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Chrome OS 向けビルドおよび移植機能

2021年6月24日 カテゴリ: Engine & platform | 6 分 で読めます
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Unity 2021.2 ベータ版から、Android タイトルを Unityの Android 開発環境で Chrome OS 向けにビルドしたり、移植したりすることができるようになります。

このたび、Google 社との連携により、Chrome OS を Android の開発環境に統合することになりました。Unity 2021.2 以降、新規および既存の Android アプリケーションに Chrome OS の機能を追加できるようになります。今年の後半には、Unity 2021.1 と Unity 2020 LTS にも Chrome OS のサポートを追加する予定です。Unityは、x86、x64、および Arm で動作する Chrome OS をサポートします。

Chrome OS は、ラップトップ・PC 市場で最も急速に成長しているセグメントであり、2020 年には前年比 100% 以上の成長を遂げ、2020 年の 12 か月間で 3,000 万台以上の Chromebook が出荷されています。今年の第 1 四半期ですでに 1,100 万台が出荷されました。Chrome OS は、教育現場での利用や家庭での気軽な利用に特に適しているため、Chromebook は自らのモバイルゲームのユーザーを広げる大きなチャンスを秘めたプラットフォームです。Android ユーザーがどんどん Chromebook を選ぶようになれば、このプラットフォームは Android 開発者にとっても見逃せないものとなるでしょう。

Chrome OS をはじめよう

Editor screenshot configuration

Chrome OS 関連機能は Android 開発環境に含まれているので、エディターで複数のプラットフォームを管理する必要はありません。また、Chrome OS のサポートは、チェックボックスにチェックを入れるだけで簡単に行うことができます。まず、「Build Setting」で「Android」を選択してください。そこから、プレイヤーの設定で Chrome OS 用にビルドするかどうかを選択できます(上の画像参照)。Chrome OS のアーティファクトを同じプロジェクトとビルドターゲットからビルドできるようにすると、コードの重複が減り、公開のためのパイプラインが効率化されて便利です。

キーボードとマウスへの対応

Chromebook のキーボード、マウス、タッチパッド、およびゲームパッドへの対応について、開発者には 2 つの選択肢があります(タッチ入力が可能な Chrome タブレットや Chromebook では、Android タイトル向けのタッチ操作が引き継がれます)。デフォルトのオプションでは、Chrome OS がこれらの入力イベントをタッチスクリーンのイベントにマッピングするので、既存の Android 用の入力コードが変更なしで動作します。また、Unity の入力システムを使って独自の入力制御をプログラムすることもできます。より良いユーザー体験を実現するためには、独自の入力制御を書くことをお勧めします。これにより、マウスの位置情報の更新を利用したり、タッチパッドや右クリックのイベントを作成することができます。独自の入力制御を書くときは、Android プレイヤーの設定で「Chrome OS Input Emulation」のチェックを外します。

ウィンドウの管理

Android 端末とは異なり、Chrome OS 端末はマルチウィンドウに対応しており、従来のモバイル端末とは異なるアスペクト比を持つことができます。Unity は、タブレットや Chromebook 向けに、Android と同じマルチウィンドウ機能をサポートしています。対応しているウィンドウ制御のタイプは以下の通りです。

  • フリーフォームモードのウィンドウとフルスクリーンモード:従来のデスクトップ環境と同様に、ウィンドウの移動、サイズ変更、最小化または最大化が可能です。
  • 分割画面モード:Unity アプリにフォーカスがある状態で画面がスリープ状態になると、デバイスがスリープ状態から復帰した時、Unity アプリのみが表示されるという既知の問題があります。
  • 現在、ピクチャーインピクチャー機能には対応しておりません。

プロファイリングとパフォーマンスの最適化

Chrome OS デバイスのパフォーマンスや機能にはばらつきがあります。そのため、どの Chromebook でゲームが実行されても、ユーザーに素晴らしい体験を提供できるようにするには、プロファイリングとパフォーマンスの最適化が不可欠です。

Unity のプロファイラーを使ってプロファイリングすることもできますし、Android のデバイスプロファイラーを使うこともできます。x86 および x64 ベースの Chromebook の場合は、Intel のプロファイラー を使用することをお勧めします。

Google Play での公開

Laptop with Google play

Chrome OS の公開ワークフローとマネタイズシステムは、Android と共通です。つまり、アプリ内課金、広告、またはその両方を使用したタイトルであっても、Android と同じように収益化することができるのです。これは、モバイルゲームのパブリッシャーにとっては、新たな顧客層へのアクセスが容易になるという点で、素晴らしいニュースです。実のところ、画面サイズが大きいために Chrome OS ユーザーはよりプレイセッションが長いタイトルにより惹きつけられる傾向があることが分かっています。

Chrome OS のタイトルは Play ストアで扱われているので、ユーザーは Android でゲームを始めて Chrome OS で続きをプレイするなど、クロスプラットフォームで楽しむことができます。さらに、フレンドリストやクロスプラットフォームのマルチプレイヤーゲームは、2 つのプラットフォーム間でシームレスに動作します。

今後の予定

Chrome OS 関連機能を試してみるには、Unity 2021.2 ベータ版をダウンロードしてください。また、ドキュメントページもご覧ください。試した後は、フォーラムにフィードバックをお寄せくだされば幸いです。皆さんのフィードバックから、上手く動いている部分を把握できますし、皆さんが遭遇したバグや機能面での問題を見つけることができます。今後追加されるコンテンツや、Unity 2021.1 と 2020 LTS 向けの Chrome OS に関する将来のリリースにもご注目ください。

2021年6月24日 カテゴリ: Engine & platform | 6 分 で読めます

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