Unity を検索

Unite 2023:ゲーム開発へのコミットメントの深化

2023年11月16日 カテゴリ: ニュース | 11 分 で読めます
11-2023_Blog_Hero-image_Unite-keynote
11-2023_Blog_Hero-image_Unite-keynote
シェア

Is this article helpful for you?

Thank you for your feedback!

4 年ぶりの対面の大規模会議となる Unite 2023 で、コミュニティの皆様にまた直接お会いできることを大変嬉しく思っています。Unite は、世界各国から集まった Unity 開発者と出会い、つながりを作り、インスピレーションや専門知識を共有し、Unity プラットフォームの現在と未来について深い理解を得ていただくためのイベントです。

本日の基調講演では、開発者からストーリーやゲーム、新しい Unity のデモの披露があるほか、ビデオゲームのデザイン、ビルド、デプロイ、運営をサポートする最新情報や今後の展開について、たくさんのことをお伝えします。

Unity エンジン基盤に軸足を置く

基調講演は、Unity の次のメジャーバージョンのプレビューから始まります。そして、新しいバージョン名も明かされました。2024 年にリリースされる次の長期サポート版(LTS)リリースは、Unity 6 と呼ばれることになります。Unity 6 では、パフォーマンスが大幅に強化され、マルチプレイヤーゲームの制作がより簡単に行えるようになります。また、WebGPU のサポートや強化された XR デバイスのサポートが、早期アクセス版として提供されます。

Synty Studios のアセットを使用して構築されたスタイリッシュな環境デモ『Fantasy Kingdom in Unity 6』はこれらの機能の一部のプレビューです。この動画はレンダリング、ライティングの性能向上と、大幅なパフォーマンス向上によって可能になった、より大規模かつよりリッチな情景描写による表現力の向上を印象付けるものとなっています。デモの大きな見どころは、より没入感のある自然な照明条件を表現することができる Adaptive Probe Volume です。GPU Resident Drawer、GPU Occlusion Culling、Spatial-Temporal Post-Processing(STP)は、ハードウェアベースでの最適化を行い、パフォーマンスをさらに向上させます。

このコンテンツはサードパーティのプロバイダーによってホストされており、Targeting Cookiesを使用することに同意しない限り動画の視聴が許可されません。これらのプロバイダーの動画の視聴を希望する場合は、Targeting Cookiesのクッキーの設定をオンにしてください。

Unity 6 では、まったく新しい WebGPU グラフィックスバックエンドもサポートされます。Unity 6 からは、ネイティブアプリあるいはブラウザー内のウェブビューを含め、ウェブ上のあらゆる場所で Unity で作ったゲームを実行できるようになります。新機能として新しくエキサイティングなレンダリング機能がサポートされ、グラフィックスの忠実度を一段上に引き上げてくれます。

Unity 6 の詳細については、近日オンデマンドで配信予定のロードマップセッションをご覧ください。

この新バージョンを早く皆様にお届けしたいところですが、最新の長期サポートリリースである Unity 2022 LTS からも、ご紹介したい重要な機能があります。DOTS のフルサポートやユニバーサルレンダーパイプライン(URP)グラフィックス機能などがそれにあたります。これらの機能については、マルチプラットフォームプロジェクト向けのグラフィックスの開発、スケーリング、および設定の手法を示した 3D サンプルでご紹介しています。今すぐ Unity 2022 LTSURP 3D Sample プロジェクトをダウンロードして、これらの機能に触れてみてください。

エンドツーエンドのマルチプレイヤーサポート

Unity LTS 2022 で搭載されたマルチプレイヤー機能を活用してマルチプレイヤー対戦型シューティングゲーム『Histera』を開発している StickyLock Studios が登壇し、同スタジオが Unity を採用した理由を解説します。

また、素晴らしいマルチプレイヤーゲームを提供するために必要なエンドツーエンド機能を紹介するために開発された『Megacity Metro』の近日公開予定のデモとサンプルゲームを先取りして披露いたします。『Megacity Metro』は、2018 年に作られたサンプル『Megacity』のグラフィックスを一新し、クロスプラットフォームプレイにより重点を置いてリメイクしたものです。このゲームサンプルでは、Netcode for Entities と Multiplay Hosting を使用することで、100 人以上のプレイヤーをサポートするマルチプレイヤーエクスペリエンスを開発し、スケールさせる方法を紹介します。

