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2021 年へのロードマップ

2020年8月13日 カテゴリ: テクノロジー | 5 分 で読めます
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2021 年に向けた Unity の計画を共有いたします。皆様からいただいたフィードバックを読み、皆様からのご意見に基づいた計画を立てました。

Unity の 2021 年の製品へのコミットメントはシンプルです。それは、皆様から寄せられた要望に基づいて、本番環境ですぐに使える機能、ワークフロー、コンポーネントを提供することです。Unity は、本番環境ですぐに使える機能とは、ユーザーのニーズを完全に満たし、リリースの時点で完全なサポートがあり、タイムリーなバグ修正、改善、そして明確なロードマップを備えたものであると考えています。

予測を立てて実行できるように、私たちは仕事のやり方も変えていっています。より少ない作業量で、より良い作業を行い、リリース前に首尾一貫して機能することを検証します。皆様にとって最も重要な機能と機能を開発するために、より大きく、人材の揃ったチームを編成しています。Unity は、製品、プログラム、エンジニアリング、設計チームに投資を行い、優れたワークフローを構築して皆様のお役に立ち、予測可能で信頼性の高いリリースの実現を目指してまいります。

ソフトウェア開発とはすべてプロセスです。毎月、開発者ダイアリーを通して、皆様に進捗状況を見たりコメントしたりする機会を設ける予定です。こうして、皆様に理論が現実化する様子を見守っていただけるようにいたします。

以下の図は、2021 年に向けて Unity が重点を置く分野を示したものです。

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コア製品の相互運用性と安定性

Unity 2021 としてリリースする一連のバージョンは、Unity 2020 LTS(長期サポート)リリースを直接のベースとして構築します。その主な目的は、エディターの安定性と堅牢性を向上させ、バグやリグレッション、特にユーザーへの影響が最も大きいバグやリグレッションを減らすことです。私たちは、こうした取り組みを「ついで」にしたくありません。他のすべてのものの土台となり、私たちを前進させてくれるものにしたいのです。ユーザーの皆様が日々開発を進め、ゲームを完成させようとするとき、こうした取り組みの積み重ねが違いを生むものだと私たちは知っています。

もう一つの重要な変更点は、バグの数、リグレッションの数、クラッシュの数といった指標に加えて、ワークフローや相互運用性が壊れていることもバグの定義に取り入れ、その定義に従って追跡するようにしたことです。

その他、以下の分野にも力を入れています。

  • ワークフローとユーザビリティ:UI オーサリングなどの集約的なワークフローや、それらを可能にする主要なツール(シーン関連のツールシステム、検索およびフィルタリングなど)のアップグレードによる Quality-of-Life(生活の質)の向上を目指します。
  • プラットフォームのリーチ:次世代コンソール、Apple Silicon、新しい AR/VR プラットフォームなど、幅広いプラットフォームのサポートと、各プラットフォームがローンチされた時点でのコンテンツの提供を実現し、かつ、モバイルアーキテクチャ向けの継続的な最適化とサポートも進めます。
  • 性能と反復作業の速度向上:アセットのインポート、ビルドとデプロイ、およびエディター内での反復作業まで、開発ライフサイクル全体にわたるチームの生産性向上を実現します。

機能

Unity 2021 では、グラフィックス、マルチプレイヤーネットワーキング、ビジュアルスクリプティングの 3 つの機能分野を進化させていきます。

グラフィックス:スクリプタブルレンダーパイプラインとツール

Unity は、ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)ソリューションの成熟化、および HD レンダーパイプライン(HDRP)の安定化に取り組みます。レンダーパイプラインにまつわる Unity の長期的な目標は、Unity のすべての機能との完全な相互運用性を持たせることであり、ユーザーをサポートするツールのエコシステムを使ってシーンを構築するための 1 つの方法を提供することです。

ビジュアルスクリプティング

2021 年には Bolt ビジュアルスクリプティングを Unity に直接組み込まれたコア機能として提供する予定です。これを行うことで、Unity のノードベースの開発ツール全体に一貫性を持たせます。Unity は、ビジュアルスクリプティングのワークフローを他のノードベースのソリューションと統一することが、優れたユーザーエクスペリエンスを実現するための鍵であると考えています。

