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Hi-Rez が『Rogue Company』のローンチを安心して迎えた理由

2020年8月19日 カテゴリ: ゲーム | 4 分 で読めます
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2018 年 6 月 8 日、Hi-Rez Studios のオペレーション・サービス担当ディレクター Rob Pedrosa 氏は気分よく過ごしていました。数日前に稼働を開始した『Realm Royale』の運営が、なにもかも上手くいっていたからです。

彼はローンチに向けて十分なキャパシティをあらかじめ確保し、彼の指揮していた LiveOps チームも特に大きな問題に直面してはいませんでした。彼のチームメンバーのひとりが、運用チームにとって恐怖の知らせを ― CEO の立場ならうれしい知らせだったでしょうが ― 電話で知らせてきたその時までは。

「Ninja が『Realm Royale』をプレイしています!すごいですよ!みんな一斉にダウンロードしてプレイを始めますよ!」

そのメンバーの読みは正しいものでした。電話があってからわずか 2、3 時間のうちにプレイヤー数は軽く 10 倍以上に増え、その後も増加し続けたのです。この状況において、スケーラーもなしに Hi-Rez はいったいどのようにしてサーバーへの処理要求をさばいたのでしょうか。

休みの取れない Hi-Rez のクルー

「72 時間眠らなかったんです!」と Rob は笑顔で振り返ります。この時、Rob と彼のチームは、連絡先を知っていたすべてのサーバーベンダーに電話をして、できるだけ多くのサーバーを手に入れようとしました。「こうして私のチームは奇跡的にこの状況を乗り越えましたが、とても継続できるようなやり方ではなく、最終的には私たちにとって良くない結果を招きました。あのとき、なかなか接続できないで不満を覚えたプレイヤーがどれだけいたか把握することもできません。とにかく、あのような事態を二度と起こすまいと誓いました。」

プレイヤーの数が管理可能なレベルに戻って余裕ができたときに、Rob は CEO に対して、当時使っていたベアメタルサーバーでサーバーフリートを運営し続ける場合、40 人以上の人員が必要であると伝えました。

そして、チームの規模を拡大したり、主要なパブリッククラウドプロバイダーとやりとりしたりしつつ、いくつかのソリューションを調査した結果、Hi-Rez は Unity の Multiplay を代替のソリューションに据えることにしました。

「Multiplay チームと数時間やりとりしたところ、Multiplay チームはサーバーだけでなくゲーム開発にも精通しており、両方を正しい形で進めていく上で必要なことを知っていると確信できました。」

それからしばらく時を経た 2020 年 7 月、Hi-Rez はこれまでで最も冒険的なタイトル、『Rogue Company』をローンチしました。このローンチに際しては、Ninja が『Realm Royale』をプレイして起きたような爆発的なユーザー数の増加が起きても問題ない体制が整えられていました。

『Rogue Company』のローンチを支えた Multiplay

Rogue Company』は、Hi-Rez の First Watch Games studio が開発した 3 人称視点のタクティカルアクションシューティングゲームです。プレイヤーは『Rogue Company』の傭兵となり、好きな武器を手にして特色ある街に飛び込み、さまざまな対戦モードでプレイヤー同士のオンライン対戦を行います。

Rogue Company』は 7 月 21 日にオープンベータが開始され、キャパシティプランニングの面でスタジオに多くの課題を提示しています。数百万ドル規模のマーケティングキャンペーンを打ち、10 本のタイトルについている 7,000 万人の既存プレイヤーがいて、そして世界中をカバーするローンチ戦略を進めようとしている状況で、サーバー負荷をどのように予測すればよいのでしょうか。

「『Rogue Company』のような冒険をしているタイトルにおいて、何が起きるか予測することはほとんど不可能です。しかし、Multiplay があれば心配はありません。この製品のハイブリッドクラウドはシステムへの要求に合わせてスケールアップ、スケールダウンを行う柔軟性がありますから。」と Rob は言います。

Multiplay のハイブリッドクラウドは、世界中の 150 以上のデータセンターと主要なパブリッククラウドを利用して、スケールに応じたレジリエンスとパフォーマンスを実現します。参加プレイヤーの数が増えるとスケーラーはより多くのサーバーを割り当て、プレイヤーが減少するとサーバーの割り当てを減らします。このマルチクラウドのアプローチにより、プレイヤーはゲームをプレイするまで待たされることがなくなります。

この事実は、運用全体が分散したサポートチームによって 24 時間 365 日管理されているという事実と相まって、Hi-Rez の運用チームに LiveOps の Quality-of-Life(生活の質)面に集中する余裕を与えています。

10 年以上にわたり Hi-Rez の顧客にボイス機能を提供するソリューション

Hi-Rez が初のタイトルとなる『Global Agenda』をローンチしたとき、音声コミュニケーションのサポートのために Vivox を導入して以来、Hi-Rez は Vivox をずっと利用し続けています。

「音声サポートなどのバックエンドサービスについては、それがあることに気づかないという状態が最高なのです。2005 年に私たちが事業を立ち上げて以来、Vivox は私たちの技術スタックの一部であり続けていますが、これまでに一度も問題解決のためのチケットを発行したことがないはずです。これは Vivox のチームが正しいことをしている証拠だと思います。」

こうした信頼を背景に、Vivox は、『SMITE, Paladins』や『Rogue Company』を含む、すべての Hi-Rez 製ゲームにおいてボイスチャットソリューションに選ばれています。

もっと詳しく知りたい方へ

Hi-Rez が使用しているツールやサービスは、Unity が提供するマルチプレイヤーツールの一部です。Multiplay は数々のタイトルでの採用実績があるゲームサーバーホスティングソリューションで、Hi-Rez サーバーのスケーリングにも活用されています。Vivox は信頼度の高い音声コミュニケーションソリューションで、『Rogue Company』のプレイヤーにクリアな音声コミュニケーションを提供しています。両サービスの詳細についてはこちらのページをご覧ください。

このインタビューは、Hi-Rez Studios と『Rogue Company』のバックエンドのインフラストラクチャを紹介したものの一部です。Hi-Rez がどのように Unity と連携しているかについては、こちらからダウンロードできるケーススタディを参照してください。

2020年8月19日 カテゴリ: ゲーム | 4 分 で読めます

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