プレイヤーを惹きつけ続ける効率的な戦略を学ぼう

ライブゲームの運営はデリケートなプロセスです。しかし、データを使ってプレイヤーがゲームでの体験を目いっぱい楽しめるようにするための適切なメッセージングやメカニクスを導き出すことができます。この記事では、Unity の最新の e ブックからいくつかヒントをご紹介します。

すべてのゲームメーカーが、プレイヤーの体験を向上させたいと願っています。しかし、ほとんどの人にはどこから、あるいはどのようにして始めればいいのかがわかりません。Unity の新しい e ブック「11 effective engagement strategies」では、個人レベルの施策から大規模な戦略的な見直しの一環となるものまで、簡単に実行できる戦術や戦略を紹介しています。

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プレイヤーの体験に影響を与える変数は非常に多いため、エンゲージメント戦略全部に取り組むもうとすると、圧倒されるように感じるかもしれません。こういうときのコツは、物事を分解し、大きな活動の中に、小さく分解したベストプラクティスを織り交ぜていくことです。

今回ご紹介するガイドでは、長期的な思考、ターゲティング、テスト、タイミングの原則に焦点を当てた、エンゲージメントのための戦術と戦略を網羅しています。ここでは、その中からヒントをいくつかご紹介します。

典型的な無料プレイ（F2P）ゲームの寿命は、プレイヤーのエンゲージメントについての考え方や、関与するテクノロジーを背景として、変化を続けています。

長期的なリテンションとエンゲージメントは、基本的な収益統計よりもはるかに重要です。2020 年 3 月から 9 月にかけて、米国の iOS 上で月間アクティブユーザー（MAU）が 10 万人を超える 7 本のロングランタイトルをサンプルとして行った Unity の調査によると、ロングランタイトルの場合、収益の 80% は、ゲームを遊び始めてから 1 か月以上経過した、デイリーアクティブユーザー（DAU）の 56% によって生み出されていることがわかりました。明らかに、新規プレイヤーよりも長い間プレイし続けているプレイヤーの方が価値が高く、新規プレイヤーに長期間プレイを続けてもらうには、一貫したエンゲージメント施策が重要です。

開発プロセス全体を通して、プレイヤーのエンゲージメントについて考える必要があります。そうすることで、ターゲットを絞ったメッセージングでプレイヤー体験をパーソナライズし、向上させる機会として利用できる感情の山と谷を発見することができます。

これは、短期的な思考から長期的な思考へと、ゲームの構築と運用のあり方に根本的な転換を生み出しています。ゲームアプリ分野での競争は急速に激化していますが、チャートの上位にあるアプリの統計は、この転換を見事に映し出しています。プレイヤーとゲームの平均寿命は前年比で大幅に伸びていますが、これは効果的なエンゲージメントによるものです。

ガイドでは、プレイヤーのエンゲージメントを成功させるための 11 の効果的なエンゲージメント戦略を紹介していますが、これらの戦略はゲーム内のオファーに意図的に焦点を当てています。deltaDNA を利用しているとある人気ゲームは、2020 年 6 月から 9 月にかけて、MAU が 500 万を超えています。同ゲームでは、オファーがゲーム内ストアでの割引、動画広告視聴に対する報酬、タスクを完了するともらえる報酬など、どのような形であるかに関わらず、オファーを組み込んだセッションでは、オファーを組み込んでいないセッションに比べて平均で 2 倍以上の収益を挙げていたことがわかりました。

セグメント化は、洗練されたエンゲージメントの基礎となります。プレイヤーを類似したユーザーのグループやセグメントに分けることで、特定のプレイヤーのタイプを素早く把握し、それに応じて分析とエンゲージメントを行うことができます。例えば、一般的に有用なセグメントには、課金のあるなし、Android ユーザーと iOS ユーザーの別といったものがあります。

セグメント化を行うことで、より賢いな方法でデータに応じた行動を取ることができます。また、独自のセグメントが多ければ多いほど、ターゲティングをより洗練されたものにすることができます。セグメント分けを行うことで、各プレイヤーに最も関連性の高いメッセージのみを確実に届けることができるようになるのです。

ゲーム内で実施する様々なキャンペーンは、様々なセグメントをターゲットとする必要があり、また、セグメントの粒度、すなわちセグメント化のレベルに応じて最適化する必要があります。

