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Valerio Dewalt Train がデンバーの新たな景観を Unity Reflect で実現

, 10月 8, 2020

AEC

Valerio Dewalt Train はデンバーの空の景観を変えうる建設予定の 36 階建の高層ビルを、その建設前に現場で原寸大で見ることのできる拡張現実(AR)アプリケーションをわずか 4 週間で開発しました。

1994 年に設立された Valerio Dewalt Train 社は、50 人余りの従業員を擁し、オフィスをシカゴ、パロアルト、サンフランシスコに構える、米国で著名な建築設計事務所です。この企業は幅広い産業分野にわたって仕事をしており、教育機関、一般大企業、リテール、エンターテインメント、サービス業、デベロッパーなど、多岐にわたり、同社の顧客リストには、Google、Adobe、カリフォルニア大学、シカゴ大学、Northwestern Mutual などが名を連ねています。同社は、建築業界誌 Architect Magazineの「Top 50 Design Firms」にランクインするなど、業界関連の受賞歴も複数有している企業です。

Valerio Dewalt Train は、コロラド州デンバーにある 36 階建て、高さ 390 フィート(約 119 メートル)の Bell Tower と、Bell Park Office Building の設計を担当しました。デンバー市にとって、タワーの位置と大きさは重要なポイントです。Valerio Dewalt Train 社は、このタワーがデンバーの景観にどのように映るかを可視化し、タワーのデザインがなぜこの様になっているのかをデンバー市郡に対して説明する必要がありました。

Valerio Dewalt Train 社は、タワーのデザインを見せるために、リアルタイム 3D を使用して建物を現地に配置することに重点を置きました。これを実現するために、同社は拡張現実(AR)を応用して、現場で原寸大のモデルを現実の風景の中に表示するアプリケーションを開発するために、Unity Reflect を採用しました。アジャイルな開発プロセスを採用したこともあり、Valerio Dewalt Train 社は 4 週間もかからずにプロトタイプを構築することができました。

プロトタイプの構築

 

現場でタワーの位置を特定するというアイデアは、建物へのアクセシビリティの必要性に基づいたものでした。建設現場は湾を挟んだ堤防の上にあるため、Valerio Dewalt Train のチームは、タワーをどの離れた場所からでも見ることが出来るようにする必要がありました。AR でアプリケーションを作成したことで、空間の大きさや感じ方をスケール感を持って理解することができました。

「設計者としては、建物の設計変更の工程において、あるバージョンからその次のバージョンに変えたときに、ひどく印象が違うと感じることがあります。原寸大スケールで建物のイメージを表示できる AR アプリケーションを使えば、設計変更を繰り返している中でクライアントと一緒に現場調査を行い、リアルタイムでフィードバックを得ることができます」と、Valerio Dewalt Train 社のマーケティングディレクター兼リード XR 開発者の Adam Farooq 氏は言います。「設計変更プロセスの数を減らし、QA/QC を行うことで、手戻り作業にかかる費用を大幅に削減することができます。」

このプロジェクトの目的は大きく分けて 3 つありました。

  • AR のためのライブなリアルタイムアプリケーションの開発
  • 設計イメージを現場で表示して見せることで、設計と建設にかかる時間を短縮
  • チームや利害関係者とのコミュニケーションを加速させる

「Unity Reflect を選択した理由は、Revit、Navisworks、Rhino、SketchUp など、私たちがすでに使用しているソフトウェアとの連携があり、オリジナルのモデルとライブ接続しながら、クライアントや共同作業者が AR や VR でリアルタイムに変更を確認できるからです」と Farooq 氏は述べています。

なお Valerio Dewalt Train 社のプロダクトチームの残りのメンバーは、プリンシパルの Stephen Droll 氏、建築デザイナー兼 XR 開発者の Ian Curtis 氏、建築デザイナーの Stephen Shatswell 氏、グラフィックデザイナー兼 UX デザイナーの Jacob Goble 氏、コミュニケーションマネージャーの Francisco Lopez de Arenosa 氏です。

カスタマイズ性と現場での位置合わせ

 

建物をフルスケールで表示し、好きな場所に変更を加え、現場で即座に確認できるようにするには、さまざまな方法があります。1 つは画像ベースのトラッキングを行う方法で、これは SHoP Architects が 9 DeKalb のプロジェクトで実装した方法です。もう 1 つの方法は、Mapbox のシングルトンパターンクラスを使ってリアルタイムアプリケーションを拡張することです。これにより、リアルタイムアプリケーションが現場で位置が特定された新しい場所に建物を配置できるようになります。

Mapbox を使用して、複合施設を現場に配置する機能は実現できましたが、Valerio Dewalt Train 社のチームは、同社のブランドガイドラインを満たす AR アプリケーションを必要としていました。他社ブランドと区別してもらえるように、チームは同社のイメージカラーであるオレンジのカラースキームに合わせて UI をカスタマイズすることから始めました。

このアプリケーションは主にモバイルで使用される見込みだったので、Valerio Dewalt Train 社のチームは、画面で建物を表示する領域をできるだけ大きくできるようにボタンをメニューに包み込み、またメニューボタンをクリックしやすいようにより大きいものに修正しました。最後に、オブジェクトのフィルタリングを行う際に、オブジェクトをより見やすくするために線画を非表示にし、画面を見やすくしました。

「初めてアプリを開いて原寸大のタワーを目にした時は息を呑みました。皆さんも、一度ご覧になれば目を輝かせることでしょう。率直に『ああ、このビルは巨大だな』と感じることができます」と Farooq 氏は言います。「地上から、これがデンバーのほとんどの人が見るであろう光景か、と思いながら建物を見上げるのは、実に特別な体験です。」

アプリケーションをカスタマイズして作り直すことで、建築関係者は Unity Reflect の可能性に気づきました。開発開始から完了までわずか 4 週間で、Valerio Dewalt Train 社のチームは現場で使える原寸大スケールの AR アプリケーションを作成することができたのです。

すぐ使えることを考える

Unity Reflect はカスタムアプリケーション開発だけに使用されるだけではありません。BIM 設計や調整といった問題をボタンクリックだけですぐに解決できるソリューションが欲しい人向けには、スタンドアロンのアプリケーション体験も提供しています。

Valerio Dewalt Train 社のアーキテクチャチームは、すぐに使える機能を利用するために、Revit、Rhino、SketchUp のモデルを Unity Reflect を使ってリアルタイムの 3D に取り込む作業を行いました。チームはわずか 5 分で、シカゴの Godfrey Hotel とデンバーの Edison at RiNo アパートメントのモデルを Unity Reflect に取り込み、AR で表示することができました。

Valerio Dewalt Train 社におけるイノベーション

ライブなリアルタイム AR アプリケーションの作成は、Valerio Dewalt Train 社にとってのスタート地点に過ぎませんでした。この AR アプリケーションをきっかけに、建築の未来や、AR が Valerio Dewalt Train 社にとって何を意味するのか、そして同社が建築業界のイノベーションの最前線にあり続けるにはどうすればよいのかについて、同社内でさかんに議論が交わされるようになりました。

Valerio Dewalt Train 社では、Unity Reflect を使用して、実世界のスケールの太陽シミュレーション、インタラクティブデザインの研究、衝突検出、デザインコミュニケーションなどに向けたさらなるアプリケーションのテストと開発が計画されています。

独自のカスタムアプリケーションの構築にご興味がある方は、オンデマンドのウェビナーシリーズ「AEC Digital Series」にて、専門家によるチュートリアルが提供されておりますので、ぜひチェックしてください。

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