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トヨタが Unity と Microsoft HoloLens 2 で実現した複合現実の魔法

, 9月 8, 2020

世界最大級の自動車メーカーにおいて、Unity と HoloLens 2 がプロセスを合理化し、関係者の理解度を深め、時間を節約するために欠かせないツールになった経緯をご紹介します。

トヨタ自動車の基本理念の 1 つに「カイゼン(継続的改善)」があります。生産設備と作業手順の両方において、カイゼンは品質の最大化、効率化、無駄の排除を追求しています。

トヨタは、このような改善を実現するためによくテクノロジーを活用します。また、同社はデジタルエンジニアリング用の 3D データを早くから採用した企業でもあり、後にはリアルタイム 3D テクノロジーを採用しました。トヨタは、自動車のライフサイクル全体にわたって、Unity のリアルタイム 3D 開発プラットフォームをさまざまな方法で使用しています。

トヨタのバーチャル空間を活用した取り組みは、まず PiXYZ を使って車両データを Unity にインポートすることから始まります。このプロセスでは、トヨタの大規模な CAD(コンピューター支援設計)アセンブリを、リアルタイム 3D に適した軽量なコンテンツに素早く変換します。

バーチャルリアリティ(VR)でトレーニングセッションを行ったり、同社の高級車ブランド「レクサス」向けに驚くほどリアルなカーコンフィギュレーターを作成したり、数日かかっていた検査のワークフローを HoloLens を活用して数時間に圧縮したりと、同社は Unity を使ってニーズに合わせたアプリケーションを開発し、さまざまなプラットフォームに展開しています。

HoloLens 2 と Unity を活用した継続的改善の推進

トヨタは、Unity を使って、自動車の生産工程全体でマイクロソフトが提供する革新的なデバイス向けに、複合現実アプリケーションを作成し、評価してきました。当然のことながら、同社のチームは、マイクロソフトのウェアラブルなホログラフィックコンピューターの次世代機である HoloLens 2 にも、複合現実の機能を拡張したいと考えていました。

下の動画は、トヨタで自動車のデジタルエンジニアリング向け複合現実プロジェクトリーダーを務める栢野浩一氏の講演を収録したものです。この講演では、当時進められていたいくつかの概念実証事例が紹介されています。Unity と、マイクロソフトの新しい複合現実デバイスが、トヨタが設計、製造、フィールドサービスにおけるさまざまな側面でカイゼンを達成するのにどのように役立っているかをご覧ください。

複合現実がトヨタのカイゼンをどのように実現するか

HoloLens 2 を装着したトヨタ自動車デジタルエンジニアリングの複合現実プロジェクトリーダー、栢野浩一氏

トヨタでは時間の節約、コスト削減、効率の向上のために実にさまざまな手法が取り入れられていますが、ここではそのうちの一部を紹介します。

数値流体力学(CFD)解析のための設計レビューの改善

従来は困難な作業であった CFD 解析が、複合現実の力でより簡単になりました。トヨタは、Unity と HoloLens 2 を使用して、車両の CFD 解析をリアルタイムでキャプチャして表示することで、設計レビュープロセスを合理化しています。

ユーザーは、静止した車両の周りを回ることで、そのデザインが空力にどのように影響するかをシミュレーションして分析することができます。また、複数の HoloLens 2 デバイスを使用することで、トヨタのチームは互いの視界を共有して、レビュープロセス中のコミュニケーションやコラボレーションをより良いものにすることができます。

Unity と HoloLens 2 を使用して、トヨタは車両の CFD 解析をリアルタイムでキャプチャして表示している。

車両機能の理解を深める

マイクロソフトの Spectator View を使って、トヨタのチームはモバイルデバイスで HoloLens 2 のユーザーが見ているものを表示することができる

車両が組み立てられたら車両内に隠れた機構の機能を説明することは困難になります。走行中における車両の機能となれば、その説明はさらに難しくなります。

HoloLens 2 と Unity を使用することで、ユーザーは「動いている」乗り物の中を移動してその内部の動きを検査できるようになり、これまで不可能だった作業が簡単かつ安全に行えるようになりました。

ユーザーは複合現実を使って、発進時、加速時、減速時の車両の動作を確認することができる

機械学習を用いた検査時のヒューマンエラーの低減

ヒューマンエラーの可能性は、たとえ熟練した技術者であっても常に存在します。ラジエーターキャップの緩みなどの単純な不具合は、すぐに発見して修正しなければ、重大な事故につながります。

機械学習、Unity、および HoloLens 2 を活用して、通常の検査では見落としがちな不整合を認識し、修復するよう、エンジニアをガイドするようになります。

トヨタのチームは、複合現実を活用することで人間の目では見落としてしまうようなミスを簡単に見つけることができる。ここで示した例では、HoloLens 2 がオイルレベルゲージの取り付けミスを検知し、それを赤い文字でハイライト表示している

