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2021 年へのロードマップ:Unity でのビジュアルスクリプティング

2021年2月4日 カテゴリ: Engine & platform | 4 分 で読めます
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先日、2021 年に向けたロードマップを発表しました。ブログでは、ロードマップで掲げた目標に向けて活動しているチームを紹介しています。チーム紹介シリーズの第 4 回となる本記事では、ビジュアルスクリプティングチームをご紹介します。

Unity は昨年公開した 2021 年に向けたロードマップにて、本年に優先して取り組む内容を提示しています。ロードマップについて紹介したブログ記事の公開以来、皆様から貴重なフィードバックを頂き、私たちは正式版としてリリースした機能のアップデートや、重要な機能を新しくお届けするための取り組みをこれまで以上に強化しております。それだけではなく、ワークフローやエディターを使った開発時の体験の改善にも着実に取り組んでまいります。

私たちがこのロードマップに書かれたことをどのように実現させていくかについて、ユーザーの皆様と話し合っていくことが重要です。そこで、私たちのプロセスの舞台裏をご覧いただくことで、Unity がどのようにしてクリエイターの力になろうとしているのかをより深く理解していただけるようにしたいと考えています。

本記事にはビジュアルスクリプティングチームの開発マネージャー Adam Blahuta とテクニカルリードの Theo Richart が登場します。彼らの話してくれたことが、ビジュアルスクリプティングとは何か、そしてなぜそれが 2021 年の Unity の 6 つの最優先事項のうちの 1 つとなっているのかを理解するのに役立つでしょう。

Warhammer: Underworlds Online』をプレイしたことがある方は、ビジュアルスクリプトが使われている例をすでに目にされています。ビジュアルスクリプティングは、コードを書かずにゲームやアプリのロジックを作成するためのワークフローとお考えください。このワークフローでは、ノードベースのビジュアルなグラフを使って、プログラマーでもノンプログラマーでもロジックを設計したり、素早くプロトタイプを作ったりすることができます。

この業界ではワークライフバランスを実現する難しさを常に実感することになりますが、それ故に、誰もがロジックを作れることがもたらす制作上の自由度の持つ重要性がこれまでになく高まっています。Adam は、以前のプロジェクトでビジュアルスクリプティングがチーム全体のワークフローをどのように変えたかを語ってくれました。「過去に戻れるなら、ビジュアルスクリプティングという道具を持って行ってあげたいですよ。もしこれが叶うなら、開発者が他の機能を作るのに忙しくてシーンをレビュー用に準備するために必要な操作可能な部品がすぐに完成しないと何度も愚痴をこぼし、落ち込んでいたレベルデザイナーを助けられるかもしれない。アーティストの UI を私がひどい形で取り込んだおかげで、彼のビジョンを台無しにしてしまったこともありましたが、あれも救えるかもしれない。また、ロジックを直接サーバーにプッシュする手段があれば回避できた iOS ホットフィックスの提出にストレスを感じつつ対応していたチームの貴重な時間を取り戻すことだってできるでしょう。」

現状のビジュアルスクリプティングにさらにアクセスしやすくすることで、これまでコーディングが主なデジタルソリューションだった他のユースケースに新たな可能性を開くことができます。ビジュアルスクリプティングは、ロボティクスのような重要な科学分野の学生とつながる方法になるのでしょうか。私たちは、その可能性のほんの一端に触れているに過ぎません。Unity の魅力は、ある機能を一度コミュニティの手に委ねれば、コミュニティがそれを使いこなして、素晴らしい成果物を生み出してくれるということです。

ビジュアルスクリプティングは、コーディングを完全に置き換えるものではないことに注意してください。これは、プログラマーと、アーティストやデザイナーのような技術職ではないチームメンバーの間で、よりシームレスなコラボレーションを可能にしてくれるものです。ビジュアルスクリプティングを通勤に使う急行列車に例えて考えてみてください。A 地点から B 地点まで移動する必要がある時に、停まらなくてもよい駅を通過したり、遅延を避けることができるなら、目的地までの所要時間を大幅に短縮することができます。ビジュアルスクリプティングも同様に、目的を達成するための時間を短縮してくれるものなのです。

「優れたビジュアルスクリプティングソリューションは、それを使う人の出来ることを増やし、ゲームの制作に積極的に貢献できるようにするということにも等しいのです。ビジュアルスクリプティングがなければ、プログラマーがゲームプレイとアート面での努力をつなぐ際にボトルネックを作ってしまうこともあります。」と Theo は言います。「最終的な目標は、プログラマーの手を借りられないユーザーのために、各プロジェクトに再利用できるような高レベルのノードを多数収めたライブラリを持つビジュアルスクリプティングを提供することです。詳細は、その実現時期が近づき次第、発表します。」

ビジュアルスクリプティングで以下のことができます。

  • キャラクター間の会話のような、スクリプトされたイベントの作成
  • 新しいプレイヤースキルの定義
  • ビジュアルエフェクトの制作
  • ステージへのトラップの追加
  • 衛兵を配置するようなノードの挿入
  • トリガーボックスの調整
  • シーンに適切なアニメーションの選択
  • 他にも様々なことができます!

コードを書くのが好きなら、ビジュアルスクリプティングとコードを併用することもできます。必要な時にノードを使えるというだけで、どちらか一方を選ぶ必要はなく、自分にとって最適な方法で作業を行えば良いのです。ビジュアルスクリプティングは、将来のプロジェクトのテンプレート作成のために使うこともできます。

ここまでに挙げたことを背景として、Unity はアーティスト向けのツールや機能の開発を加速させています。リアルタイムかつインタラクティブなグラフィックス、コンテンツ、および体験を作成するプロセス全体を、視覚指向のクリエイターにとってより直感的でアクセスしやすいものにすることが、2021 年の優先課題の 1 つです。

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TL;DR:ビジュアルスクリプティングを使うと、これまでコーディングする必要があったクイックアクションの作成に、ノードを使ってそれを作るという選択肢を加えることができます。

ここまで、ビジュアルスクリプティングがプロジェクトにもたらす利点についてご覧いただきました。本記事の内容に対するフィードバックをお待ちしています。さらに詳しい情報を読みたい方やご質問されたい方は、Unity のフォーラムをご覧ください。

2021年2月4日 カテゴリ: Engine & platform | 4 分 で読めます

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