Metaverse Minute シリーズを通してご覧いただけるように、すでに多くの組織が産業用途向けメタバースを使って、実世界の問題に対する解決策のシミュレーションや探索を行っています。たとえば、医療業界では、没入型技術が圧倒的にポジティブな影響を及ぼしています。2 月はアメリカ心臓月間です。そこで、AI、VR(バーチャルリアリティ)、XR(エクステンデットリアリティ)を活用した Unity のデジタルツイン技術の医療への応用を紹介します。
*注意:このブログ記事には医療関連の画像が含まれております。ご覧になる方によっては不快に感じられるかもしれません。
標準的な患者さんのシナリオをホログラフィでシミュレーションした学習アプリ
医学生は何年もかけて勉強しているにもかかわらず、実際の患者さんを相手に試行錯誤して、悪い場合は患者さんにつらい体験をさせながら、実践的なトレーニングを積むことが多いのです。現在では XR 技術を使って臨床環境を模倣し、たとえば患者さんが心停止に至るような現実の状況をシミュレートして、失敗しても取り返しがつく形で体験を提供することができるのです。ホログラフィで描かれた患者さんを相手に訓練を積むことで、現実の医療リスクをなくし、学生へのプレッシャーもなくすことができます。研修医は診断能力を高めつつ、より学習に対して積極的になります。GigXR 社の HoloPatient のようなアプリケーションの採用が進み、学生が医療の現場に出る前に、現場で直面することになる困難なシナリオに精通しているようになることが、私たちの願いです。
VR で作られた高度な外科手術トレーニング
VirtaMed 社は、「施術をしたことのない医療従事者が患者さんに施術をすることはあってはならない」と考えています。VirtaMed 社の没入型シミュレーションを用いたトレーニングにより、整形外科や婦人科などの専門医があらかじめ VR で侵襲的な手術の経験を積んでおくことが可能になっています。この技術は、学習曲線を短くし、現実の手術室でも同じように使える手技の習得を実現することを目的としています。患者さんの治療がどのように改善されるのか、楽しみです。
病院内の移動を支援するスマートアシスタント
Ouva 社の「Virtual Assistant」のことを聞いたとき、がん治療を受けている患者さんに役立つとすぐに思いました。がんを経験された方や、ご家族・ご友人にがんの方がいらっしゃる方はご存知かと思われますが、その治療にはさまざまな専門分野が関わっており、患者さんが複数の医療機関を受診されることも少なくありません。このための案内は大変で、相当の労力を要するものです。Ouva は人工知能を使い、スマートフォンやハンズフリーの院内ディスプレイで目的地まで案内します。このような案内技術は、患者さんやご家族にとってこれまでストレスを与えてきた多くの場面で、不安やフラストレーションを軽減してくれるはずです。アメリカ中の病院に Ouva 社のアプリケーションが導入され、患者さんの体験を向上させることができるようになることを期待しています。
近日実施予定の、Ouva 社が合成データで本番環境対応の患者モニタリングプラットフォームを構築した方法についてのウェビナーにもぜひご参加ください。
複雑な手術計画のための VR による医療画像生成
シンシナティ小児病院医療センター(Cincinnati Children's Hospital Medical Center)は、VR を活用して驚くべき進化を遂げています。Ryan Moore 医師と彼のチームは、極めて稀な心臓疾患を持つ子供たちのための長期的な解決策を見いだしています。最近では、心臓がうまく血液を送り出せない病気があった Brayden Otten さんが、VR でビジュアライゼーションされた手術を受けて快復しました。また、VR は患者さんやそのご家族に手術方法を説明する際にも役立ちます。Brayden さんのように、これまで見込みがないとされていたケースに VR が希望を与え続けることを期待しています。私たちは医療向けのメタバースを活用して、現実世界の命を救うことを目指しています。
私たちが知らない Unity の活用法がまだまだあると思っています。ぜひ皆さんの活用法を教えてください。Twitter で私たちのハンドル @DigitalTwin をメンションして、簡単な概要をお送りいただければ、審査の上、次回の Metaverse Minute での掲載を検討させていただきます。
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