以前はヒューマンエラーを減らそうとすると、多くの人手が必要でした。先ほどの例に示したような単純なミスを認識できる機械学習モデルを Microsoft Azure 上で訓練するためには、トヨタのチームは 2 万枚の写真を撮影し、200 時間かけてその写真に手作業で写真にアノテーションを付与する必要がありました。

手作業によるアノテーション付与はトヨタにとって時間のかかるプロセスであり、AI システムが正確に不具合を検出するためには、数万枚の写真にラベルを付ける必要があった

トヨタは、Unity を使って、車両やボンネット下のボディパーツの 3D モデルを作成し、3D 空間でモデルの位置を変化させ、ラベル付けされた大量の画像を自動的に取り込み、機械学習モデルを学習させました。

Unity で制作したトヨタ車のバーチャルモデル

トヨタは、Unity を使用して画像を自動的にキャプチャしてタグ付けし、ボディパーツ装着後の不具合を認識する機械学習モデルのトレーニングを行った

従来のワークフローが 200 時間かかっていたのに対し、このアプローチでは、自動でラベル付けされた画像の必要量をわずか 30 分で生成することができるようになり、400 倍のスピードアップが実現しました。この合成データは、機械学習モデルのトレーニングにおいても、手動でアノテーションを付与した写真を使った場合と同等の効果があることも証明されました。トヨタにとっては、このような時間とコストの削減は、カイゼンの理想的な実践例です。

フィールドサービスのミスを減らす

HoloLens 2で電気配線システムを検査する

車両を意図した通りに動作させるためには、適切な電気配線を構成することが重要です。しかし、完成した車両のコネクターの位置とピンの割り当てを検査することはものすごく困難です。

トヨタのチームは、2 次元の図面に頼らず、エンジン、ドア、ダッシュボード、あるいは車のその他の部分についても、必要に応じて内部の 3 次元的な電気配線図全体を可視化することができるようになりました。これにより、トヨタのフィールドサービスエンジニアは、物理的な部品を取り外す手間と時間をかけずに、背景を踏まえた理解を得ることや、配線システムの位置を可視化することができるようになりました。

トヨタのフィールドサービスエンジニアは、車両内部の 3 次元的な電気配線図全体を可視化することができる

また、トヨタは Dynamics 365 の複合現実アプリケーションを、他の 2 つのユースケースで活用しています。

フィールドサービスでの遠隔支援を可能にする

グローバル企業であるトヨタは、いろいろな場所にいるフィールドサポートエンジニアと専門家を繋ぐ必要があります。これには多くの課題があり、また、効果的なコラボレーションやトレーニングの妨げになる要素も含んでいます。

HoloLens 2 と Microsoft の複合現実による遠隔コラボレーションツールである Dynamics 365 Remote Assist を使うと、複数の参加者が場所に関係なく、同じ視点を共有し、コミュニケーションやコラボレーションを行うことができます。このソリューションにより、遠隔地にいるスタッフは、作業の点検、教育、フィールドエンジニアのトレーニングを行うことができ、時間とコストを大幅に節約し、全体的な成果を向上させることができます。

トヨタは、HoloLens 2 とマイクロソフトのコラボレーションツールを使用して、オフサイトの専門家と遠隔地にいるサポートエンジニアをシームレスに接続する

フィールドガイダンスアプリケーションの作成をより簡単かつ迅速に

トヨタのサービスエンジニアが効果的に修理を行うためには、ステップバイステップのチュートリアルが不可欠ですが、マニュアルの作成には時間とリソースがかかります。以前は、デジタル版の作業手順書アプリを作成するには、最大で 10 日かかり、オンサイトの CG エンジニアの手を借りる必要がありました。

マイクロソフトのバーチャルトレーニング、パフォーマンス、およびインストラクション向けソリューションである Dynamics 365 Guides を使用することで、同じ作業を 90% 短縮し、わずか 1 日で完了することができるようになりました。この自動化されたプロセスにより、基本的なトレーニングを受けた人であれば、詳細な指示やガイダンスを通じて必要なアプリケーションを作成することができ、プログラマーは他の作業に集中することができるようになりました。

Dynamics 365ガイドにより、自動車修理のトレーニングコンテンツ作成に必要な工数を90%削減

こちらの動画をご覧いただき、Unity で HoloLens 2 開発を行うツールに関する詳細をご確認ください。

Unity は、拡張現実とバーチャルリアリティアプリケーションに向けたコンテンツを作成するための主要なプラットフォームです。すぐに取りかかってみたい方は Unity Pro と PiXYZ のサブスクリプションにご登録ください。皆様のビジネスに合ったソリューションをお探しの方は、こちらのページをご覧ください。

このブログ記事は Unity Technologies が作成したものであり、トヨタ自動車株式会社はその内容について責任を負いません。

2 replies on “トヨタが Unity と Microsoft HoloLens 2 で実現した複合現実の魔法”

HoloLens 2 would be impossible without the technology incorporated by Microvision. They have the most advanced Lidar capabilities and are looking for a buyer to take over.

Hi,
Please drop me email, we would like to understand your tool and study the feasibility of your tools fitment for Tata motors VR project.

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