、コメントでご意見をお寄せいただいたりできれば幸いです。

2020年5月5日 カテゴリ: ゲーム | 4 分 で読めます

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