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アワードシーズンに大当たりを飛ばす『アバター』

2023年2月14日 カテゴリ: Industry | 6 分 で読めます
Kiri in 20th Century Studios' AVATAR: THE WAY OF WATER. Photo courtesy of 20th Century Studios. © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
Kiri in 20th Century Studios' AVATAR: THE WAY OF WATER. Photo courtesy of 20th Century Studios. © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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ジェームズ・キャメロン監督の第 3 作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』 は、興行収入 20 億ドルを突破し、歴代 4 位(執筆時点)の興行収入を記録しています。

まだジェームズ・キャメロン監督最新作の世界に入り込んでいない人も、ニューヨーク・タイムズが「視覚的な魅惑」と呼んだ、あらゆる記録を破っていくこの作品をいつか目にすることになるでしょう。

この作品がすでにクリティックス・チョイス・アワードの最優秀視覚効果賞を受賞し、VESアワードにも過去最高となる 14 部門でノミネート(これまで記録を保持していたオリジナルの『アバター』よりも 3 部門多い)されていることは驚くに値しません。直近では、3 月 12 日に授賞式が行われるアカデミー賞において、作品賞、プロダクションデザイン賞、音響賞、視覚効果賞の 4 部門でノミネートを獲得するという栄誉を受けました。

 

(L-R): Lo’ak (Britain Dalton) and a Tulkun in 20th Century Studios' AVATAR: THE WAY OF WATER. Photo courtesy of 20th Century Studios. © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
20 世紀スタジオ作品『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』から、ローク(ブリテン・ダルトン)とトゥルクン。画像提供:20 世紀スタジオ。© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

Unity と Wētā Digital

アバター』シリーズの第 2 作において、パンドラの世界に命を吹き込むために、多くのツールやソリューションが使用されました。その多くは、現在は Unity の一員となっている Wētā Digital が提供するものです。

Concept art from 20th Century Studios' AVATAR 2. Photo courtesy of 20th Century Studios. ©2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.
20 世紀スタジオ作品『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のコンセプトアート。画像提供:20 世紀スタジオ。© 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

Unity と Wētā Digital は共に、これらのコンテンツ制作ツール(その一部は、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の他、2023 年のオスカー賞ノミネート作品でも使用されています)を、開発者、アーティスト、コンシューマークリエイター、そしてこの記事をお読みになっている皆さんの手に届けるための取り組みを続けており、その最初の成果が今年リリースされます。

「Unity と Wētā Digital なら、あらゆる業界のあらゆるアーティストが、この信じられないほど創造的で強力なツールを活用できるようにする道を開くことができます。意欲的なクリエイターに Wētā Digital のテクノロジーへのアクセスを提供するということがすなわち、ゲームチェンジャーであり、Unity はまさにこのビジョンを実現しようとしている会社です。」- Wētā Digital 会長兼共同創設者、Peter Jackson 卿(2021 年の FXGuide での講演より)

(L-R): Jake Sully (Sam Worthington) and Neteyam (Jamie Flatters) in 20th Century Studios' AVATAR: THE WAY OF WATER. Photo courtesy of 20th Century Studios. © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
20 世紀スタジオ作品『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』から、ジェイク・サリー(サム・ワーシントン)とネテヤム(ジェイミー・フラッターズ)。画像提供:20 世紀スタジオ。© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

Wētā Tools

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のビジュアルエフェクトの制作に使用された Wētā Tools には、Barbershop、Loki、ディープコンポジション(Deep Comp)、Lumberjack、Manuka、Eddy があります。私たちのチームは、今後数年の間に、これらのツールをお客様にお届けする予定です。それぞれについて簡単にご紹介します。

「『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の野心的な制作によって、Unity Wētā Tools はテクノロジーとアーティストリの間で、これまで前例のないほど理想的なバランスが取れたツールへと昇華しました。成果物のビジュアルのスケーラビリティと品質をまったく新しいレベルに引き上げたんです。」- Wētā Digital x Unity プリンシパルリサーチエンジニア、Alexey Stomakhin

Barbershop

Barbershop では、アーティストがプロシージャルとアーティストガイドのツールを組み合わせてグルーミングワークフロー全体を作成・編集し、シミュレーションに対応したモデルを作成することができます。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』では、ナヴィ族の複雑な編み込みをサポートするために、Loki を使って水や風などの動的な環境と合わせてシミュレーションを行っています。

Loki

Loki は、髪、布、水、火、煙など、さまざまな現象とその相互作用を物理ベースでシミュレーションするためのフレームワークです。また、シミュレーション結果を空間的な変化を反映しつつロスレスで行う形でのレンダリングで合成できる、強力なコンポジットグラフを提供します。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』では、大きな水しぶき、水中の泡、あぶく、キャラクターの皮膚とのリアルな相互作用など、水エフェクトのシミュレーションの大部分で Loki が使用されました。

ディープコンポジション

アバター』のストーリーテリング体験を高めるため、ディープコンポジションツールを使って、あらゆるシーンでより優れた奥行き知覚を実現しています。深度データを追加することで、オブジェクトとエフェクトを別々にレンダリングしたり、異なるレンダラーからの要素をオクルージョンに影響を与えることなく合成することができます。

Lumberjack

Lumberjack は木や植物を生成・操作するためのツールです。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』においては Loki と組み合わせた形で活用され、幻想的な水や植物のエフェクトを作り出しました。

Manuka

Manuka は物理ベースのプロダクションレンダラーで、高画質で複雑な画像を、大きなメモリ問題を発生させることなく、同じパスで簡単かつ迅速にレンダリングすることが可能です。

Eddy

Eddy は、Nuke の内部でリアルなガス現象をシミュレートし、コンポジション中に煙、火、蒸気、爆発などをインタラクティブに制御するためのプラグインです。『アバター 2』の様々なシーンの企画段階で使用されました。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の他にも、Unity Wētā Tools と Ziva VFX は、『 Black Panther: Wakanda Forever』、『The Batman』、『The Sea Beast』など、アカデミー賞にノミネートされたプロジェクトで使われています。Eddy やディープコンポジションツールのベータ版プログラムにご関心がある方は、こちらからご登録ください。

2023年2月14日 カテゴリ: Industry | 6 分 で読めます

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