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2021 年の AEC 業界を形作るトップトレンド

2020年11月24日 カテゴリ: Industry | 4 分 で読めます
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Unity がお届けする新しいレポート「Top 2021 Trends: Architecture, Engineering, and Construction」において、業界の専門家が 2021 年以降の業界を形作る 15 のトレンドに関する情報を提供してくれています。

建築、エンジニアリング、建設(AEC)業界は、歴史的に変化のスピードが遅い業界です。例えば、マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、建設業の生産性は過去 20 年間にわたり、毎年 1% しか成長していないということです。しかし、これは 2020 年以前の話です。COVID-19 は AEC 業界に直ちに影響を与え、しかもその影響は将来にわたって残るものと思われます。

企業は、建物のライフサイクルのあらゆる部分を変化させた新しいスタイル(ニューノーマル)に適応しなければなりません。例えば、リモートワークによって、企業はコミュニケーション、コラボレーション、創造のための新しい方法を見つけることを余儀なくされています。2020 年はもうすぐ終わろうとしていますが、2021 年はさらに多くの変化が起きる可能性を秘めています。

私たちは「AEC の将来を形作るものは何か」を捉えるために業界の専門家に話を聞き、 新たに「Top 2021 Trends: Architecture, Engineering, and Construction」のレポートを制作しました。この記事の残りの部分では、レポートから、2021 年の業界を定義するトップトレンドを説明する 3 人の人物から寄稿された内容をご紹介いたします。

 

完全版のレポート(英語)を読む

5G を使った XR が既存の建設/建築分野におけるデジタルデータの隠れた価値を解き放つ

AEC 業界の設計プロセスは、過去数十年の間に伝統的な手書きスケッチから、コンピュテーショナルな 3D モデリングへと進化してきました。しかしながら、私たちが扱う設計図面は大幅にデジタル化されたにも関わらず、現代のワークフロー自体のデジタル化は信じられないくらい限定的です。統計によると、近年、BIM を含むデジタルモデルは、計画、設計段階でのみ使用され、建物のライフサイクルの中でより大きな割合を占める建設、運用段階へそれらのモデルを引き渡すことはほとんど行われていません。

2021 年には、5G の導入拡大と XR の性能向上により、モバイルデバイスからクラウドへのアクセスを可能にすることで、洗練された 3D モデルをオフィスの外に持ち出せるようになります。拡張現実(AR)と連携して、3D モデルを現実世界においてあたかも「そこにあるように可視化する」ことによって、品質保証・品質管理(QAQC)、パブリックエンゲージメント、施設メンテナンスなど、従来、紙ベースのワークフローに依存していた多くの現場作業の効率と正確性を向上させることができます。

2 つの技術を組み合わせることで、既存の建設/建築分野におけるデジタルデータのユーザビリティを拡張することができ、高品質なモデリングをより費用対効果の高い選択肢にすることができます。また、適切な UX デザインがあれば、オフィスと現場、それぞれの場所にいるグループ間で効果的なリモートワークモデルを実現することも可能です。リモートワークモデルが世界的なトレンドとなる中で、XR が次世代のヒューマンインターフェースの中核をなす可能性があることを認識すべきです。

- Yuan-Po Li 氏(AECOM 社 Immersive Lab リード)

デジタルツインやデータへのアクセス性の向上

デジタルツインとは、時系列のコンテキストとパフォーマンスのデータをフル活用して過去を理解し、直接的なデータと間接的なデータを使って現在の状況を分析し、機械学習と知識を適用して未来を予測して行動するものです。デジタルツインをライフサイクル全体で活用すると、データを作り、活用し、それを元に意思決定を行っていく、デジタル情報を使った一連の流れが形成され、企業全体の関係者に透明性と強化されたコミュニケーションをもたらします。

将来のトレンドは次のようになると予測されます。

  • 継続的な技術の進化がデジタルツインの民主化を支え、新たに参入するユーザーにもデジタルツインの制作が可能になる。
  • AR/VR 機器のコストが低減して、技術がよりアクセスしやすいものになることで、より多くのユーザーがその技術を採用できるようになる。その結果、新しい方法でデジタルツインを閲覧したり、操作したりできるようになり、まったく新しい知見や理解が育まれる。

ユーザーがデジタルツインを制作できるようなプラットフォーム、すなわち、異なる種類のシステムから出てくるデータを 1 つのインタラクティブなビジュアライゼーションにまとめ、ライフサイクルやプラットフォームの違いを超えてユーザーに合わせた変更を加えることができ、それによって新しい知見を生み出すことのできるプラットフォームへの移行が進むと考えられます。

- Sandra Marshall 氏(Booz Allen Hamilton 社チーフテクノロジスト)

リアルタイム AEC ツールのコモディティ化

何年ものテストを経て上手くいくもの、上手くいかないものを選り分けるテストを行ってきた結果、ゲームエンジン向けに特別に作られたリアルタイム 3D ツールを使って、顧客に提供するものをコモディティ化し、AEC のリアルタイムツールを「日常のビジネス」にすることが可能になりました。これにより、AEC でリアルタイムを使用するというビジョンを持っていた人たちがずっと期待していた、大幅な時間とコストの削減を実現することができます。

さらに、特に VR ではハードウェアの成熟が進んでおり、アクセシビリティが向上し、リアルタイムツールを使用するための参入障壁が低くなっています。今では、デザイナーがヘッドセットを机の上に置いて、デザインツールとリアルタイムエンジンをワンクリックで接続することが可能になっています。

- Murray Walker 氏(Zutari 社インタラクティブビジュアライゼーション担当エンタープライズリーダー)

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残りの内容は、完全版の「Top 2021 Trends: Architecture, Engineering, and Construction」をご覧ください。また、リアルタイム 3D が建築物の設計、建設、運営の方法をどのように変えているかについては、Unity のウェブサイトでご覧いただけます。

2020年11月24日 カテゴリ: Industry | 4 分 で読めます

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