また、セグメント化を行うことで、データを調べる際に、より良い問いを立てることができます。例えば、プレイヤー全体を見てオファーメッセージの利用率は 10% だなどと判断するのではなく、セグメント間の比較を行うのです。こうした比較により、ただ全セグメントにわたって平均の利用率を見るだけではなく、どのオファーがうまくいっているのか、うまくいっていないのかがわかります。そして、ビジネスの目標に最も合致する種類の戦術をより優先して行うことができるようになります。

プレイヤーのターゲティングの効果を確かなものにするためには、A/B テストが欠かせません。リワード広告を例に考えてみましょう。リワード広告は莫大な収益を生み出しますが、低利用率や、より悪いケースとして IAP のカニバリゼーションを避けるためには、迅速な最適化が必要です。報酬を小さくしすぎるとプレイヤーのエンゲージメントが低下してしまいますが、気前よく出しすぎるとインベントリやゲーム内通貨を大量にストックすることが可能になり、課金に対する意欲が失われてしまいます。リワード広告によるエンゲージメントには、伸びが止まる点が存在します。上の例では、15 セントよりも高い価格のリワードを提供することは、収益化戦略全体にただ悪影響を与えるだけであることが示されています。

自動化された A/B テストは、エンゲージメント戦略を最適化するための最良の方法です。適切なツールがあれば、テストを実行に移すことができます。しかし、従うべきガイドラインがいくつかあります。

• 我慢強く行うこと：初期段階の有意な結果を見て、早期に試験を終了すると、最良の結果は得られません。テストがすべて終了するまで待ちましょう。
• 一貫性を保つこと：一度に 1 つの変化を行うテストからのみ、信頼できる結論を導き出すことができます。複数の変数が働いていると、たちまち各変数の個別の影響を正確に評価することができなくなります。

• 常に同質なオーディエンスを使うこと：対照群と処置群が比較可能な被験者で構成されるようにしてください。地理的位置、人口統計学的な属性、およびプレイスタイルは、プレイヤーのプロファイルを区別するものであるため、セグメント化に有用なマーカーとなります。

これらのルールに従えば、間違うことはありません。

オファーのタイミングをパフォーマンスがピークになる時に合わせることは、オファーの利用率と効果を最大化する上で非常に重要です。deltaDNA ユーザーのゲームでは、全体的なオファーの頻度は DAU に応じて上下します。そのため、COVID-19 がプレイヤーの行動に大きな影響を与えるようになる前は、通常、週末に送られるメッセージングによるキャンペーンの頻度が他の時間帯よりも 33% 多くなっていました。2020 年は、2019 年 1 月から 2020 年 9 月のデータによれば、週末でも他の時間帯に比べて 21% 多くなるにとどまっています。

しかし、ここ数か月は、金曜日から日曜日にかけてのキャンペーンオファーの利用率が増加しており、相対的なコンバージョン率が著しく高くなっています。

行動の微妙な変化や予期せぬ変化は、推測ではなく最新のデータに基づいて計画を立てることがいかに重要かを証明しています。業界全体に現れるパターンを常に意識しながら、自社のデータに常に目を向け、そこから計画を組み立てていきましょう。継続的な分析は、プレイヤーに適切な体験を提供するために非常に重要です。

最高のゲームは、この記事で紹介したルールと、ガイドに収録されている残り 7 つのルールに従っており、プレイヤーが遊び続ける期間を数週間から数年にも延ばしています。プレイヤーは時間の経過とともに変化していきます。プレイヤーを飽きさせないためには、プレイヤーに合わせてゲームを変化させる必要があります。ライブゲームを進化させるのはデリケートなプロセスであり、データは、プレイヤーを怒らせてしまう可能性すらあるような場面で、プレイヤーを惹きつける方法を導く鍵となります。

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Unity の deltaDNA は、ゲームメーカーに深いデータ分析に支えられ、洗練されたプレイヤーエンゲージメントツールを提供します。

クロスプラットフォームに対応し、データを取り扱う機能を豊富に備えたこのエンドツーエンドのソリューションにより、パブリッシャーや開発者は様々なプレイヤーの行動をより良く理解し、個別のプレイヤーをターゲットにしたパーソナライズ済みの体験をリアルタイムで作成することができます。deltaDNA のウェブサイトから、どなたでも deltaDNA の全機能が使える、30 日間の無料トライアル版を入手していただけます。