マルチプレイヤーネットワーキング

Unity は安定してサポートがついているネットコード基盤を提供します。第一に、これはデータ指向技術スタック(DOTS)のネットコード空間を超えて焦点を拡大し、現在の Unity の GameObject のためのソリューションを提供することを意味します。次に、Unity はオープンソースソフトウェア(OSS)のマルチプレイヤーコミュニティにいる素晴らしい才能と共に開発を行い、主要なジャンルのフルスタックソリューションの提供を目指します。そして最後に(皆様からの要望に応え)、マルチプレイヤーゲームの制作のために、単にネットコードを提供して終わりではなく、ツール、ドキュメント、サンプルに大規模な投資を行い、ユーザーがより簡単に開発を始められるようにする予定です。

Mediatonic の『Fall Guys: Ultimate Knockout』ようなゲームの成功が証明しているように、現在の Unity を使えば、素晴らしいマルチプレイヤーゲームの開発が可能です。

製品のリリーススケジュール

2021 年の製品リリーススケジュールは、以下に示すリリースコミットメントに基づいたものとなります。

Unity 2020 LTS(2021 年第 1 四半期)

  • Unity 2020 の長期サポート(LTS)版です。Unity 2020.1 および近日リリース予定の Unity 2020.2 からの安定化されたチェンジセットを含むものとします。
  • インスペクターの配列やリストの並び替え、インスペクターのコピーおよびペースト機能の改善、ヒエラルキーの中でオブジェクトを「デフォルトの親」としてマークする機能、その他、既存の機能やツールセットについての多岐にわたる改善など、特に生活の質に焦点を当てた改善を盛り込む予定です。
  • 反復作業の速度、開発者向けツール、および IL2CPP がコード変更がない場合に不要なコードの再変換や再コンパイルを回避するようにするアップデートといったパフォーマンス改善に引き続き取り組みます。
  • アセットインポートの安定性と堅牢性の向上を実現します。
  • URP と HDRP の両方について、SRPの安定性を改善します。
  • PlayStation 5、Xbox Series X、Apple Silicon プラットフォームのサポートを提供します。
  • OSS のマルチプレイヤーコミュニティへの貢献とコラボレーションの拡大を図ります。

Unity 2021 製品リリースサイクル(2021 年 3 月~10 月)

  • Unity エディターに直接統合されたビジュアルスクリプティングを、堅牢性と安定性に優れ、本番環境での開発にすぐ使える形で提供します。
  • URP と安定版の HDRP における主要な体験を反復的に改善していきます。アセットストアでは、ユーザーがタグ付けやフィルタリングを行うことで、URP や HDRP のコンテンツを簡単に発見できるようにします。
  • 現在の Unity(GameObject)のための、安定してかつサポートのついている、拡張可能なネットコード基盤を提供します。
  • マルチプレイヤーゲーム向けツールのサポートを強化します。
  • コア製品の相互運用性と安定性の向上に関する事柄は上記の通りです。

 

また、データ指向技術スタック(DOTS)に関する取り組みも継続しており、将来の Unity の基礎、および初期状態で優れたマルチスレッド性能を実現するアーキテクチャの基礎を築くための努力を続けています。これについては、今後のブログ記事で詳しく説明します。

コミュニティからのフィードバックは非常に貴重なものであり、私たちのこれからの開発に対しても引き続き皆様からのご意見を伺いたいと考えています。私たちは、毎月の開発者ダイアリーで定期的に進捗情報を共有し、皆様が私たちにご意見を伝えられる場を提供します。

/r/Unity3D subreddit の AMA(Ask Me Anything)セッションにぜひご参加ください。日本時間 8 月 15 日午前 2 時 30 分(アメリカ西海岸時間 8 月 14 日午前 9 時 30 分)から、Unity チームのメンバーが 2 時間にわたって皆様からの質問にお答えいたします。さらに、モデレーター付きのフォーラムの Q&A スレッドを数日間にわたって開きますので、ぜひご質問やフィードバックをお寄せください。

2020年8月13日 カテゴリ: テクノロジー | 5 分 で読めます

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