これに加え、Safe Voice と Moderation の紹介もあります。これは、マルチプレイヤーゲームにおいて他者に危害を加える行動を管理するためのツールです。本日からオープンベータ版にアクセスできるようになっています。このツールを使って、プレイヤーにより安全なコミュニティを提供することができます。

Unity Cloud でコネクテッドエクスペリエンスを実現

Unite では、ワークフローをつなぎ、合理化するツールを備えた Unity Cloud も新たに発表されます。Unity Cloud には、Unity Asset Manager、Unity DevOps、一元化された Team Administration、エディター統合、改善されたダッシュボード UI が搭載され、ゲーム開発ライフサイクルに秩序をもたらします。

Unity Cloud は、Unity のすべてのバージョンと、Personal を含むすべてのサブスクリプションティアに対し、本日より早期アクセスを提供開始しました。

Preview of the Unity Cloud dashboard showing text-based side menu and icon-based top menu

Unity Muse と Unity Sentis の進化

Unite で発表する内容には、Unity Muse と Unity Sentis の最新版に関するものもあります。Unity Muse の Chat、Sprite、Textures などと名付けられた AI 機能を使ってより迅速にイテレーションを回し、ビジョンを洗練させることができます。

Chat を使えば、自然言語で書かれたプロンプトを入力して、まさに探していた情報を見つけることができます。わずか数秒で、しっかりした回答や指示、さらにプロジェクトに使えるコードまで手に入ります。Sprite の機能を使って、エディター内で直接 2D アートの作成と修正を行うことができ、2D・3D のいずれのプロジェクトにおいても、実制作に使える品質のテクスチャを、スタイルに縛られることなく、すべてプロジェクト内で生成できます。

加えて、現在プレリリース版で 2024 年後半にフルサポートされる予定となっている Muse の次期機能セット、Behavior、Animate、Sketch についても少しだけですがご紹介します。Behavior を使えば、キャラクターのインタラクションを即座に設定することができます。目的の動作を記述するだけで、Muse がエディターでビヘイビアツリーを作成してくれます。Animate を使えば、テキストプロンプトをいくつか入力するだけでヒューマノイド型キャラクターに命を吹き込むことができます。これは従来、設定に数時間かかっていた作業で、新人アニメーターにもベテランアニメーターにもメリットがあります。Sketch を使えば、サンプルシーンをエディターにインポートしなくても、ウェブ上で同僚と一緒にモックアップを始めることができます。

Muse は、実制作での利用向けに微調整や修正が可能なゲームアートを作成するため、作成したアセットを Unity プロジェクトに直接取り込むことができます。私たちがどのようにモデルの学習を行ったのか、また品質管理された出力を実現するためにどのような技術を取り入れたかについて詳しく知りたい方は、責任ある AI と Unity におけるモデルトレーニングの強化について書かれたブログ記事をご覧ください。責任ある形で学習を行ったカスタムメイドのモデルを使っているので、誰かの著作権を侵害するような素材を誤って生成する心配はありません。私たちは、Muse の有料プランをご契約くださったすべての方に、安全でオリジナルなアセットを提供することをお約束します。この早期アクセス期間終了後、Muse が生成したアセットが著作権を侵害しているとのクレームがあった場合は、Unity が対応し、皆様をお守りします

Muse は現在、早期アクセス版がご利用可能です。サブスクリプションは月額 30 ドルとなります。Muse はまだ早期アクセス版ですが、制限なく好きなだけ実験していただくことができます。この期間中、私たちも皆様と一緒に学んでいくことになります。そのため、すべての機能を無制限にご利用いただけるようにしております。早期アクセスの終了時(2024 年春予定)には、Muse の利用規約を更新し、ご利用可能枠を使い切った場合、追加枠を必要に応じてご購入できるようにいたします。また、Unity が変更を加える場合には、皆様への周知を欠かさないようにいたします。Muse の最新情報はディスカッションでご覧いただけます。また、開発の進捗に応じて更新される FAQ もぜひご覧ください。

このコンテンツはサードパーティのプロバイダーによってホストされており、Targeting Cookiesを使用することに同意しない限り動画の視聴が許可されません。これらのプロバイダーの動画の視聴を希望する場合は、Targeting Cookiesのクッキーの設定をオンにしてください。

Unity Sentis を使って、Unity 開発者はゲームやアプリケーション内の Unity ランタイムに AI モデルを組み込むことができ、エンドユーザーのデバイスで動くゲームプレイを強化したり、その他さまざまな機能を実現したりすることができます。Tensorflow、Pytorch、Meta、OpenAI、あるいは Keras や HuggingFace のようなマーケットプレイスからモデルを入手することができます。Sentis はオープンな ONNX ファイル形式を使っているので、そうしたモデルをインポートし、Unity ランタイム用に最適化することができます。

Unity Sentis では、学習済みの AI モデルを Unity がサポートするすべてのデバイスでローカルに実行できるため、クリエイターはクラウドコンピューティングのコストやネットワークレイテンシを気にすることなく、オープンエンドなクエストを帯びたスマートなやり取りができる NPC や物体認識などのエクスペリエンスを制作、提供することができます。 

Sentis は引き続きオープンベータ版として公開されており、現時点ではすべての Unity ユーザーに無料でご利用いただけます。製品版のリリースは来年の Unity 6 に併せて行われる予定です。ディスカッションで Sentis の最新情報をフォローし、皆様が作った素晴らしいものをコミュニティと共有してください。

『Tales of Yin Nova』は、Unity Sentis の機能を紹介するデモです。このデモでは複数の連鎖した AI モデルを活用し、自然言語によるインタラクションとストーリーテリングを実現しています。

プレイヤーがどんな場所にいても開発者がリーチできるようにする

Facebook と Messenger のインスタントゲームに Unity タイトルを提供するための Meta との新しいパートナーシップを Unite にて発表します。こちらは来年後半にベータ版が開始となる予定です。

Quest プラットフォーム向けの AR Foundation の正式版ローンチもアナウンスされます。これにより、Meta Quest 3 向けに混合現実を使ったゲームやエクスペリエンスを開発する方法がさらに広がったことになります。これは現実世界を混合現実ゲームに取り込む手段も提供します。Unity が提供しているテンプレートを使って、今すぐそうしたエクスペリエンスの開発に着手することができます。

今年の上半期に開催された WWDC では、Unity の Apple Vision Pro 向けプラットフォーム対応が発表され、Apple Vision Pro の Shared Space で他のアプリケーションと一緒に動作するユニークな空間エクスペリエンスを構築できる Unity PolySpatial が全世界に向けて紹介されました。145 か国から、何千人もの方が Unity の visionOS のベータ版プログラムへの参加希望を表明してくださいました。そして、この基調講演で Unity visionOS ベータ版が、本日より Unity Pro、Enterprise、Industry をお使いの皆様にご参加いただけるようになったことを発表します。

Demeo (Resolution Games) screenshot in visionOS simulator for Apple Vision Pro
Apple Vision Pro 向け visionOS シミュレーターで動作する『Demeo』(Resolution Games)のスクリーンショット

最後に、第 15 回 Unity Award に応募してくださった皆様の素晴らしい作品を振り返り、コミュニティ推薦および受賞者を発表し、基調講演は終わりとなります。受賞者の皆様、おめでとうございます!

テクニカルセッションやロードマップの解説など、Unite 2023 は今まさに進行中です。また今回のイベントのコンテンツのうち、厳選された一部については、今後数週間にわたって YouTube で公開されていきます(日本語版注:一部のセッションは日本語吹き替え版もご覧いただけます)。基調講演の全編は下のリンクからご覧いただけます。

このコンテンツはサードパーティのプロバイダーによってホストされており、Targeting Cookiesを使用することに同意しない限り動画の視聴が許可されません。これらのプロバイダーの動画の視聴を希望する場合は、Targeting Cookiesのクッキーの設定をオンにしてください。

2023年11月16日 カテゴリ: ニュース | 11 分 で読めます

Is this article helpful for you?

Thank you for your feedback!

フォーラムでディスカッションに参加する
関連する投稿